私が毎日、通勤している奈良盆地の某通りは
どうしたものだか、スズメの休憩場所になっている。
夕方ともなると、道沿いの電線にズラーッとスズメが整列していて
ヒッチコックの『鳥』という映画を彷彿とさせる迫力で、ちょっと恐い。
当たり前だが、道路はスズメの糞だらけで
点々と白い糞の後がこびりついていたりなんかする。
最初の頃は「頭に糞が落ちてきやしないだろうか?」と思ったりして
心配してみたものだが、2年半以上も通っていても
1度も糞の被害にあったことがない。
漫画のネタで、頭に鳥の糞が落ちてきて……なんてのがあるが
そんなことは、そうあるもんぢゃないと実感していた。
しかし世の中に「絶対」なんて言葉は存在しない。
なんと、建築士Kさんがスズメの糞の被害にあってしまったのだ。
頭ではなくて、肩だったけれども、ベッタリと見事にヒットしていた。
しかもKさんが糞の被害に遭ったのは
スズメ危険地帯ではなくて、会社の裏口を出たところだった。
滅多にスズメの姿など見掛けることのない場所なのに
当たる時ってのは、なにがどうあっても当たるものなのだと思った。
Kさんは「ついてないよなぁ」とご機嫌斜めであったが
お笑い芸人なら、喜んでもっていきたい場面ぢゃないだろうかと思う。
私はこれから先、何年生きられるかは分らないが
たとえ長生きしたとしても「鳥の糞が落ちてきた」なんてことに遭遇するのは
ちょっとムツカシイかも知れない。
努力して叶うものではなくて、まったくの偶然なのだから。
もっとも、こればかりは努力して遭遇したいとは思わないが。
確率的なことを言うなら、Kさんは、けっこうツイてるのかも知れない。
周囲の人間から「宝くじでも買えば?」なんて言われていたが
Kさんは、まったくその気がないらしい。
まぁ、その気持ちは分らなくもないのだけれど。
世の中には「道を歩いていたら鳥の糞が落ちてきた」って
経験をした人は、案外こっそりと増殖しているのだろうか?
それとも、やはり奇異な出来事なのだろうか?
どうでもイイようなことなのだが、ちょっと気になってしまった。
ちなみに私の周囲で、この貴重な体験をしたのはKさん1人きりである。
気の毒だが、ある意味において、羨ましいような気がした。
もしも私が「鳥の糞」の被害に遭うことがあれば
いそいそと日記に書くのだろうなぁ……と思いつつ
今日の日記は、これにてオシマイ。