白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2005年12月15日(木) フナたちの冬

毎朝、小さな川沿いを歩いて通勤している。

その川は、かつて「日本一汚い川」という不名誉な称号を貰った川の支流で、川と言うよりも、むしろ排水路。この秋頃から治水工事をしていて川の水を堰き止めている箇所があるのだけれど、水の滞ったところに大量のフナが発生している。

キッカケは工事の警備をしている年輩の男性がパン屑を蒔きはじめたからじゃないかと思う。フナが集まるようになってからは数人かの人が何某かの餌を蒔いているらしくて、その場所はいつも日曜日の繁華街のようにフナが押し合いへしあいしている。その光景は、いつかTVのニュースで観た「ボラの大量発生」のようだ。

食欲の権化となったフナたちは、人間が通るたびに「何か食べられる」と思うらしくて、いつも物欲しげな顔をして天を仰いでいる。澱んだ冬の空の下、鈍色の川にずうずうしい表情をしたフナの大群。どことなく陰鬱な光景なのに、足を止めずにはいられない。

私は動物が大好きで、犬でも猫でもドンと来い…なのだけれど、今まで魚類と親交を深めたことは1度も無かった。だけど気になる今日この頃。可愛くもなんともないフナたちだけど、数の勝利と言うのだろうか。群れを成してこちらを見上げている様は圧巻である。

身体が萎縮してしまいそうな寒い冬。貪欲に餌を待つフナたちのパワーは見習うべきところがあるような気がする……なんてね。本当は「フナがワラワラ集まってるのを見るのが面白い」ってだけなのだけど。明日もきっと立ち止まってフナを見てしまうのだろうなぁ……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
2004年12月15日(水) 輪廻転生ネタ
2001年12月15日(土) その名は「トトロ」

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