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2007年01月16日(火) 不二家

不二家:消費者から怒りの声「もう食べない」

「信じられない。もう食べない」。7年にも及ぶ裏切り行為に、
消費者から一斉に怒りの声が上がった。
対応に追われるフランチャイズ店関係者は「組織ぐるみ」にショックを隠さず
「早く販売を再開したいのだが……」と頭を抱えた。

 札幌市中央区の不二家レストラン札幌店で、洋菓子販売の自粛を告げる
張り紙を見ていた同市東区の主婦(59)は「お金を出しているのに、
細菌だのネズミだのなんて冗談じゃない。もう食べない。
隠ぺいまでして雪印(乳業の事件)と同じ」と憤った。

 閉店中の数寄屋橋店(東京都中央区)前では、買い物客らが立ち止まり
シャッターにはられた「おわび」に見入った。千葉県船橋市の学生、
萬年聡未(さとみ)さん(19)は「辞任は当然だが説明は不十分。
販売が再開されても買わない」と手厳しかった。

 「ケーキが高価だった子供時代から、あこがれのお店だった」という
愛知県江南市の自営業、堀田とよ子さん(61)は
「どうして7年間も不正に気が付かなかったのか信じられない」と嘆いた。

 フランチャイズ店からも怒りの声が上がった。

 名古屋市の女性経営者は「『買ったシュークリームを返品できるのか』
という電話がかかってきた。賞味期限切れの商品を長い間卸していたのはショック。
今は早く再開したいとしか言えない状態」と不安げな表情。
大阪府内の女性店主は「組織ぐるみだった以上、社長の辞任は当然だ。
本家がこんなえげつないことをするなんて、情けない」と憤る一方で
「不二家には愛着がある。信頼回復は時間がかかるだろうが、
こつこつとやっていくしかない」と話した。

(毎日新聞 1月15日 21時07分)


<不二家>消費期限切れの牛乳、パート従業員に押し付け

不二家の埼玉工場で消費期限切れの牛乳が使われていた問題で、
使用したパート従業員は、工場内で使い切れなかった牛乳を別の部署から
押し付けられていたことが同社の調査で分かった。
同社幹部は「工場からの廃棄物が増えると、是正報告を求められる。
弱い立場のパートにしわ寄せがいった」と話している。


(毎日新聞 1月15日3時3分)


そのほか不二家の期限切れ牛乳使用問題ニュース一覧

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連日、メディアを賑わせている「不二家」の不祥事問題ですが、

企業が不祥事をして隠蔽する理由は、

大抵がコストダウンの徹底によるものです。

スピーディーに対処していれば、被害が大きくならないようなことでも、

余分な経費をかけたくないために不具合を隠蔽したりすることにより、

被害を受ける人が増えるなどして、

けっきょくは、多大なるコストを払わされることになり、

最悪の場合は、企業の存続すら危うい状態になることもあります。

そして、それと同時に、長い年月をかけ様々な人の手により培ってきた

「信用」と「信頼」を失ってしまいます。

当たり前のことですが、他者から信用と信頼を築くのは時間が掛かりますが、

失う時は坂を転がるようにあっという間です。

メーカーが物を生産すれば、想定外の不具合が生ずるのは仕方がない面があります。

過去、不祥事を隠蔽することによって、早く対処しておけば払わずに済んだ

多大なコストを払った食品・家電メーカーは多く存在し、

それを知っていながら、なぜ同じ轍を踏むようなことを

企業はやってしまうのでしょうか。

 不二家のケースは、組織ぐるみの品質管理体制の悪質さと隠蔽と

責任の転嫁で経営体質が強く係わる倫理観欠如の問題です。

これらが発生した原因は洋菓子部門などの赤字による経営の悪化によるものですが、

経営悪化によるコスト削減が、

よりにもよって期限切れ牛乳の利用などという、

世間に発覚してしまえば、あっという間に信用と信頼を失墜させてしまう

リスクの高いコスト削減を選択してしまったのか理解に苦しみます。

 不二家が復活するには、明確な責任の発生に伴うコストとリスクを理解し、

外部から品質管理の専門家を入れて体制を立て直す、

イメージ回復に、これまでよりクオリティの高い商品を生み出すなどの

複数の選択肢がありますが、

悪質な不祥事によって失った信用や信頼を回復するのは、

当然のことながら時間が掛かり、またかなり難しいです。

 今回の不祥事で一番被害を受けたのは消費者よりも、

期限切れの牛乳の使用命令に従わざるをえなかった製造工場の従業員やパート、

期限切れの牛乳で作った製品を知らずに売らされ、

現在は、一旦お店を閉めなければいけない状態に

追い込まれているフランチャイズ店の店主といった

企業の中でもっとも弱い立場の人達ではないでしょうか。

不二家は、消費者へのフォローも大事ですが、

今、戸惑いの胸中にある多くの製造工場で働く従業員やパート、

全国フランチャイズ店店主のフォローにも気を配っていただきたいと思います。

こういった方々が存在してこそ、消費者へ商品が渡るのですから。


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名塚元哉 |←ホームページ