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2007年02月27日(火) ブルセラ症犬安楽死問題

ブルセラ症犬安楽死巡り「にらみあい」 愛護団体が反発

大阪府和泉市の犬の繁殖業者が飼育を放棄した約260匹の一部が、
流産などを繰り返すブルセラ症に集団感染した問題で、
府や獣医師でつくる救援本部が27日午前から、感染が確認された
103匹を薬で安楽死させようとした。
しかし、処分に反対する動物愛護団体のメンバーら約20人が
飼育施設に押しかけ、にらみ合いになった。
府側は混乱を避けるため、この日の処分を中止した。

 府救援本部は今月7日、感染検査で陽性だった犬について
「治療しても完治せず、感染が拡大するおそれがある」として安楽死を決定。
この日は犬に睡眠薬を投与して眠らせ、近くの陸上自衛隊の敷地内に運んで
薬で処分する予定だった。これに対し、処分中止を求める愛護団体側は
「治療できるとの意見もある。もっと話し合うべきだ」などと主張している。

(朝日新聞 2007年02月27日)


花王 ペットサイト ペット感染症

<ブルセラ症>
 ブルセラ・カニスとよばれる犬に感染する細菌によって起こる病気です。
犬では多くの場合は無症状ですが、オスの精巣が萎縮して生殖能力を失ったり、
メスでは妊娠しても流産したり死産したりする要因になることもあります。

 人が感染すると慢性的な高熱と微熱を繰り返し、
頭痛や筋肉痛、関節痛などが起こります。
リンパ節や肝臓、脾臓などが腫れることもあります。
このような症状が長く続き、わけのわからないことを叫んだりして、
ノイローゼや躁鬱病と間違われることもあります。
また、肺に病変が現れると結核と診断される場合もあります。
 正確な診断がつき、適切な治療を行えば3〜6週間で治りますが、
他の病気と誤診されるとなかなか改善されません。飼い主も愛犬もきちんと
検査を受け、原因を確かめてから必要な治療を受けてください。


ほか参考リンク:
ブルセラ症

-----------------------------(引用終了)----------------------------

事の発端を大まかに書いてみますと、

大阪府和泉市で、様々な犬種を育てていたブリーダーが経営破綻し、

数百頭の犬が狭い貸家に劣悪な環境で放置された状態になりました。

最初にレスキューに入ったのは小さな動物愛護団体でしたが、

その犬の300頭ほどがブルセラ病に感染しているということが分かりました。

小さな動物愛護団体では、300頭あまりの感染犬の保護や治療費の

コスト面に手がおえなくなり、泣く泣く大阪府にSOSを求めました。

このブルセラ病、人に感染した場合、WHO(世界保健機構)では、

狂犬病や日本脳炎などと同じ扱いを受ける、かなり危険な菌だったこともあり、

人間や他の犬に感染を拡大させる危険性があるので、

引き取り手を捜すわけに行かず、大阪府ブルセラ犬救援本部は、

やむなく陽性の犬を殺処分するという決定を下しました。

そこまでなら、「可哀想だけど仕方が無い」で終わった話なのですが、

ところが、ここに突如しゃしゃり出てきたのが、

広島ドッグパークの件で一気に世間に注目された

黒い噂の耐えない胡散臭い動物愛護団体「アークエンジェルズ」だったのです。

彼らは、「犬ブルセラは危険ではない、殺処分は動物虐待だ」と府にごねだし、

施設前にテントを張って陣取り、取材カメラの前で、

感染犬を隔離場所から勝手に連れ出し診療するという暴挙をやってのけたり、

今日は他のヒートアップした愛護団体を引き連れデモ抗議を行い、

処分延期となったというわけです。

 抗議に集まったアークエンジェルズなどの動物愛護団体は、

自分達が感染犬を引き取り治療をすると豪語しているわけですが、

ブルセラ症は投薬治療は続けられても完全に完治させることは出来ず、

最悪の場合は人に感染する恐れもあります。

愛護団体とやらが外部と遮断された環境で、

最後まで責任を持ち全ての犬の面倒を見ることできるのかは、

まったく不明です。

そして、引き取った後に、

人間や他の動物に感染が広がる可能性はゼロではありません。

そうなってしまった場合に、その責任を愛護団体がおうわけでも、

おえるわけでもなく、謝罪をして済む話でも無いことは、

素人目に見ても明らかではないでしょうか。

 私も犬が大好きですし、動物愛護の精神の観点から言えば、

安楽死されそうになっている犬の命も尊いものであり、

できることならば保護して隔離療養生活が望ましいとは思いますが、

自治体の処分を決める人たちも、感染拡大を防ぎながら、

最後まで責任を持ち全ての陽性の犬の面倒を見ることが難しく、

それならば鳥インフルエンザと同様に、感染拡大を防ぐために、

やむなく安楽死処分という選択肢を選んだことは理解できます。

何も好きこのんで動物を殺したいわけではありません。

今回の件を垣間見ますと、感情を抜きにして、

他の動物に対しての感染の広がりを未然に防ぐことも

動物愛護の精神に通ずるのではないかと思いました。


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名塚元哉 |←ホームページ