白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2002年03月10日(日) 病院を選ぶこと。医師を選ぶこと。生命を守ること。

今日は、ちょっぴり昔語り。

むかし、むかし…と言っても比較的新しい昔。
愚弟は仕事中の事故で左手に大怪我を負い救急車のお世話になりました。
運ばれた病院は某大学の付属病院で「密着・救急病院24時」のような
テレビ番組にも登場する、なかなか優秀な病院のようでした。

愚弟の指はドクターの巧みな技術でもって5本とも切断をまぬがれましたが
しかし、いつ「ポロリ」といくか分からない状態でした。
で……大量の点滴を投与して
指が「ポロリ」といかないための処置が始まりました。
とても不幸な事故でしたが、良い病院に運ばれてラッキーだと
愚弟も、乙女な母も、姉も思いました。

ところが、どっこい。

愚弟は「指が繋がるかどうか」というより「死んでしまうかも知れない」
……などという危険な状態に陥ってしまったのでした。
どうやら点滴の匙加減にミスがあったようでした。
乙女な母と、姉は、たいそう怒って
「家族の承諾なしに2度と、この治療をしないでください」
という事を病院側に申し出たのでした。
死んでしまったら、指が繋がっていたって意味がありません。

ところが、どっこい。あら、どっこい。

母と姉が帰宅した、その夜……
病院は再び、同じ治療をほどこし、その結果
再び愚弟は生死の境をさ迷う羽目になったのでした。
これには、母も姉も激怒しました。
もう、大人しく、黙っている訳にはいきません。
病院側は「本人に了承を得た」と言い張っていましたが
意識がハッキリしない病人に判断能力があるとは思えません。
その上、愚弟の主治医は「上の指示でやったことで」の一点張り。
どこまで問い詰めても、議論は堂々巡りでした。

母と姉は転院を決意して、その旨を病院に申し出たのですが
「私達の系列病院以外の転院は認めない」だの
「勝手に転院するなら、レントゲン等の資料は渡せない」だの
「出ていくなら勝手にすればいい。なんの協力もできない」だの
病院側は極端な暴論でもって、その場を納めようとしたがりました。

……って言われたからって、あなた。

母と姉は、そんな事で、引き下がったりはしませんでした。
喧嘩には、ちょっと自信がありましたし、それより何より
もし3度目の間違いが起こって愚弟が死んでしまっては話になりません。
ほとんど喧嘩上等! といった状態の中で「紹介状」を勝ち取って
自分達サイドで調べた「腕が良くて信用のできる医師」
が勤務している病院へ駆け込んだのです。
病院からは
そんな事をしてみたところで
簡単に患者を受け入れる訳がないと
散々っぱら悪態をつかれたものでしたが……

いとも簡単に受け入れてもらえました。

紹介状を1枚もっただけで、新しい病院に突撃した、その夜のうちに
現在の愚弟の主治医は愚弟の受け入れを承諾して
翌日に、愚弟は転院することになったのでした。
ちなみに「なんの強力もできない」と暴言を吐いた元・主治医は
両手にレントゲンや、その他の資料を持って
愚弟に付き添って、転院先の病院までやってきたのでした。

結局、愚弟の指は2本ばかり「ポロリ」といったのですが
今の病院で命拾い、3本の指を拾った事は確かなようです。

いまだから、言える話なんですけどね。
状態を見た時は、もう駄目かと思いましたよ。
あの治療は、ちょっとね……(現在の主治医談)

今は昔の物語なので、まずは「めでたし。めでたし」なのですが……
愚弟の治療に先が見えてきたので、ちょっと書き残したくなったのでした。

この日記を読んでくださっている方の中には
自分自身が闘病中だの、家族が闘病中だのという方がおられるようなので
この話は参考にならないとは思いつつ
「こんな事もある」的な知識としてお伝えしたくて。

誤解のないように書き添えておきますが
愚弟が最初に運ばれた病院は、そうとう名の知れた病院で
その病院で、生命を救われたという方もたくさん、いらっしゃいます。

病院を選ぶこと。医師を選ぶこと。生命を守ること。
この3つは、絶対に妥協しない方が良いと思います。
自分や家族の病状、状態は、できる限り把握して
主治医と話し合いが出来る状態で治療をするのがベストかと。
泣き寝入りしちゃ、駄目。駄目。駄目……なのです。
医師を信頼することは大切ですが、疑問は追求した方が良いと思います。

ちなみに、現在の愚弟の主治医は信頼できる良い医師です。

病院とも、医師とも、うまく付き合っていくのが理想ですが
ちょっとトラぶった時「泣き寝入り」だれはオススメしません。
↑経験者なので、ここだけは自信を持って熱く語ります。

やたらと真面目くさく、長い文章を書いてみたところで
今日の日記は、これにてオシマイ。

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病気持ちの方、病気持ちの家族が、いらっしゃる方……
山あり、谷ありだと思いますが、頑張りましょうね。


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