まつや清の日記

2005年10月19日(水) 花巻市起業化支援センター視察

 今日は花巻市起業化支援センター、中尊寺、(株)一ノ蔵を視察しました。全国から注目される支援センターのコーディネータの佐藤利雄さんも民間出身でこちらに勤続10年とのことでした。が、きのうの斉藤所長と同じ、起業の支援だけでなく「営業支援」まで責任を持つこと、といっていました。斉藤さんとは、工業技術センターに来られてお会いしたが何が変わったかといえば、とにかく対応が早いということ、問題を持ち込むと普通は検討しますから始まるが、とにかく関係者をすぐに集めてその場で結論を出すとのことでした。

 この花巻支援センターの存在意義を学者として全国に伝えてくれたのは関満博一橋大学教授とのことでした。私は、もう10年前でしょうか、川崎市主催の政策研究会で関教授の話を聞いたことがありましたが、それ以来、先生のファンになっていましたが、いみじくも今日このような形で関先生が目の前に現れるとは、驚きでした。企業誘致だけでなく、地域の内発的発展を柱に掲げる花巻市の姿勢にエールです。

 そして、近くに2500メートルの花巻空港があるのですが、こうした地元の工業団地との関係での貨物空港の役割はほとんど果たしていないとのことで、静岡空港で知事が叫ぶ地元物流と空港との関係で言えば、別の意味で花巻市の実態がよくわかり勉強になりました。

 2番目は酒造メーカー(株)一の蔵さんでは、昨日の工業技術センターでの醸造の話がもっとわかりました。そして、酒造メーカーの原料はお米、つまり、地元松山町の農業をどうするかと直結しており、農業問題の解決とお酒を造ることは同じことであるとの認識には感心しました。そして、これまた産業観光というか、お酒の造り方がよくわかる、工場の作り方になっていて感動しました。夏に県内視察で観た浜松でのうなぎパイの工場と同じでした。4つの酒造メーカーが一緒になってこの会社を起こしたが、お酒の消費量はこの30年で半分に減っているが、一の蔵の生産量は5倍に増えたとのことでした。

 それは、地産地消と手作り、安全・安心の酒造りの姿勢に尽きています。
純米酒のみが米100%で作られていることは正直初めてわかりました。日本の93%が、米からのアルコールでなく、別のアルコールを混入させているとのことです。つまり、本物は7%しかないということです。本醸造と書かれているお酒はみんな別の混じり物だそうです。でも、その方が消費者に受けるそうです。社長の桜井さんからはお酒製造の歴史をじっくり聞きました。新潟県出身でお酒には詳しいつもりでしたが、大いに反省させられました。

 この社長の桜井さんとこう工業技術センターの斉藤さんが高校の同級生とのことで地域発展の中での人脈の大切さも学ぶものがありました。昼休みを利用した中尊寺の視察は、今、NHKの義経ブームの中で平泉の1200年代の歴史を学ぶいいきっかけになりました。ただ、この中世の都市は、蝦夷征伐=侵略の拠点であったことも忘れてならないことです。

 


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K.matsuya

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