2005年11月16日(水) |
道州制論のあやうさと知事や議員の期末手当の引き上げ |
第3回都道府県議会議員交流会が開催されました。開催内容は以下の通りですが、こうした政策研究会に協力していただける講師の方々の時代との緊張感溢れる視点の鋭さに学ぶべき多くのものがあります。
三野靖さんからの地方制度調査会での道州制議論の概況をお聞きしました。連邦制としての道州制はあらかじめ排除されていますが、政府としては、道州制を実施するなら全国一律に一挙にやるという姿勢を明確にしていることを知りました。また、政府が道州制における首長や議会が国会議員をもはるかに越える権限を持つ可能性について、その封じ込めをも画策しているのではないかとの指摘に今までの道州制議論とは違った側面を学びました。
一方で地方自治法の改正で都道府県の合併が可能となってしまった現実と、本来は都道府県の合併については憲法95条の一つの地方団体のみに適用される特別法における住民投票が必要であるとの過去の議論の存在、自民党憲法草案から95条が削除去されているその意味、そして、都道府県を無くそうとしていながら、合併後の3232から1881に減少した自治体のうち10万未満の自治体が1560で85%も占めている実体など矛盾点についても多くの示唆を受けました。
人事院勧告制度と公務員の給与問題では、議員からの立場と市民からの立場でかなり視点が異なることを議論の中で発見しました。といいますか、公務院パッシングと議員パッシングは、私達の仲間同士でも極めて厳しい問題であることを再確認しました。11月28日の臨時議会での給与条例にどのような立場をとるのか、難しい選択です。職員は、基本給の引き下げと期末手当の引き上げで実質同程度とのことのようです。
問題は、特別職の知事と議員は報酬も下がらないのに、期末手当が引き上げられる条例案が提案されることです。この時期に政治家がこのような報酬の引き上げを認めていいのかどうか、大きな問題です。
「1」意見交換会 11:00―12:00
「2」第1部 道州制について 13:00―14:30 司会 松谷 清(静岡県議会議員)
報告 三野靖さん(自治総研) 「第28次地方制度調査会での議論から」
「3」第2部 人事院勧告制度と公務員の給与について 14:45−16:30 司会 福士敬子(東京都議会議員)
報告1 人事院勧告制度について 14:45−15:15 給与局給与第1課長 幸 清聡さん
報告2 公務員の給与について 15:20−15:50 給与担当参事官・人事恩給局 片山さん 自治行政局公務員部給与能率推進室 課長補佐 三橋さん
質疑・討論 15:50−16:30
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