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2026年04月04日(土)
『PILOT ─人生のリフライト─』

『PILOT ─人生のリフライト─』@新宿ピカデリー シアター1

チョ・ジョンソク主演の映画が新ピカ1で観られる日が…日本公開待っててよかった〜コメディだけど繊細な問題提起がしっかりあるところが流石。傷ついた人も傷つけた人も二度と元には戻れません! という厳しい話でもあった。ジョンソクssi素晴らしいね…ヘドウィグー!『PILOT ー人生のリフライトー』

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— kai (@flower-lens.bsky.social) Apr 4, 2026 at 14:15

しかしパンフレット販売はなかった(泣)。

原題『파일럿(パイロット)』、英題『PILOT』。2024年、キム・ハンギョル監督作品。いやー待った、待ちました。本国での評判はいいのにずっと日本公開されなくて、かといってソフト化や配信のお知らせもなく、そのうち『大統領暗殺裁判』が先に公開になり、最新作『좀비딸(ゾンビタル=ゾンビ娘)』の日本公開決定の報が入り……なんなの? 何か日本で公開すると問題でもあるの!? と気を揉んでいたってか半分諦めていた。

そういう意味では『1승(1勝)』も……チョ・ジョンソクは勿論ソン・ガンホとかパク・ジョンミンとかめちゃ豪華キャストなのになんで日本公開されないんだろう(そしてソフト化も配信もされない。本国のDisney+や韓国便の飛行機内で観られたりはするらしい)。『爆裂野球団!』といいガンホさん主演のスポーツコメディは日本公開されない運命なの? いやだ! 公開待ってます!

そんなこんなで何があったかわからんが、この規模の韓国映画で松竹配給って珍しくない? と思いつつ、そのおかげか松竹系の映画館新宿ピカデリーではいちばんデカいシアター1での上映(朝イチの1回のみだけど)! 感激。

前置きが長い。原案はスウェーデンの映画『Cockpit』(未見)。セクハラ発言で花形パイロットの座を失った主人公が、女性のみのパイロット採用試験に女装で挑むという話。しかも採用される。いやないだろ! とツッコミつつ、そんで周囲のひとたちも騙されてるようで騙されてなかったりして……? 「財閥はちょっとのことでは驚かない」に大ウケ。驚かないにしても程があるだろう。しかもそれを逆手にとってスキャンダルを仕込むというしたたかさ…財閥怖い……。

騙されるかどうかはともかく(笑)、本作のキモは主人公が女性を演じることで「女性の不自由さ」に気づいていくというところ。毎日のメイク、ブラやヒールの窮屈さ。面接でそこ訊く? という質問をされる。普通に仕事をしていても性的な視線に晒される。「女性」というだけで実力を発揮するステージにも立てない。数々の理不尽に主人公は直面します。問題を告発したことで職場にいられなくなる同僚、兄と地位を争っていた航空会社の代表、家のことを丸投げされていた妻。主人公は女性の立場で女性たちの悩みに接することで、自分がいかに男性性の上に胡座をかいていたかを思い知るのです。

しかし同時に、メイクの楽しさを配信する妹、趣味に没頭している母親といった女性としてのの人生を満喫している人物も描かれる。主人公自身も「無難」ではない色鮮やかなランジェリーに気分が「アガる」。ハラスメントやミソジニー、ミサンドリーの境界とは、告発におけるコンプライアンスとは、といった繊細な問題もしっかり描き、二度と元には戻らない関係性も曖昧にはしない。主人公と同僚の「その後」には、苦さもあれど清々しさも残る。人生は長いのです。監督の性別にわざわざ言及するのも今の時代なあ、とは思いつつ、それでも「女性だからこそ気づいた部分もあるのでは」と思ってしまう。キム・ハンギョル監督も、男性中心の映画の現場ではいろいろあったことだろう。

ジョンソクさんは今作で百想芸術大賞の最優秀男性演技賞を受賞。コメディで受賞ってすごいよね……それだけ評価されたってことですよ! さてその評価されたという演技。女装がかわいい! バレるけど、そりゃバレるけど、めちゃくちゃかわいい! 『HEDWIG and the ANGRY INCH』で「“ポドウィグ(色白という意味の韓国語ポヤッタ+ヘドウィグ)”」といわれた美肌が存分に生かされております。てか終盤の「実は男性でした」とウィッグをとり、服を脱ぎ捨てていくシーンが思いきりヘドウィグオマージュてんこ盛りでウケた。そうそう、オマージュといえば序盤の緑のフーディーは『建築学概論』のそれですかね(こっちではブルゾンだったけど)。緑の服着てると「ナプトゥク〜!」と呼びたくなるわ。こういう俳優本人のキャリアを反映させた演出、韓国映画では結構ありますよね。という訳でミュージカルで鍛えた歌声も聴けます。

で、女装がかわいいのは勿論ですが、男性の傲慢さに気づき、本来の仕事の楽しさを思い出していく過程の心理描写も素晴らしかったです。演出のテンポやリズムに応えるコメディの演技って技量がいりますよね。その辺も見事。グリーンバックのとことかドッと笑いが起きていました。爽やかな余韻の残る映画でした!

それにしても韓国の道路は広い。8車線を横切って走るシーン、大きなスクリーンで観ると映えるわー。映画館で観られて本当によかった。そうそう、友情出演のカン・ハヌルの女装も観られます☆

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・『PILOT ─人生のリフライト─』 ┃輝国山人の韓国映画
いつもお世話になっております。パンフ販売がなかったのでクレジットもろもろ本当に助かる! 有難うございます!

・NAVER 영화
本国でのあれこれ。どんだけ話題になったかを見てほしい(笑)。

・「PILOT ─人生のリフライト─」ドリアン・ロロブリジーダ、現代の生きづらさを笑いに変えたコメディを絶賛┃映画ナタリー
トランスジェンダーではなく、ゲイでもなく、ドラァグクイーンでもなく、ただの女装というのはなかなかニッチでもあるんですよね。(中略)それでも、今の社会に根付いているホモソーシャルな部分やジェンダー格差の問題、またはジェンダーの捉え方の世代間格差みたいなところもさりげなく描いているじゃないですか。ドタバタコメディではあるものの、それだけじゃない。笑うだけじゃない作品に仕上げているのが、とても現代的だと思います。

・ソン・ガンホ主演、パク・ジョンミン、チョ・ジョンソク共演のネオ・スポ根映画『1勝』が意外な秀作!┃韓国TVドラマガイド ONLINE
『1勝』は上映時間が107分なので、水平飛行になってから視聴しても着陸までに余裕で完走できる。大韓航空などレガシーキャリアの個別モニターで上映される映画は最近、日本語字幕も選択できるので、機会があればぜひ観てほしい。
おまけ、機内で観られる『1勝』の話。観たいよー!

・余談。女装といえば、昨年ファン・ジョンミンもミュージカル『미세스 다웃파이어(ミセス・ダウトファイア)』で女装してなさった。観たかった……




ぎゃわいー