まつや清の日記

2004年02月23日(月) 映画『二重スパイ』を観る

 久し振りにビデオでの映画鑑賞。
 韓国映画『二重スパイ』。
 韓国映画は、今、ものすごいパワーがあります。

 この映画の最後は暗殺シーン。思わずロシア革命のトローッキー暗殺シーンを思い浮かべました。殺したのは、北なのか、南なのか。

 ストーリーは、北からの亡命者が実は北のスパイ、そして、南の国の中の北のスパイグループとの接触が始まり、その中の女性に恋心が、そして、ある作戦の失敗から、二人がリオデジャネイロに逃亡するというもの。

 果たして、二人が逃げおおせるのか、緊張の高まりが、「2年後のリオデジャネイロ」のテロップに安堵の念。このままで終るはずがないと観る側に劇的シーンを期待させる、そして、予想通り殺される、殺す側が名前を確認するそのシーンに、これか!一瞬、息を呑んでしまいました。

 南のスパイ組織のトップに逃亡直前に手紙を書く、いつか、北でも南でも本当の名前で呼ばれ時代が来ることを・・・。最初シーンで、南への亡命時、何故、南に北のかと二重スパイかどうか拷問で探ろうとする、その答に「自由を求めて」、そして拷問者が答える「南に自由などあるはずがない」。1980年は、いまだ、独裁政権の時代。
 
 南のスパイ組織のトップに「北の亡命者のなかで、自分のことしか考えない奴がいる」と見下しシーンがあります。この映画、体制の変革を求める側と維持する側の大義に向けての強い意志、そのことへの賞賛が、隠されているのではないか、というより、実は、北にシンパシーを感じながら作っているのではないか、とさえ思えました。

 今、韓国での平和運動や統一運動、日本では、拉致事件で北への排他的な世論が大きく波打っていますが、韓国では、北に対する対応は政府の太陽政策もありますが、かなり寛容的であるというのが実情のようです。

 私自身、現在の共和国政府が独裁的・軍事的政権であることに批判を持つ立場ではありますが、韓国では、実際のところはどのように受け止められているのか、直接、訪問して確認してみたいと思っています。


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K.matsuya

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