子どもたちの新体操のお迎えがあるので,家路を急ぐ。 明日からバドミントンの合宿だから,その用意もしなければならない。 しかも,明日は娘たちの学校で展覧会だ。 それもちゃんと見てから行かねば。 ああ,気ぜわしい。
そんな気持ちでドアをあけると, いつもながら妻が機関銃のように話しかけてくる。
う,うるさい。
「それでさあ,テレビで教育問題についていろいろ…」 「今日の夕飯変な取り合わせなんだよ,ミネストローネにししゃも…」 「子どもが新体操で使う帽子作んなきゃいけなくてさあ,これがまた…」
いつもにも増して話が飛んでてよくわからない。
あ,あれ?
あなた,顔が赤いですよ。
「あ,わかる〜?」 「今日,なんかだるくてさあ,熱はかったら37.5℃」 「ま,熱があるってほどてもない…」
ぎゃー,またですか。
前にもこんなことがあったような。
僕の数少ない年間行事に合わせて体調をくずされたような…。
「大丈夫,這ってでも展覧会を見に行って」 「塾には連れて行くからさあ」
「まっかしとして」
ああ,アナタたぶん熱が上がってますよ。 だってそんなに快く送り出してくれるなんて, いつものアナタじゃ考えられない。
頼む,早く寝てくれ。 パソコンになんか向かってる場合じゃないだろう。
こっちが具合悪くなりそうだ…。
|