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2026年03月01日(日)
『ロビー! 4000億円を懸けた仁義なき18ホール』

『ロビー! 4000億円を懸けた仁義なき18ホール』@シネマート新宿 スクリーン1

『ロビー!』観た〜軽妙なのに骨太、辛辣コメディ、『1987』のキムギョンチャンとハジョンウの共同脚本だったんですね。『1987』ではハジョンウ演じる検事の「俺の大本営発表だ」が名台詞すぎて未だに忘れられないのだが今回もシビれる台詞があった そしてエラい豪華キャスト。監督の人望✨

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— kai (@flower-lens.bsky.social) Mar 1, 2026 at 19:24

『1987、ある闘いの真実』の「俺の大本営発表」、日本ならではの皮肉の効いた字幕で感心したんだけど、原語ではどういったのか今でも気になってる。

原題『로비(ロビー)』、英題『Robby』。2025年、ハ・ジョンウ監督作品。ハジョッシの監督作は3作目なんですが、観るのは初めてです。優れた研究に根差した質の高い技術を持っているのに、どうにも交渉下手。借金もかさんでいよいよやばい。ハジョッシ演じる中小テック企業の社長が、巨額の国策事業に参入すべく接待ゴルフに挑みます。ゴルフやったことないのに。

登場人物とそのキャラクター紹介がテンポよく描かれ、接待ゴルフのノウハウが説明され、あっという間にゴルフ場。登場人物めちゃ多いから集中して見ないと混乱するんですが、その辺の交通整理が巧い。『1987』も群像劇でしたが展開しっかり追えましたもんね。ゴルフにおけるルールやマナーを叩き込まれる社長の数日間も、コメディならではのスピーディーな流れでクスクスしつつ楽しめます。勿論付け焼き刃の知識なんで、いざコースに出てみれば何でもかんでもナイスオーン! ていっちゃうとかのやらかしもあり、それがまたいちいち面白い。

ライバル会社社長を演じるパク・ビョンウンのダメな英語とか(素人耳にも「それビジネスで使ったらアカンやろ」と判る喋り方)、接待ターゲットを演じるキム・ウィソンのジンプロ(接待に呼ばれたプロゴルファー)ヲタぶりとか、皆さん小技が効いてておかしいおかしい。社長の従弟役のオム・ハヌルもいい仕事してたなー。何あれ! めちゃデキるやつ! そして汚職長官を演じたカン・マルグムもいい仕事!(『チャンシルさんには福が多いね』)のチャンシルさんとはガラリと違うはすっぱっぷり、素晴らしかったです!個人的にはお調子者の記者役イ・ドンフィがお気に入り。なんでジンプロと一緒に吐いたのだけがわからないけどな。「そこで!?」ていう。なんだったんだあれ……もらいゲロしちゃうタイプだったんですかね(笑)。

そういう「なんだったんだあのシーン」がまあまあ多く、ちょっと冗長かなーと思ったところもあったのですが、その辺は集った役者皆に見せ場をつくりたい監督のやさしさかもしれません。楽しめる範囲ではあった。SUPER JUNIORのチェ・シウォン演じる魔性の国民的俳優とか、あまりのムンムンぶりにウケたウケた。

とはいうものの、社会情勢をチクリと刺す針は鋭い。正直者が馬鹿を見る世の中であってたまるかという気概も。そう、真っ当なんですよね。利益のために何かを犠牲にしていないか? と気付く、おかしいよな、これ? と思ったら流されずちゃんと立ち止まる、間違いがあったらちゃんと謝る。ひととして! だいじ!!! 会社の部下たちと社長の関係性もよかった。皆がいいものをつくろうとしている。いい会社に、いい社会にしようとしている。それが感じられる映画でした。むちゃくちゃな世界情勢を前に、厭世観が募る一方の今観ると尚更沁みました。

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・ロビー! 4000億円を懸けた仁義なき18ホール┃輝国山人の韓国映画
いつもお世話になっております。パンフ販売なかったので助かる! といえば、今回パンフを作らなかったからかフライヤーに『韓国映画から見る、激動の韓国近現代史 歴史のダイナミズム、その光と影』の著者・崔盛旭さんのしっかりしたコラムが載っていてよかった。接待ゴルフとは〜!

・といえば、『大統領暗殺裁判』で全斗煥がゴルフしてたわね……

・笠松将が観た、ハ・ジョンウ監督&主演作「ロビー! 4000億円を懸けた仁義なき18ホール」 韓国俳優たちの本気に笑いが宿る、てんやわんやな“接待コメディ”┃映画ナタリー
俳優ってすごく変な職業なんですよ。(中略)かっこよくなることが作品の邪魔になると判断すれば、自分がどう見えるかを捨てて、役に全力で集中できる人もいるんです。ただ、そんな俳優は世界的に見ても多いわけではないと思っています。ハ・ジョンウさんは、そうやって役に全力でフォーカスできる人であり、そこにただ存在しながら、ただ強烈なインパクトを残せる人。
笠松さん、『グッドニュース』『模範タクシー3』出演であちらでもめちゃめちゃ話題になってるんですよね。韓国語ペラペラで、授賞式やバラエテイに出ても殆ど通訳なしで対応出来てる。言語対応に身体づくりと、しっかり準備して作品に臨んでいる。「評価っていうのは花びらですからいずれ散って枯れていくものです。」も名言。是非ハ・ジョンウともカン・ドンウォンとも共演してほしいな