白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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2003年12月22日(月) 豊かな昼食。

この週末の昼食は2日続けて、とても豊かなものだった。なので覚書など。

土曜日は、やたら滅法寒い中、午前中出勤。昼食は帰宅してから、有り合わせのものを食べようと思いつつ帰路につくも、乗り換え駅のコンコースで立ち食い蕎麦の誘惑に負ける。きざみ蕎麦1杯260円也。あたたかい蕎麦は、草臥れた身体に染み渡る美味しさだった。立ち食い蕎麦って、なんか好きだ。

そんなに美味しいとも言えない麺と、そんなに美味しいとは言えない出汁。だけど美味しい。対面式で「はい、どうぞ」と出てくるのも、カウンターの向こうが湯気でけむっているのも好きだ。立ち食い蕎麦屋のオバチャンの笑顔はとてもチャーミングで、あれこそ最高のサービスなのだと思う。ただ一瞬、立ち寄るだけの刹那的とも言える空間に、安らぎのようなものを感じてしまうのだなぁ。

日曜日は友人達と積み立てている「美味いもん貯金」を使っての豪華ランチ。毎月1000円(ボーナスや臨時収入も含)積み立てて、半年に1度、贅沢な食事へ行くのだ。「けっこう貯まったし新刊本でも買おう」とか「セーターの1枚でも買おう」なんてことをせずに「食べるためだけに使う」というコンセプトが貫けるのは、友人がいてこそのことだと思う。

今回はフレンチレストラン「K」へ行った。4500円のランチコースにワインを少々。鹿肉のグリルが最高に美味しかった。鹿肉を食べたのは初めて。牛肉よりも脂っこくないのに、コクがあって深い味わい。高級店だからか店員さんの応対が素晴らしかった。痒いところに手が届きまくりと言うか。映画『マイフェアレディ』でレディとして扱われるうちに、本物のレディらしくなっていったヒロインの感覚が、ちょっとだけ分かったような気がした。やっぱり人から丁寧に扱われるというは、とてもいい気分だ。

立ち食い蕎麦と、フランス料理。私にとっては、どちらも美味しく豊かな食事だった。立ち食い蕎麦からは「頑張る元気」を、フランス料理からは「友人達と過ごす楽しい時間」を貰った。私の食に関する姿勢は亡父&乙女な母の仕込みである。「フランス料理だの、懐石料理だのでも物怖じせず美味しく食べられて、お茶漬けだのカップラーメンも、美味しく食べられる人になりなさい」と言われ続けて大人になった。

食事に関することについては、両親に心から感謝している。「なんでも美味しく食べられる」ってだけで、今ままで愉快に暮らしてこれたし、これからも愉快に暮らしていけるような気がする。要するに「食事を楽しめる」ってのは幸せだってことだ。

長々と書き散らしてしまったけれど、今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
2001年12月22日(土) 励めってか? 独りぢゃが? 聖夜って?

白蓮 |MAILHP