白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

目次過去未来

【検索からお越しの方へ】
日記内検索をご利用いただくか、読書関係のお探し物はHPへお越しくださいませ。
当日記は移転しました。下記で更新を続けています。
引越し先 白い木蓮の花の下で


2004年05月01日(土) 『パッション』を観て。

メル・ギブソン監督の『パッション』を観に行ってきた。なので今日はヲタク的な真面目映画感想など。

我ながら自らのヲタクっぷりに飽きれるが公開初日の初回にて鑑賞。イエス・キリスト最後の12時間……という触れ込みだったので、キリスト教の信者さんが多いだろうと踏んでいたが、どうやら本当に多いみたいだった。やたらとグループが多いのだ。特に多かったのは実年層。男女混合の真面目な雰囲気の方々で、マイナー映画館のわりに満員で驚いた。映画ヲタク風の人々を凌ぐ勢いで驚いた。

キリスト教国では、なんだかんだとセンセーショナルな作品として受け止められていたようだが、信仰を持たない人間にはサッパリ訳の分からない内容だった。私は一応、読み物として聖書を通読しているし、遠藤周作フリークレペルでのキリスト教知識は多少なりともあるのだが、信仰ってヤツは身体に染み付いていないと、これっぽっち役に立たない訳であり。

残虐な場面が多いので、そっち系が苦手な方は観ない方が良いと思った。首が飛ぶ訳でもないし、流血がおびただしい訳でもなく、ホラー映画よりゆるいのだが、強いて言うなら拷問系。わりと嫌な感じの映像だと思われる。肉食獣的民族の作った映画だなぁ……というのが正直な感想。

私は感動出来なかったが、泣いている人もチラホラいたので信仰を持っている人には思うところがあるんじゃないかと思った。客観的に観ても、力の入った作品だと思う。

個人的には、ある意味において刺激的だった。文章でしか読んだことのない出来事が映像化されたことで、今まで気付かなかったことに気付いたと言うか。いっとう感じたのは「イエスは人々の罪を背負って十字架に架かった」という一文。文章化すると「へー」って感じだが、よくよく考えてみると恐ろしく残虐な行為だということだ。

聖書ではイエスが十字架に架かったこにより彼の弟子達は本当の意味での信仰に目覚めるという経緯にに、激しく疑問を抱いた。私だったら精神に異常を来たしているかも知れないよなぁ……と。聖母マリアについてもしかり。処女受胎(真偽はともかく、仮にそうだったとしても)自分の育てた子が、あんな目に遭って、普通でいられるってのは凄すぎるように思った。その辺は「神の成せる技」ってところだろうか。今までも激しく疑問を感じていたユダの扱いについも、映像で観て、今まで以上に疑問を感じた。突っ込みどころ満載過ぎ。このことにつては語り出すとキリがないので今日は割愛。

面白いとか、面白くないとか言う以前に、人間にはどうしても相容れない感覚があるのだということを、つくづく思い知らされたように思う。だからこそ人はいがみあい、戦争だって無くならないのか……とか。日頃は考えもしないことを考えさせてくれる、刺激的な映画ではあった。好きか嫌いか二分するなら間違いなく嫌いなタイプの映画ではあるのだけれど。

おかげで濃ゆい連休初日となった。久しぶりに、映画について真面目かつ熱く語ってみたところで今日の日記はこれにてオシマイ。


目次過去未来


エンピツ投票ボタン(押していただけると励みになります)↑
My追加

yurarraをフォローしましょう

【同月同日の過去日記】
2003年05月01日(木) あの人のこと。
2002年05月01日(水) しばらく留守にします。

白蓮 |MAILHP