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2006年12月23日(土) 6者協議休会

6カ国協議、具体的成果なく休会 次回日程決まらず

北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議は22日、
具体的成果を何ら得られないまま休会した。
中国の武大偉外務次官は昨年9月の共同声明履行と核問題の平和的解決を確認し、
協議を「できる限り早い機会に再開する」との議長声明を発表したが、
次回日程も決まっていない。協議の有効性が問い直される一方、
「核保有国」の立場を誇示する北朝鮮への批判がさらに高まりそうだ。

 北朝鮮の金桂寛外務次官によると、米朝の金融制裁協議はニューヨークで
1月中旬に開かれる予定で、6カ国協議再開はその動向を
にらみながら模索されるとみられる。

 中国はこの日、米朝日韓露の5カ国と個別に協議。
6カ国の首席代表者会合も開かれたが、核論議の前提条件として
金融制裁解除を求める北朝鮮の歩み寄りはみられなかった。
このため、核関連施設の稼働停止や国際原子力機関(IAEA)の
査察受け入れなど、共同声明履行のための具体的措置は盛り込まれなかった。
非核化や日朝・米朝国交正常化など個別案件を話し合う作業部会の設置も
北朝鮮の同意が得られず合意できなかった。

(産経新聞 2006/12/23 00:58 )


「6カ国」休会 佐々江局長、北代表に拉致問題伝える

6カ国協議を終え佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長は22日夜、
北京市内のホテルで記者会見し、「何ら実質的な成果を具体的な形で
挙げることができず、北朝鮮の態度は大変遺憾だ」と強く批判した。

 協議の期間中、日朝の2国間協議は実現しなかったが、
佐々江氏は「金桂寛外務次官と言葉を交わす機会があり、
拉致問題の解決が重要だということを伝えた」と語り、
拉致問題の解決なしに日朝国交正常化はない、との基本的な立場を
伝えたことを明らかにした。19日夜の晩餐(ばんさん)会での
やりとりとみられ、金次官はうなずいて聞いていたという。

 また、6カ国協議の枠組みは「引き続き対話の場として重要な役割を
果たすべきだ」とし、次回会合で「意味のある成果が出せるような
状況を整える必要がある」と語った。

(産経新聞 2006/12/23 01:17)


-----------------------------(引用終了)----------------------------

北朝鮮の核実験強行後、初の6者協議でしたが、

米朝ともに簡単なことで妥協はしないでしょうから、

今回もあらかたの予想通り、具体的成果無く休会しました。

北朝鮮以外の5カ国はこれまでの協議より、

意気込みというか緊張感が感じ取れませんでした。

なぜなのでしょうか。

これまでは、北朝鮮に核開発をこれ以上進めないように、

自制を促す目的がありましたが、

核実験を強行してしまったことによって、

これまでの協議の意義が失われ、

今回は成果を得るよりも集まって話せればいいという

一種の諦めのようなものが5カ国にあったからではないでしょうか。

しかしながら、日本のメディアの一部は、今回の協議が行われる前に、

厳しいながらも何らかの成果があるだろうと楽観した予想をしていた所もあり、

あまりにも想像力を欠いた報道だと感じました。

 今回の協議でただ一つだけ分かったことは、

北朝鮮は「制裁は効いていない」などと強がりを言いながらも、

やはり日米や国連の経済制裁に頭を抱えており、

何としても止めて欲しいということです。

制裁の解除は、核に対して振り上げた拳を下げればいいのですが、

北朝鮮もここまで強気で推し進めた以上は、

プライドやメンツのこともあり簡単には拳を下ろせず、

態度を寄り強固にせざるを得ません。

外交とは相手の立場に立って考えるというのが基本ですから、

この場合は、北が何を実行されれば一番嫌がっているかを考え、

経済制裁は絶対に止めるべきではありません。

むしろ、一回の協議で成果なく終わるたびに、

経済制裁を一段階強めてやるべきです。

そうすれば、北はごねるごとにますます首が絞まることになるだけですから。

 クリスマス休暇中のアメリカ連邦議会は来年1月3日に始まるようなので、

そのときにこれまで『米朝二国間協議』を主張していた民主党が

ヒル次官補の報告を受けてどんな反応をするかに興味があります。

15日頃に開かれる安保理の「北朝鮮制裁決議見直し」協議で、

制裁の圧力を維持しつつも、2国間協議に移行しろとブッシュ陣営に

圧力をかける可能性が大きいと思われますが、

米朝ともに簡単なことで妥協はしませんから、

6者協議と同じように具体的な成果が得られるのは難しいのではないでしょうか。




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名塚元哉 |←ホームページ