+++恋の味+++



 一週間の恋人 【5】

それからふらふらと夜の街を徘徊し、ホテルを探した。
何件かまわって、やっとのことで空室を探し当て
ホテルに入って…




もう待てないんだー!!!





と、ばかりに押し倒される。
いえ、わたしも抵抗らしい抵抗はしてないので、
そのことについては良いのですがね。


そのときのチュウが…

にんにく!


くさいのなんのって!!!
焼肉のニンニクどころじゃない。
ニンニクそのものの味、におい。

チュウされながら…
「ニンニクくさい…、お願いやめてぇぇぇぇぇ」
(;_;
心のなかで叫んでた。

なんとか顔を反らし、しつこいチュウが終わる。
まぁ、そのあとアレやコレやで、色々したんだが、
ハッと気付けば、その人はそのまま入れようとしてる。





…おい、ちょっと待て!

「ゴムは?」
「つけた方がいい?」
「…うん」

(当たり前だろーーー!!!
このっボケっ!!!
いつもに増してガラの悪くなる心の中の声を抑えて、
かわいく、言ってみた。

それで、つけてはくれたが…。


途中で、
「パチンッ」
て、音がした。

その後から、すべりのよくなる感触。





…そう、破けちゃったんです。


わたしは、破けたら止めてくれることを疑わなかった
相手のことを考えたら、そのままなんてしないと思ってた。
普段優しくて、細かいことまで気をつけてくれる人だった。
年齢も、30代後半だし、責任も、頼りがいもあると思ってた。

けど、その人はそのまま止めてくれない。



その後からは、もうやる気なんてなかった。
ナマでしてる、
それだけのことなんだけれど、
気持ちいいより、気持ち悪い。
早く離れて欲しかった。

されてる間中、どうやって別れようか考えてた。
とりあえず、今日はこのままなにもないふりをして帰ろう。
それから、どうするかゆっくり考えよう。



…ピル、飲んでいて良かった…。





そればっかりぐるぐる思い返してた。
わたしはその月ピルを飲み始めたばかりで、
その時はきちんとピルが効いているはずだった。
ピルを飲んでいることは誰にも言ってない。
彼にも、Kさんにも、もちろんその人にも。



2002年04月02日(火)
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