+++恋の味+++



 結婚願望

「結婚したいっ」

他人様の手前、なんとなく言ってしまう。

『結婚=幸せ』という図式があるからだ。
なんというか、わたしは多分古くさいタイプで、
結婚生活にすごく夢をもっている。
・・・、のだろうと思う。

実際の結婚生活は、思い描くような“夢”なんて、
全然ないことはちゃんと知っている。
(いや、全然ということはないのだろうけど・・・)
少なくとも、わたしの両親を見ていればわかることだし、
彼の家庭をみていればわかることだ。

それでも、なぜか無限の夢を“結婚”に持っている



好きな人と一緒にいられること、
好きな人と家庭を築いていくこと、
好きな人と支えあいながら暮らしていくこと。

結婚とは、そういうこと。


けれど、
好きな人に慣れていくこと、
好きな人に飽きていくこと、
好きな人に対する思いやりを忘れやすくなること。

結婚とは、こういうもの?


結婚は、恋愛を情愛に変えていくこと。

今の気持ちのまま、今の形のまま、
ずうっと、彼と一緒に暮らしていくことはできない。
それは、彼と結婚ができないからということではなく、
気持ちは変化していくものだから。



“結婚”に対する“夢”は人一倍強いわたし。

そして、きっと“結婚”に対する“諦め”も強い。


わたしの両親は仲がいい。
けど、仲が悪い。
笑いあうのと、喧嘩をするのと、どっちが多いだろう?
相手を思いやるのと、相手を罵るのと、どっちが多いだろう?

わたしの母は、父に対することでは苦労をしている。
不幸自慢ができるほどの苦労じゃあない。(だろう(笑))

けれど、わたしは、
両親を見ているととても結婚する気にはなれない。


わたしは、『結婚=幸せ』の図式がちょっと強い。
とても『結婚=幸せ』だなんて思えないくせに、
いままでの刷り込みなのか、そう思ってしまう。

そして言ってしまう。

「結婚したい」



もちろん、彼には言わない。
彼と実際に結婚がしたいわけじゃないから。
「いつか、だれかと」
そういう意味で言うことはあるけれど。

ついつい、言ってしまうけれど本当は、
結婚したいわけじゃないんだよ。
わたしは、今の生活で続けたいことがたくさんある。
わたしは、とても仕事が好き。
わたしは、彼のことを考えてずっと思いやっていく、
そういう自信はちっともない。

結婚したいわけじゃない。
たぶん、あまり結婚したくないのだ。


もし、結婚をするなら、
今の生活を維持したいのだ。

仕事を続けたい。
時間も、気持ちも縛られずにいたい。
余計な家事はしたくない。
彼のこと、ずっと“恋”してたい。

彼に慣れて、彼に飽きて、
思いやること、忘れたくない。

わたしには彼だけじゃないから、
彼以外の世界が、彼以上にあるから、
“少しの時間”だから、彼を思いやれる。
きっと、ずっと一緒にいたら、
いろいろに慣れてしまって、飽きてしまって、
思いやる気持ちを忘れてしまう。


もし、結婚をするなら、
彼以外の時間がたくさん欲しい。

だから、彼が主夫になるのがよいかな・・・。
(もちろんパートには出ていただきます(笑))

と思うのですが、どうでしょう?

2001年12月30日(日)
初日 最新 目次 MAIL