僕の携帯は,息も絶え絶えだ。 娘を迎えに行くのに,これでは心もとない。 と,いうわけで,妻の携帯を借りた。
確認しておきますけど,ここを押せばいいんですね。
「そうそう。それでとれるから」
よし。 大丈夫。 僕だって最近は携帯も使いこなせるようになったのだ。 ははは。
ところが。
思わぬ事態が。
妻がメールを送り付けてきたのだ。
なぜ。 なぜ,電話の取り方を教えておいてメールを…。
仕方ない。
るるる…。
「もしもし」
あ,私ですけどね,あの,メール送りましたか。
「うんうん」
あ,いや,うんうんじゃなくてね,メールの内容を。
「は?」
「まさか,アンタ…」
メール見られなかったんですが。
「くくく…」
あ,怒ってますね。 怒ってもいいですから,とにかく内容を。 急いでるんですから。
「あー,塾出たってさ」
そうですか。 わかりました。 では。
「あのね,あーしてこーしたら簡単に見られるから」 「やってみてね。くくく」
あれ?笑ってるのか? まあ,いいや。 はいはい。 では,待ち時間に。
帰宅してすぐに忌まわしい機械を返却する。
「あっ。アンタ,結局メール見られなかったね」
なんでわかるんだ…。
「この画面でここをこーするだけなのに」
早くてわからない…。
「はっ。しかもこのマークは何よっ」
え,あー,そういえば, いじってたら,登録されましたって言われましたけど。
「余計なことはできるんだね…」
びっ。
あっという間に削除されてました。
しかも,また
「ネタ提供ありがとうございます」
って言われちゃいました…。
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