白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2003年05月01日(木) あの人のこと。

愚弟の病院に気になる男性がいるのです。

同じ病棟に入院している、車椅子に乗った男性……
ディ・ルーム(食事室兼談話室)で、ひと目みた時から
彼は特別な特別な存在になりました。
誰かの姿を見ただけで、頭がカッと熱くなる感覚なんて、もう何年もご無沙汰で
自分でも、どうしていいか分からないような状態です。
愚弟と同じ入院患者さんなのですから「お怪我はどうですか?」とかなんとか
自然に話しかけるチャンスはあるのに、キッカケさえ掴めずにいます。
なんだか初めて恋を知った女子中学生みたいで恥ずかしいのですが
名前も知らないその人に、私は自分だけの呼び名をつけました。

パンチさん。

パンチさんは、年の頃なら42歳くらいでしょうか。
今では見かけなくなったパンチパーマをしているのです。
私の予想ですと、お仕事は運送業か建築業。
兄貴肌で、ゴールドのアクセサリーが好きそうな、そんな男性です。
パンチパーマ……なんて尊い存在なのでしょう。
床の間に飾っていたい……
許されるなら、その頭を「わしゃ・わしゃ」とこの手で触ってみたいのです。

そして、昨日、何があったのかは知りませんが
愚弟はパンチさんと、いっそく飛びに親しくなったようでした。
夕食の時、病院食を嫌って、お弁当を買ってきたパンチさんは
愚弟に「兄ちゃん、病院の飯だけじゃ、腹ふくれへんやろ?」と話しかけると同時に
愚弟のお皿に自分のお弁当のエビフライを入れたのだそうです。
互いに傷病歴を語りながら、パンチさんは次々と……やや強引に
愚弟のお皿に自分のお弁当のオカズを移動させたのだそうです。

やはり……パンチさんは兄貴肌だった!

自分の予想が当たった時の嬉しさったらありません。
しかし、私の予想は大きく外れていたということも書いておかねばなりません。
パンチさんは運送業を営んでおられる方のようでしたが
そのお年は若干33歳でした。私の予想より遥かにお若くて吃驚です。

愚弟が退院するまでに「弟がお世話になっています」とか言って
ぜひともパンチさんと親しくなって、まじかでパンチパーマを鑑賞したいと思います。
私にとってパンチパーマとは、坊主頭に匹敵するくらい「萌え」な髪型なのです。
女性と生まれた私は、坊主頭にするのも不自由な存在ですが
坊主なら出来なくもありませんが、流石にパンチパーマとなると……

愚弟が退院するのが先か、私がパンチさんと仲良くなるのが先か
微妙なところですが、チャレンジは始まったばかりです。
愛しいパンチさんのことを書いてみたところで
今日の日記は、これにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
2002年05月01日(水) しばらく留守にします。

白蓮 |MAILHP