専業主婦になって以来、家にいる時間が格段に増えた。娘はまだ友達を作るような年齢でもないので、家にいたところで日中、我が家を訪ねる人はほとんどいない。宅配便の人か、せいぜい乙女な母くらいだ。……と思っていたら、定期的に招かざる訪問者がやってくる。
彼らがやって来るのは平日の午前中。「普通の専業主婦なら掃除や何やらで忙しい時間帯」に……だ。彼らはきまって2人組み。性別はたいてい女性。たまに男性もいる。服装は「授業参観に行きます」というような真面目な感じで、所属が違っていても似通った雰囲気を持っている。そう……彼らは新興宗教の勧誘員。専業主婦になるまで、彼らがこんなに頻繁にやって来るとは思ってもみなかった。
私は今までマラソンと算数の次に会社の飲み会が嫌いだと言って憚らない女だったが、仕事を辞めた今は「マラソンと算数の次に新興宗教が嫌い」に訂正しようと思う。なにしろ人の弱味に付け込む輩は昔から大っ嫌いなのだ。
家族に不幸事が重なった時期には、うんざりするほど色々な宗教からお誘いがかかったものだ。特に愚弟が事故で指を切断した時など「そんなもん信じたからって、失った指が戻ってくるかよ!」とムカッ腹を立てたのは一切ではない。
何某かの宗教を信仰するのは否定しない。だが人の弱味に付け込むような真似をする輩の宗教は大嫌い…ってだけなのだ。わざわざ勧誘に来るような宗教は、決まって人の弱味に付け込む輩だ。おかげさまで今は穏かな暮らしを送らせてもらっているが、娘を抱いて玄関先に出ると「子育てにも役に立つお話を…」なんてアプローチで攻めてくる。もちろん、お引取りいただく訳だが、夫の転勤等のため、慣れない土地で子育てに孤軍奮闘しているお母さんだったら、ふらりとしてしまうかも知れないなぁ……と思うと腹立たしい限りだ。
私は本質的に「喧嘩上等!」というような気質を持っているのだけど、勧誘員はご近所の人だったりするケースもあるので、丁重にお引取り願っている。子供のいないときならまだしも、娘がいる今はご近所さんとは仲良くやっていきたいと思うのだ。娘が成長して、迷惑をかけたり、あるいは助けられたりすることが沢山出てくると思うので。
本当に素晴らしい物ならば、わざわざ人を誘わなくったって、自然と人が集まってくるだろうになぁ。
専業主婦になって家にいると、新興宗教以外にも怪しげな誘いも多いのだが、自分をしっかり持って対処していかねばなぁ……って事で、今日の日記はこれにてオシマイ。