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2006年11月17日(金) TVは、その国の民度を映す鏡である。

これでいいのか! テレビの自殺報道規定

いじめによる自殺や「自殺予告」が相次ぐなか、
マスコミの自殺報道のあり方に疑問の声が上がっている。
自殺報道がかえって自殺の連鎖反応(群発自殺)を呼ぶのではないかというのだ。
世界保健機構(WHO)は、「群発自殺」を防ぐための
報道のガイドラインを示しているが、
実際の報道はこれを逸脱している例が少なくない。

WHOは2000年に、「自殺を防ぐために マスコミへの手引き
(PREVENTING SUICIDE A RESOURCE FOR MEDIA PROFESSIONALS)」と題された、
群発自殺を防ぐための報道のガイドラインをまとめている。
それによれば、実際に起きた自殺についての新聞・テレビの報道が
自殺の増加と十分に結びつくことを示唆する十分な証拠がある、という。

「写真や遺書を公表しない」は原則だ

さらにWHOは自殺報道について次の原則を挙げている。

●写真や遺書を公表しない
●自殺の方法について詳細に報道しない
●原因を単純化して報じない
●自殺を美化したりセンセーショナルに報じない
●宗教的・文化的な固定観念を用いない
●自殺を責めない

日本のマスコミが報道していることばかり、という気がしなくもない。
実際にWHOのガイドラインを各報道機関は番組制作に当たって、
なんらかのかたちで尊重しているのだろうかというと、
「内規」という理由でそれについては明らかにできないようだ。
TBS広報はJ-CASTニュースの取材に対し、

「(自殺報道についての)内規はあるが、公表できない。
 各番組で、ケースバイケースで(その内規に)応じていると思う」
と答えたものの、WHOのガイドラインをどこまで適用しているかは
答えてもらえなかった。

自殺した生徒の遺書をナレーターが感情をこめて読み上げる
またテレビ朝日広報部も、「(WHOのガイドラインは)参考にしているが、
内容に関わることは社内規定なので言えない」としている。

しかし、テレビでは、遺書を公表し、自殺の手段や場所などが報じられる上に、
バックグラウンドミュージックを用いて、「いじめによる自殺」を報じている。

実際に、福岡県の三輪中学校で起きた男子生徒の自殺について報じたある番組は、
自殺した生徒の遺書をナレーターが感情をこめて読み上げ、
さらに、いじめの発端となったとされる教師に遺族が
「お前が笑顔をなくしたったい!」「返してくれよ!」と叱責する場面が報道された。
そして、自殺場所と自殺手段について明確に報じている番組もある。
WHOが示したガイドラインから大きくはずれた報道が
現実になされているというのが現状だ。

さらに、自殺した生徒の教師、教育委員会にひたすら責任を追及する
報道に警鐘を鳴らす者もいる。民主党の山本孝史参議院議員は、
06年11月2日の参議院厚生労働委員会で、WHOのガイドラインを
踏まえたうえで、マスコミの自殺報道について次のように述べた。

「だれが責任者なんだという、教育委員会が悪いのか、
学校の先生が悪いのかという形(の報道)は何も生み出さない。
結局その死ぬという手段があるんだということを
子供たちに教えてしまっているだけの話になる。それは非常にまずい」
「原因を単純化して報じない」を守っていない、ということだ。

「NEWS23」は報道に慎重な姿勢
一方で、自殺報道に慎重な姿勢を示す番組もある。
ネット上では「みのもんたの『朝ズバッ!』を婉曲批判」とまで揶揄された、
TBSの報道番組「NEWS23」での筑紫哲也氏の発言がそれである。

「私どもの番組をよくご覧いただいている方は、子供のいじめと
自殺の問題を私たちが微に入り細に入りお伝えしていないことに
お気づきだと思います。社会的に大いに関心のあるテーマであることは
分かっておりますし、起きたことをきちんと伝えなければ報道の役目を
果たせませんが、(中略)しかし、一方で大変悩ましいのは、
自殺というのは伝えようによっては非常に連鎖反応を
起こしやすいということであります」
文部科学省は自殺報道についてどのように考えているのだろうか。
同省児童生徒課は、マスコミの自殺報道と自殺の連鎖について次のように述べる。

「メディアが子供に与える影響は大きいと思われる。
しかし、表現の自由も尊重しなくてはいけない。
メディア側が子供に与える影響を考慮する必要がある」
文部科学省もマスコミに対して報道の自粛を迫るわけにもいかず、
記者会見でのやりとりで「それなりの働きかけはしている」とするにとどまっている。

(J-CASTニュース 2006年11月16日16時16分)


WHOのマスメディア向け自殺報道ガイドライン
「自殺を予防する自殺事例報道のあり方について」のWHO勧告(2000年)
http://www.lifelink.or.jp/hp/jisatsuhoudou.html

○ 報道がするべきこと
・事実を提示する際は,ヘルスケアの専門家と協働する
・自殺が「成功した」という表現は用いない
・関連するデータのみを提示する
・自殺に代わる別の問題解決の選択肢があることに情報提供の重点を置く
・電話相談や地域資源の情報を提供する
・自殺のリスク要因や警告のサインを提供する

○ 報道がするべきでないこと
・写真や自殺の手記(遺書)を掲載あるいは出版しない
・方法の詳細を伝えない
・自殺の理由を単純化して伝えない
・自殺を名誉あるものとして報じたり,センセーショナルに扱わない
・宗教的/文化的なステレオタイプを用いて説明しない
・自殺(者)を非難しない


英文 http://www.who.int/mental_health/media/en/426.pdf
和訳 http://www.ncnp-k.go.jp/ikiru-hp/manual/whoguide.pdf

(平成14年度研究報告書20ページ参照:高橋祥友)

-----------------------------(引用終了)----------------------------

WHOがマスメディア向けに自殺報道のガイドラインを作成したことを

つい、この間まで知りませんでした。

海外のCNNやBBCなどのニュース専門チャンネルや、

日本ならNHKBS1のニュースを見ている方ならご存知のように、

地上波のニュース番組と同じように、BGMをつけてるような番組が無く、

日本のニュース番組は、なぜニュースを演出したがるのか分かりません。

メディアは競争意識を持っているのですが、ところが、

なぜか、どこの局も横並びの似たような表現になってしまっています。

日本でも、硬派なニュース番組が有ってもいいと思うのですが、

どの局も刺激的な表現を意識し番組を作りこみすぎている気がします。

逆に、淡々とした報道番組では物足りなさすぎて、

視聴率が取れないのではないかという恐怖心があるのでしょうか。

だから歯止めが利かず、報道番組のレベルが下がるばかりです。

 日本では年間3万人以上が自殺しており、虐め自殺の報道が発生する以前にも、

三日に一人のペースで未成年が何らかの理由によって自殺しているそうで、

報道の影響と自殺の増加の因果関係は充分な証拠がまだ得られていませんが、

2年ほど前に相次いだネットによって集まった人たちの集団自殺も

「○○を用意して」だの「レンタカーを借りる」だの「目張りして云々」だのと、

詳細な手口を連日のように報道して、不特定多数に情報を配信する

影響力を認識せず自殺のノウハウを提示していたように、

自殺の連鎖は充分ありうることだとは思います。

本日、このような報道もありました。
筑豊で中2男子自殺 自宅裏の山で 14日から学校欠席
(一部抜粋)
学校側によると、男子生徒は13日の休み時間、学校図書館の司書に
「自殺したらテレビや新聞が来るかな。大騒ぎになるかな」
などと話し掛けてきたという。

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 先日の日記でも書きましたが、虐めによる子供の自殺で、

学校や教師にも責任の一端があるとしても、

そこばかりに責任を追い求めるのは、現在、虐めを行っている子供に、

虐めている相手が自殺しても学校の責任になるだけだからという安心感を与え、

虐めのエスカレートや助長に繋がる危うさもあります。

自戒を込めて言わなければならないことですが、

不特定多数に情報を配信する側は、

あらゆる層に少なからずの影響力を与える事もあるのだということを

認識しなければいけませんが、

一番影響力を与えているTVメディアは、

そのことに無自覚すぎているように思われます。



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先月末に作ったメガネ枠。テンプルのデザインが面白い。







名塚元哉 |←ホームページ