2002年、元旦。午前7時。
大阪の空は「あほちゃうか?」と思うほど晴れ渡っていた。
元旦に相応しい日本晴れ。元旦の朝は清々しかった。
まい・さんくちゅあり(台所)に隣接する四畳半の部屋では
夜遊びをして帰宅した愚弟と
その友人が暑苦しく雑魚寝をしていた。
せっかくの元旦。
せっかくの休日である。
何かしなければ、もったいない。
私は乙女な母を自動車に乗っけて映画に出掛けることにした。
↑私は宗教活動に熱心でないので初詣より映画の方が魅力的だった。
毎月1日は映画の日。1000円で映画が観れちゃうのだ。
こんなお得な機会を見逃す手はない。
乙女な母の希望で『ムーランルージュ』を観ることに。
↑映画の感想は機会があれば、また。
道はこれまた「あほちゃうか?」と思うほど空いていた。
あまり運転が好きでない私も空いた道なら運転だって楽ちんプー。
が。そんな心地良い運転もつかの間
自動車はバッコンバッコン変な音を立てだした。
前輪のタイヤがパンクしちまったのだ。
自慢ぢゃないが私は自動車の知識は皆無である。
ジャッキさえ、まともに使えない。
「こいつは困った」と途方にくれた私だったが
数メートル先にレンタカー屋があるのを発見。
もぅ「おあつらえ向き」としか言いようのない展開だった。
レンタカー屋の主人は、たいそう親切で
無能なドライバーを貶すでもなく、気持ち良くタイヤを交換してくれた。
新年早々ついてない…と思ったが世の中は捨てたものではなかった。
親切なレンタカー屋の主人のおかげで、映画の上映には間に合った。
しかも映画館は「ガラ空き」でラッキーだった。
元日の初回。しかも地元映画館だけのことはある。
映画は、まずまず面白くて「おなご」も「乙女」もたいそう満足した。
アクシデントはあってものの滑り出し快調…って感じがした。
軽く遅めの昼食を済ませて帰宅。
ポストを開けたら、当然のことながら年賀状が届いていた。
「おなご」の私は年賀状の束を見て非常にあせった。
年賀状を出してない人から、いっぱい届いてるぢゃん。
悪気はなかったのたがうっかり出し忘れた人。
私の中では付き合いが終わたと思っていたので出さなかった人。
出したいと思っていたのだけれど付き合いが薄くなっているのに
出すのはかえって迷惑かなぁ迷った末に出さなかった人。
誰しも経験することだろうとは思うのだけれど
今年はちよっと枚数が多過ぎた。
「これって社会人としてどうよ?」と思う枚数だった。
この年賀状の枚数は私いう人間の未熟さを表す
ある種の指標ではなかろうかと思った。
単にうっかり忘れていた人には、ていねいに。
私の中でふっ切れていた人にも、それなりに。
迷った末に出さなかった人には、思いを込めて。
せっせと年賀状を書いて夕方に投函した。
私の中で「もう切れちゃってる人」には罪悪感は感じなかったけれど
そうでないのに年賀状を書かなかった人には
なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
↑ここで謝ってみても、なんの意味もないってことは承知しております。
自動車のパンクといい、年賀状といい
なんとも私らしい年明けではあったのだけれど反省しきりである。
今年は、もう少し思慮深い大人の女性になりたいと思った。
自動車を運転するならタイヤの交換は出来た方がいい。
人と付き合うなら年賀状はキッチリ出した方がいい。
新年早々反省しきりのスタートだった。
海よりも深く反省したところで今日の日記はこれにてオシマイ。