白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

目次過去未来

【検索からお越しの方へ】
日記内検索をご利用いただくか、読書関係のお探し物はHPへお越しくださいませ。
当日記は移転しました。下記で更新を続けています。
引越し先 白い木蓮の花の下で


2002年06月16日(日) 1枚の写真。

先日、20代前半の頃の自分の写真を見る機会があった。
「昔の自分を振り返る」というのは誰しも恥ずかしいものがあると思うが
私もご多分に漏れず、恥ずかしい思いを噛み締めつつ写真を眺めた。

写真の中の私は、今の私とは別人28号も同然である。
ひとことで言うと「男らしい」のだ。
ショートカットにジーンズをはいて、ムスッとした表情で写っている私は
若い娘……というよりも、むしろ少年のようだ。
実際は、こんなに、背の低い男性はいないだろうが
写真では、その辺のニュアンスは分からないので、十分少年に見える。
愚弟曰く「黙ってたらマジで男に見えるよな」だとか。

そりゃぁ、そうだろうとも。男らしいとも。
だって、あの頃、私は「男の子」になりたいと思っていたのだから。
……って言うか愚弟より1.25倍(当人比)は男らしかったと思う。

セクシャリティとしての「性」を拒否していた
……という訳ではなくて

「女性であること」が悔しく思われる事が多かったのと
「男の子だったら良かったのに」と周囲から始終、言われていたのとで
女性であることが嫌で、嫌で仕方がなかったのだ。

要するに「女性らしくする」ことに嫌悪感を持っていたらしく
当時の事は、思い出してみるだけでも、なんだか、こっ恥ずかしい。

私は私立の女子校出身なので
高校生の頃は三つ編みなんぞしてセーラー服にに身を包んでいたのだが
卒業と同時に時に髪を切り、スカートではなくジーンズをはいた。
今にして思えば、気持ち的にも、目一杯、とんがっていたし
元々の性格じたいがキッパリ、ハッキリ、スッキリ、サッパリだったから
当時は、そうとう男らしい女だったんぢゃないかと思う。
↑いまでも「男らしい」名残りは多少なりとも残っているが。

しかし、なんだかんだ言っても「ドレス好き」で
なんだかんだ言っても「綺麗なもの好き」な私が
男らしくある……というのは、やっぱり不自然だったようで
いつの間にやら「女性らしく飾る」ようになっていた。
特別なキッカケは、なかったように思う。
ゆっくりと……回り道をして、たどりついたという感じ。

そんな訳なので「とんがって男の子っぽい私」しか知らない人と
今になって再会したりなんかすると、吃驚されることが多い。
「うわぁ。綺麗になったねぇ。やっぱ女の子は恋すると変わるね」
……とか、なんとか。

私は、恋をしたから変わったのではない。
あの頃、私は、自分が女性であることを否定していた。
そして、あるべき姿に戻っていっただけなのだ。
とんでもなく遠回りをしてしまったけれども。

あれは私にとって必要な回り道だったと思うのだけれど
ちょっと、勿体無かったような気もする。
10代後半から20代前半の、女性が美しさを満喫できる時期に
その楽しさを、ちゃんと満喫しておかなかったのだから。
今では「あと10歳若かったらゴス・ロリとかに走ってるよなぁ」
……なんて思ったりなんかするのに。
遅れをとった分、これから先の人生は倍にして取り返していくぞ……っと♪

たった1枚の写真で、これだけ楽しんだらお得かもね…ってことで
今日の日記は、これにてオシマイ。


目次過去未来


エンピツ投票ボタン(押していただけると励みになります)↑
My追加

yurarraをフォローしましょう

【同月同日の過去日記】

白蓮 |MAILHP