先日、20代前半の頃の自分の写真を見る機会があった。
「昔の自分を振り返る」というのは誰しも恥ずかしいものがあると思うが
私もご多分に漏れず、恥ずかしい思いを噛み締めつつ写真を眺めた。
写真の中の私は、今の私とは別人28号も同然である。
ひとことで言うと「男らしい」のだ。
ショートカットにジーンズをはいて、ムスッとした表情で写っている私は
若い娘……というよりも、むしろ少年のようだ。
実際は、こんなに、背の低い男性はいないだろうが
写真では、その辺のニュアンスは分からないので、十分少年に見える。
愚弟曰く「黙ってたらマジで男に見えるよな」だとか。
そりゃぁ、そうだろうとも。男らしいとも。
だって、あの頃、私は「男の子」になりたいと思っていたのだから。
……って言うか愚弟より1.25倍(当人比)は男らしかったと思う。
セクシャリティとしての「性」を拒否していた
……という訳ではなくて
「女性であること」が悔しく思われる事が多かったのと
「男の子だったら良かったのに」と周囲から始終、言われていたのとで
女性であることが嫌で、嫌で仕方がなかったのだ。
要するに「女性らしくする」ことに嫌悪感を持っていたらしく
当時の事は、思い出してみるだけでも、なんだか、こっ恥ずかしい。
私は私立の女子校出身なので
高校生の頃は三つ編みなんぞしてセーラー服にに身を包んでいたのだが
卒業と同時に時に髪を切り、スカートではなくジーンズをはいた。
今にして思えば、気持ち的にも、目一杯、とんがっていたし
元々の性格じたいがキッパリ、ハッキリ、スッキリ、サッパリだったから
当時は、そうとう男らしい女だったんぢゃないかと思う。
↑いまでも「男らしい」名残りは多少なりとも残っているが。
しかし、なんだかんだ言っても「ドレス好き」で
なんだかんだ言っても「綺麗なもの好き」な私が
男らしくある……というのは、やっぱり不自然だったようで
いつの間にやら「女性らしく飾る」ようになっていた。
特別なキッカケは、なかったように思う。
ゆっくりと……回り道をして、たどりついたという感じ。
そんな訳なので「とんがって男の子っぽい私」しか知らない人と
今になって再会したりなんかすると、吃驚されることが多い。
「うわぁ。綺麗になったねぇ。やっぱ女の子は恋すると変わるね」
……とか、なんとか。
私は、恋をしたから変わったのではない。
あの頃、私は、自分が女性であることを否定していた。
そして、あるべき姿に戻っていっただけなのだ。
とんでもなく遠回りをしてしまったけれども。
あれは私にとって必要な回り道だったと思うのだけれど
ちょっと、勿体無かったような気もする。
10代後半から20代前半の、女性が美しさを満喫できる時期に
その楽しさを、ちゃんと満喫しておかなかったのだから。
今では「あと10歳若かったらゴス・ロリとかに走ってるよなぁ」
……なんて思ったりなんかするのに。
遅れをとった分、これから先の人生は倍にして取り返していくぞ……っと♪
たった1枚の写真で、これだけ楽しんだらお得かもね…ってことで
今日の日記は、これにてオシマイ。