白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2002年09月08日(日) 梨とり兄弟

帰宅したらば、乙女な母の親友から梨が1箱届いていた。

乙女な母の親友という人は、彼女達が16歳からの付き合いで
田舎に嫁いで以来、親戚の農家が作っている梨を毎年送ってくれる。
梨は梨でも、大阪の果物屋で買う梨よりも味が濃くて美味しい梨で
我が家では、秋のはじめの楽しみになっている。

私は梨を食べる時に、きまって『梨とり兄弟』という昔話を思い出す。
3人の兄弟が、病気の父親が食べたいという梨を取りにゆく物語で
梨を取りに行く道中で、笹だの瓢箪だのが歌をうたったりなんかして
私の大好きな昔話なのだが、手元に本は持っていない。
たぶんNHK教育テレビの人形劇で見たのだと思う。

♪ 行けっちゃ カサカサ 行けっちゃ カサカサ

なんていう、キダ・タローが好きぢゃなかろうかと思われるような
単純な歌詞とメロディーがお気に入りなのだが
『梨とり兄弟』は、ちょっとマイナーな昔話のようで
『桃太郎』や『浦島太郎』に比べると知名度が低いらしくて
職場で、その話をしても知らない人が多かった。
私の友人の間では、けっこうメジャーな昔話なのだけれども
この辺は世代の差が影響しているのかも知れない。

昔話では、人間以外のものが喋るってのは当たり前の設定だが
現実世界で、人間以外のものが喋るなんてことはありえない。
それなのに、人間は、ありえないことが好きなんだなぁ……と思う。
そうでなければ「擬人化」なんて言葉は出来なかっただろうし
そんな物語は作られなかっただろうと思うし。

動植物が自分と同じように喋れたら、どんなに楽しいだろう?
……そんな発想が、擬人化の出発点だと思うのだけれども
人間ってのは、基本的にお喋り好きなんだと思う。
お喋りというと女の特権のように言われることが多いけれど
男だってお喋りな人は多いように思う。
……って言うか、私など無口な男と親しくしたことがないし。
無口そうに見えたのに、親しくなってみると
吃驚するほどお喋りな人だった…なんてのは日常茶飯事だし。

パンダは、仲間と接触することを嫌う性質があって
それゆえに繁殖がムツカシイのだそうだが
人間は仲間と接触して、喋ったり、集ったりするのが好きなのだろう。
自分達だけで喋るのでは足りなくて
擬人化って手段を使って仲間を増やしてしまうほどに。
……ってグダグタ書いてみたけれど
本当は、ちょっと喋りたかったってだけだったりする。
日記書いたら、友人に電話をかけよ〜っと。

梨を食べながら、つらつらと、そんなことを考えた。
今年も梨は甘かった。満足。満足。
満足してみたところで、今日の日記はこれにてオシマイ。


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