中国、太平洋の東西分割提案か 米軍は拒否17日付の米紙ワシントン・タイムズは、キーティング米太平洋軍司令官が最近訪中して中国軍事当局者と会談した際、中国側が、太平洋を東西に分割し東側を米国、西側を中国が管理することを提案したと報じた。米側は拒否したという。提案の詳細には触れていない。 米太平洋空軍のへスター司令官は「空間を誰にも譲らないのが、われわれの方針だ」と記者団に述べ、西太平洋地域を米軍の影響下に置く必要性を強調した。 米政府内の親中派の間では提案に前向きな受け止めもあったが、国防当局は西太平洋の覇権を中国に譲り渡す「大きな過ち」だと主張。日本などアジアの同盟国との関係を台無しにしかねないとして断ったという。(産経新聞 2007/08/20 01:05)産経が引用したソース:ワシントン・タイムズ(英語)http://washingtontimes.com/article/20070817/NATION04/108170082/1008-----------------------------(引用終了)----------------------------長年に渡り中国の軍事・外交を研究している平松茂雄氏の著書『中国は日本を併合する』(講談社インターナショナル)でも、中国の悲願である「中華世界」再興の構想の一つとして、海洋資源などを含めた発展のために、西太平洋を狙っていることが書かれていましたから、やっぱりなと言ったところです。しかしながら、拒否されることが分かっていることをなぜ提案したのでしょうか。これは憶測ですが、もしかすると、中国は拒否されることが分かっている無理難題をふっかけておいて、後に譲歩して本当の目的である要求を飲ませようという戦略かもしれませんよ。無理難題の後に譲歩案を提示するのは外交交渉の基本中の基本ですから。その譲歩とは、「台湾統一」です。中国が資源や軍事の面で太平洋さらにインド洋にも進出するためには、重要な位置づけとなっているのが「台湾」です。(なぜ、台湾が重要な位置づけとなっているのかは、 『中国は日本を併合する』に詳しく書かれているので、 そちらをお読みください。) こういう話を今のうちから持ち出しておくことで、米国内の親中派やひいては日本の親中派の政治家やメディアを巻き込んで、「台湾統一なら太平洋分割に比べればいいじゃないか」と思わせる空気を作ろうとしているのかもしれません。その後に、どのような事態が待っているのかを考えずに・・・。来年の北京オリンピック、2010年の上海万博を成功させるために、中国は大人しくしていながらも、その間も軍事は拡大される一方ですし、台湾も独立へ向けて動きを活発化させているので、2010年後には一気に中国と台湾との間で緊張感が高まり、最悪の場合は台湾有事が巻き起こることも予想されます。その時、日本としてはどうするのでしょうか。