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2007年02月02日(金) 無意味な審議拒否=国会議員の職務放棄

2月2日付・読売社説(1):[野党審議拒否]「『政権をめざす党』の看板が泣く」

本格的論戦の幕開けになる衆院予算委員会を野党はそろって欠席した。
柳沢厚生労働相が辞任しない限り、審議には一切応じられないのだと言う。

 自分の要求を通すために審議を拒絶する。
これは万年野党と称された旧社会党の手法だ。
2大政党の一方にあって政権をめざす民主党は、こんな悪弊を今こそ絶つべきだ。

 厚労相は講演の中で、少子化問題に関して、
「(女性は)産む機械って言っては申し訳ないが、
その産む役目の人が一人頭でがんばってもらうしかない」などと口を滑らせた。
厚労相は、すぐさま「ごめんなさい」と謝罪したという。

 女性を「機械」に例えるとはまことに軽率な発言だ。
まして厚労相は、少子化対策に重要な役割を担う閣僚である。
責任は重いと言わざるをえない。

 民主党は、社民党、国民新党に党首会談を呼びかけ、
「女性の人権を否定した女性蔑視(べっし)の発言」であり、
厚労相は辞任せよと求めた。安倍首相は、厚労相を厳重注意し、
国会答弁で「多くの女性の心を痛めたことに私も深くおわびする」と陳謝した。
異例のことである。

 民主党は今、なぜ、強硬姿勢をとっているのか。
この国会戦術を主導しているのは、小沢一郎代表だ。

 小沢代表は代表質問で、事務所費問題など政治とカネの問題の解決なくして
「まともな論戦を始めることができない」と全面対決の構えをみせていた。
その際、厚労相の発言も取り上げ、その後「失言」を「糾弾」する
テレビ報道の過熱に歩調を合わせるように攻勢を強めた。

 小沢代表には、参院選に向け野党共闘を強めたいという計算があるのだろう。
支持率低落に苦しむ安倍内閣のさらなるイメージダウンを図る、
国会冒頭から主要閣僚を辞任に追い込み与党の出端(ではな)をくじく、
ということも考えていよう。

 だが、小沢代表は内政の「喫緊の課題」を並べて、論戦を挑んだばかりではないか。
「誰も責任を負わない」現行教育制度の改革、
終身雇用を前提とした雇用法制など、重要な論点を含んでいた。

 野党が今回、審議に応じていない補正予算案にしても、
豪雨災害の復旧工事に充てる費用などを含んでいる。

 それなのに、小沢代表が、審議拒否の旗振り役をするとはどうしたわけなのか。
これでは責任政党とは言えまい。

 野党は、厚労相は、「人間として許されない暴言」を吐いたと言う。
少子化対策や雇用法制の見直しにあたる閣僚として、
厚労相がその任に堪えないと言うのなら、審議拒否ではなく、
審議の場で明らかにしていくのが筋だ。

(2007年2月2日1時44分 読売新聞)


2月2日付・朝日社説(1):柳沢発言 やるせない審議拒否

「女性は子供を産む機械」。柳沢伯夫厚生労働相の発言をめぐって、
通常国会は冒頭から大荒れだ。

 安倍首相はひたすら国民に詫(わ)びながらも、柳沢氏をかばう構えは崩さない。
対する野党4党は柳沢氏の更迭を求めることで足並みをそろえ、
すべての国会審議をボイコットした。

 与野党が対決姿勢を強めるなか、今年度補正予算案は、
きょう与党単独で衆院を通過する見通しだ。

 双方の関心は1点に絞られている。「柳沢氏のクビ」の行方である。

 問題の発言が、少子化対策を扱う閣僚にふさわしくないことは明らかだ。
野党が更迭を求めるのは当然といえる。

 だが、本当にそれだけでいいのか。
そんな違和感を抱く人は少なくないのではないか。
柳沢氏が閣僚を辞めさえすれば、一件落着するような簡単な問題ではないだろう。

 今回の審議拒否には、やるせない思いが募る。
国会の質疑を通じて首相や柳沢氏にただしてもらいたいことが山ほどあるからだ。

 少子高齢化社会を乗り切るのは容易なことではないはずだ。
具体的で効果の上がる政策が急がれているのに、
与野党ともこの問題に真正面から向き合ってきたかと言えば、何とも心もとない。

 安心して子供を産むことができる環境をどう整えるのか。
仕事と子育てが両立する仕組みをどう築くのか。
将来に希望が持てる経済や社会づくりの手立ては。
議論すべき点はいくらもある。

 安倍内閣の閣僚や首相官邸のスタッフを含め、
自民党内には女性が家庭に戻りさえすれば少子化対策が進む、
と短絡的に考える人が少なくないように思う。
首相や柳沢氏の本心はどうなのか。一度、きちんと聞いてみたい。

 いまの政治の空気はそうした冷静さからはほど遠い。

 「柳沢氏を辞めさせないと、女性票が逃げていく」
「いや、2人目の閣僚辞任となれば、政権は深く傷つく」……。
自民党内の関心はもっぱら、夏の参院選を前にしてクビを切ることの
損得勘定に向かっている。

 民主党の小沢代表と社民党の福島党首はきのう、名古屋市を訪れ、
週末の愛知県知事選の応援演説に並んだ。「女性は機械」発言への世論の
反発を追い風にしたい。そんな思惑が透けて見える。

 柳沢氏の発言は論外だが、国民すべての未来にかかわる少子化問題を
深く論議するきっかけにも使えるはずだ。

 そのせっかくの機会が、与野党の思惑や駆け引きで生かされないなら、
これもまた残念なことである。

 週末の愛知県知事選と北九州市長選では、与野党が激突する。
それが終わるまで歩み寄りは難しいかもしれないが、
少なくとも週明けからは国会を正常化し、少子化について意見を戦わせてもらいたい。
柳沢氏のクビをめぐる論戦も、その場でしっかりとやればいい。


-----------------------------(引用終了)----------------------------

議論を深めようとせず、相手の揚げ足をとれさえすれば、

自分の党の人気が出ると思い込んでいるのが、

旧来の考え方から脱却しておらず、

このような発想自体が、言論の府を低レベルにして、

日本の政治を非常に貧困なものにしていると感じます。

 民主党は、安倍内閣や自民党の支持率が落ちてきてることを

無邪気に喜んでいるようですが、

代わりに民主党の支持率が増えたかといえば、

自民党支持から離れた有権者は無党派層になっているだけで、

民主党は支持率が上がるどころかダウンしています。

審議拒否で与党へ圧力を掛けているつもりなのだろうと思いますが、

「審議拒否」というのはここ一番で使うからこそ、

国民に対して絶大な効果を発揮するパフォーマンス

云わば「伝家の宝刀」になるのですが、

民主党はコトあるごとに審議拒否をしているので、

世間からは「またか、何度目だ審議拒否」と呆れかえられるだけで、

本当に審議拒否をしてでも反対したい事があった時に効果が発揮できませんし、

国民の生活にダイレクトに直結する予算委員会には審議拒否で主席せず、

党の支持率アップのために街頭演説は出ているというのも、

はるかに有権者にマイナスな影響を与えるだけで、

とても無駄なことをしているのではないでしょうか。

 各メディアの世論調査で、無党派層が増えているのは、

そんな民主党の言動に愛想が尽きているということなのに、

民主党はそこに気付かないぐらい世論を読む能力が欠けており、

党首が何人も変っても進歩のない政党だとつくづく思います。

 また、民主党が審議拒否をしている理由は別にもあります。

中国新聞 07/2/2:厚労相辞任論くすぶる 愛知知事選で再燃も

(一部抜粋)
小泉純一郎前首相は中川氏に電話し「民主党が追及しているのは、
小沢一郎代表の多額の事務所費や角田義一前参院副議長の
朝鮮総連系団体からの献金の問題を隠したいからだ。

審議拒否に決して屈してはいけない」と伝えた。


-----------------------------(引用終了)----------------------------

小沢氏の事務所経費4億円は追及がうやむやになっていますし、

朝鮮総連系団体から違法献金を受けているのは、

角田義一前参院副議長だけではありません。

民主・愛知3区総支部へ総連系企業から献金320万円

近藤昭一衆院議員(愛知3区)が代表を務める民主党愛知県第3区総支部が
2002年、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下の団体関係者が
経営する名古屋市内のパチンコ関連企業など5社から計320万円の
献金を受けていたことが、同総支部の政治資金収支報告書などでわかった。

 政治資金規正法は、外国人、外国人が主たる構成員の団体などから
政治献金を受けることを禁じている。近藤議員は、「外部からの指摘を受け、
違法献金の疑いがあったので、昨年までに全額返却した」としている。
   (以下省略)
(2007年2月1日13時49分 読売新聞)


-----------------------------(引用終了)----------------------------

今週の週刊新潮「朝鮮総連」違法献金は「角田前副議長」だけではなかった

メディアが本気で追求すれば、あと二人ぐらいは名前が出てくることでしょう。

参考ブログ:『nihondanji 2.0』さま
近藤昭一(民主党・愛知)が朝鮮総連に議員会館会議室を貸していたことが判明



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