+++恋の味+++



 

「すごいなぁ」
そう思うときもある。

「すごいダメだ…」
そう思うときもある。

ちっちゃい頃は、父はひたすらすごい人で、
わたしのやりたいことを叶えてくれる、
魔法使いみたいな力をもっていた。

父はわたしをとてもかわいがって、
わたしもそれにちゃんと応えてた。



けど、だんだんと気がついた。
父は魔法使いじゃないし、
そんなにすごい人でもない。

そのへんの、普通のオジサン。



普通のオジサンなのに、
父だから、
同じこと言われても余計に腹が立つ。

「昔は魔法使いみたいだったのに」
そんな気持ちもどっかにあると思う。

2002年04月25日(木)
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