白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2002年09月09日(月) 道で寝る人、亡父の面影。

今日は終電帰宅だった。

しかし私にとっては週末の夜ってな訳で……
翌日の休みを思うと、足取りも軽くて幸せな帰り道だった。
奈良盆地を脱出して、大阪地元の最寄駅。
大阪といっても私の暮らしている待ちは静かなベッドタウン
……って言うか田舎びた町なので、午前零時を過ぎると夜は静かである。

いつもの道をポテポテ歩いていたならば……道の真ん中で人が寝ていた。
年の頃なら35歳〜40歳くらいの男性だった。
周りに人はいなくて、私も知らんぷりして通り過ぎようかと思ったのだが
ここは繁華街ではなくて、静かな住宅地んのだ。
道の真ん中で寝ている人をほったらかして帰ったりしたら
翌日の目覚めが悪そうなので、声をかけてみることにした。

私「もしもし。起きてください。ここで寝ちゃダメですってば」
男「もうちょっと、ゆっくりしていこ〜やぁ〜」

……男は完全に酔っ払って、あちらの世界へ行ってしまったようだった。
せめて家族に連絡しようと思ったのだが、ど〜にも話が通じなかった。
押し問答していると、50歳くらいのオヤヂがやってきて
一緒に、酔っ払いの身元調査をしてくれたのだが
なんと、道端で寝ていいた男は、地元ではなく大阪市内に住んでいるという。
もう終電はいってしまったし、タクシーで帰るしかない訳で
タクシーは駅のロータリーに行けば掴まるのだが
男は、そこまで歩けるような状態ではなかった。

「お姉ちゃんは、もう帰り。あとはオッチャンが世話するから」

50歳くらいのオヤヂは、そう言ってニッコリ笑った。
申し訳ないと思いつつ、私はオヤヂに甘えて自分は帰宅することにした。
見ず知らずの酔っ払いの世話をしてくれるだなんて
なんて優しいオヤヂなんだろう。
世の中ってのは、まんざら捨てたもんぢゃない。

道端で寝ている男の姿に、私は亡き父を連想してしまった。
亡父も「人として失格」な人だったし
道で寝るなんて朝飯前だったので、ちょっとだけ懐かしく思ってしまった。
帰宅して、経緯を乙女な母に話てみたらば
「今のご時世に道で寝ている人に係わるなんて、とんでもない」
……とて、叱られてしまったが
まぁ、実害があった訳ぢゃいので、いいんぢゃないかと思った。
亡父も、あんな風にして人に世話かけていたのだろうし……

それにしても、酔っ払って道端で寝るのは、ど〜かと思った。
そろそろ夜風も冷たくなってきたことだし。
酔っ払い男は無事に帰れたのだろうか?
オヤヂは、男を介抱して家に帰ったのだろうか?
ちょっと気になるところだけれども
たぶん大丈夫だろう……ってことで
今日の日記は、これにてオシマイ。


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