2007年8月26日 (日) 山寺宏一より今週の一言私、声優としていろんなアニメ作品や映画に携わらせて頂いておりまして、本当にありがたいことと思っているのですが、最近感じることはいろんなタレントや有名人を起用していることが目立つことです。まあ、僕もそれで普段お会いすることが難しい方と知り合いになれたり、凄く刺激になることもあるんですが、中には「これはあまりにもムチャじゃないの!」と言いたくなるキャスティングもあると思います。もちろん話題性は大事ですし、お客さんがたくさん入ることはおろそかにできないのですが、本当にピッタリあったキャスティングをよくよく考えて欲しいと、見る側の立場としても思います。 (以下省略)-----------------------------(引用終了)----------------------------山寺宏一さんは私が好きな唯一の声優さんで、出演する作品はほとんど観ています。一人で7役も演じてしまうほどの力量は敬服に値します。 山寺さんがブログで書かれておられるように、アニメや実写の吹き替えに声優ではなく、人気のある俳優やお笑いタレントを起用することは珍しいことではなくなりました。その流れを作ったのは、宮崎駿監督からでしょうか。しかし、その現状に山寺さんと同じように疑問を感じています。例え、俳優やお笑いタレントであっても、声の演技でも上手く演じきれている人であれば、観ているこちら側も作品に集中できるのですが、ハッキリ言って声の演技がヘタすぎる人の場合は、そのたどたどしい演技のほうに気をとられてしまい、イライラしちゃってどうしても映画に集中できなくなってしまいます。良い作品ならそれだけで台無しです。確かに、儲けてなんぼの業界ですから、主要キャストにアニメファンしか知らないような声優を起用するより、有名な俳優などを起用すれば話題を集め宣伝効果もバツグンなので、その流れになってしまうことにも理解できますし、演じている人も、本職ではない声のみの演技を一生懸命に演じていることも理解できます。でも、やはり「餅は餅屋」という言葉があるように、声優たちも自分たちの仕事が畑違いの職場の人間に獲られるという、しかも、声優なら大御所でもオーディションで選ばれますが、きっと俳優やお笑いタレントはオーディションなんて行われずに、有名だからとか作品のキャラのイメージと似ているなどの理由で、キャスティングされているだけでしょうから、演技が上手い人ならまだしも、下手すぎる人が起用されているのを見れば、「こんな奴を起用するなら、自分を使え!」と、歯がゆい思いを感じてしまうのは当然ではないでしょうか。ベテランだからこその苦言だと思いました。