白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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2003年11月19日(水) 迷子

いい年をして迷子になってしまった。

今日は朝っぱらから読書禄を書いていたらば、家を出るのが遅くなってしまい、最近定番になっている朝のウォーキング「2駅コース」を歩くほどの時間取れずに「1駅コース」でもって出勤した。電車で檀一雄の放浪エッセイを読んでいたらば、ものすごく面白くて、身に沿う感じだった。で。あまりピタリとハマってしまったせいか、心地良くて途中から降車駅まで、うたた寝をしてしまったのだ。

なにげに寝呆け頭だったのに、放浪エッセイを読んだせいか「今朝はいつもと違う道で歩いてみよう」と思い立った。いつもは、わざわざ遠回りをしているのだが、某銀行員さん達が使っている近道コースを歩いてみようかと。そんな訳で駅を降りて、某銀行員さん達の集団の後を、ついて行ったのだけれど、ふと気が付くと某銀行員さん達がいないではないか。すっかり人の波からも外れていて、見慣れない景色が広がっていた。

完全に迷子状態。

なんとなく下町ちっくと言うのか「老人憩いの家」があったり、そろばん塾や、書道教室があったり。集団登校する小学生がゾロゾロ歩いていたりして、空間をいっきに駆け抜けた……という風情なのだ。

そして、斜め45度に顔を上げると、いつも横を通っている某銀行が、はるか遠くに見えていた。

大きな通りを歩いている時は気づかなかったけれど、横道はかなり斜めに走っているらしく、区画整理ができていないせいか大阪市内だというのに、畑の中にある農道のように、ざっくばらんな構造になっていたのだった。

焦ったのなんのって。目印になる銀行を目指して、そりゃぁ、もうスタコラ走ったさ。小学生に道を尋ねるのも心もとない感じだったし、もしかしたら近道があるかも知れなかったが、とりあえず目標目指して全力疾走することにした。どうして銀行員さん達が使っている近道から外れてしまったのか、さっぱり訳が分からなかったけれど、考えている余裕などなかった。

会社には遅刻しないで済んだが、いつもより大幅に遅れての到着だった。

それにしても狐につままれたような気分だ。「神隠し」なんてのは、こういう感じで起こるのかなぁ……などと思ってみたりしたところで、今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
2002年11月19日(火) 失業生活中間報告?
2001年11月19日(月) それでも

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