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2022年01月15日(土) ■ |
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新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』 |
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新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』@新国立劇場 オペラパレス
一年越しで「ペンギンパンツを履いて『ペンギン・カフェ』を観に行く」夢が叶いましたよ。
しかしそもそも、今年の『ニューイヤー・バレエ』のプログラムに『ペンギン・カフェ』は入っていなかったのです。これ迄の経緯をメモしておきますね。
昨年行く予定だった『ニューイヤー・バレエ』は、開幕直前に公演関係者にコロナ陽性の方が出て中止になり、無観客配信で上演という形になりました。諸々の都合で私は配信を観ることが出来ませんでした。 ・(20210106)【重要】1月バレエ公演「ニューイヤー・バレエ」公演関係者の新型コロナウイルス感染/公演中止について┃新国立劇場 ・(20210108)「ニューイヤー・バレエ」無観客ライブ配信(無料) 実施のお知らせ┃新国立劇場
今年の『ニューイヤー・バレエ』の演目が発表されたのは昨年の三月。新制作の『夏の夜の夢』と、『テーマとヴァリエーション』の上演が決まっていました。ところが夏に再び感染状況が悪化。新作を準備することが困難になり、代替演目として再び『ペンギン・カフェ』の上演が発表されました。 ・(20210302)2021/2022シーズン バレエ&ダンス ラインアップを発表しました┃新国立劇場 ・(20210818)【重要】2021/2022シーズン「ニューイヤー・バレエ」 演目変更のお知らせ┃新国立劇場
その後も状況は一進一退。入国制限が厳しくなり、指揮者もクーン・ケッセル→ポール・マーフィー→冨田実里に。 ・(20211021)「ニューイヤー・バレエ」指揮者変更のお知らせ┃新国立劇場 ・(20211210)「ニューイヤー・バレエ」 指揮者変更のお知らせ┃新国立劇場
………転記してるだけでも胃が痛くなる。現場の方々はどれだけたいへんだったことか。無事幕が開き千秋楽が迎えられて本当に良かったです。という訳で、新国立劇場バレエ団鑑賞デビュー。
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『テーマとヴァリエーション Theme and Variations』 振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー 指揮:冨田実里 管弦楽:東京交響楽団
帝政ロシア時代へのオマージュ、ザ・バレエな衣装と美術にうっとり。群舞の美しさにうっとり。柴山紗帆さんと渡邊峻郁さんが初役。躓いたのか一瞬バランスが崩れたり、少しだけヒヤリとするところもありました。でもリカバリも早く素晴らしかったです。
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『ペンギン・カフェ ‘Still Life’ at the Penguin Café』 振付:デヴィッド・ビントレー 音楽:サイモン・ジェフス 指揮:冨田実里 管弦楽:東京交響楽団 ヴォカリーズ:引田香織 協力:英国バーミンガム・ロイヤルバレエ
ペンギン・カフェのコンサートに行くと、当然ですがこの作品のチラシも受け取るのです。それ以前からも上演の機会は少なくなく、観たい観たいと思いつつ随分経ってしまった。『ペンギン・カフェ』バレエ、やっと観ることが出来ました。冒頭のツイートにも書いていますが、ペンギン・カフェ(・オーケストラ)以外の演奏でペンギン・カフェ・オーケストラの楽曲を聴くのは初めて。着ぐるみで踊るバレエを観るのも初めて。
南極からパーティ会場へ。ウェイター姿のペンギンたちが、グラスの載ったトレイを掲げよちよち駆けまわる。きゃー、かわいい! 軽やかなのによちよち! 華麗なステップなのに、バレエなのにペンギン! 衣裳もかわいいわあ、ソックスが黄色だわ。あんなに大きなヘッドドレスをつけているのに、なんでこんなに動けるんだろう。視界も悪いだろうに、すごいすごい………。
こんな悲しい話だったのか。ニコニコ観てたオープニングが夢のよう。年明け早々ヘヴィーだわ……いや、年の始めに観て己を振り返るにはいいかもしれない。この作品に登場するペンギンとはオオウミガラスのこと。現在ペンギンと呼ばれている海鳥たちの、名前の由来となった鳥。絶滅したのは1844年6月3日。記録が残っている、つまり人間によって絶滅に追いやられたいきものです。文献には、最後のオオウミガラスを殺した猟師の氏名も記録されています。
自然のなかでのびのび、そして懸命に生きる動物たち。未開の地で暮らす人間たち。彼らは文明という名の自然破壊と都市開発により、命を、居場所を奪われていきます。スネアの打撃音が銃声となり、照明の明滅が自然災害となり、動物たちを、ひいてはその原因をつくった人間たちをも追い詰めていく。方舟に乗ることが出来たいきものたちと、それを見送るオオウミガラスの姿に涙。おま……ペンギン置いていくなや! あんなにかわいかったペンギンが! 皆にお給仕してくれてたペンギンが! なんで置いてかれなきゃならんの! とメラメラしますが、当方破壊の限りを尽くした人間族なのでごめん、ごめんよ……と心のなかでひたすら謝る。だいたいこれ、初演1988年ですよ。ずっと警鐘は鳴らされているんですよ。ビントレーの先見の明に頭を垂れつつ、人間進歩せなあかんよいい加減に! と思いますね…せめて自分からと、一人ひとりがそうならんと……。
いやーだってさ、ペンギン・カフェって「誰もが暴力的になり、戦争が起こる。人々は狂い出し、苦しんでいる。私はペンギン・カフェのオーナー。みんないらっしゃい。」というサイモンの夢から生まれた場所のことなのですよ。そんなシェルターのようなカフェを営むペンギンを! 置いていくか! うわあああああ(泣)。
とまあそんな話なのですが(…)、生を謳歌し命の限り踊る動物たちはとってもチャーミング。福田圭吾さんが踊るテキサスのカンガルーネズミのソロ、めっちゃ格好よかった。運動量的にもめちゃめちゃハードなんじゃないだろうかこの振付……ヒップホップダンスみたいなスピンも面白かったな。スターの貫禄をまとったオオツノヒツジとケープヤマシマウマは、やはりのプリンシパル・米沢唯さんと奥村康祐さん。ヘッドドレスで顔が見えなくても、登場したと同時に場の空気が変わります。
そうそう、シマウマパートの前の場で、ノミと一緒にモリスダンスを踊っていたうちのひとりの帽子が落ちてしまい、そのまま舞台中央に残されてしまったのです。「あんなど真ん中に……どうする?」とドキドキしていたら、登場したケープヤマシマウマが優雅に舞台上手側へと滑らせて、そこから登場したシマウマダンサーのひとり(こちらも米沢さんだったとのこと)が更に舞台袖へと蹴り込みました。かっけー! 振付を端折ることなく帽子を拾うなんて、タイミングも難しかった筈。アクシデントだけど、つい拍手しそうになりました。
そしてやはりタイトルロール・ペンギン役の広瀬碧さんが素晴らしかった。あのよちよちステップ、なんてかわいらしい。そして悲しい。カーテンコールでも、ヘッドドレスをとっても、ステップはペンギンのままでした。はあ、かわいかったな……。
サイモン・ジェフスが遺した名曲の数々を、フルオケで聴けたこともうれしかった。普段はウクレレで演奏されるリフレインが管にアレンジされていたりと新鮮でした。こうなるとアーサー・ジェフス版の『ペンギン・カフェ』もあればいいのにってなる〜。ビントレーさん、新作どうですか? 御一考を。
着ぐるみのバレエといえば『ピーターラビットと仲間たち』が有名ですよね。近年はKバレエ カンパニーのレパートリーになっているかな。こちらもいつか観に行きたいな。
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・個人的には『ペンギン・カフェ』を観られてラッキーだった訳ですが、バレエ団も、ファンの方々も『夏の夜の夢』が待ち遠しいですよね。一刻も早く制作を再開出来る環境になりますように
素晴らしい跳躍、テキサスのカンガルーネズミ☆
・ロビーでは国立科学博物館と連携した展示が。うう……というかそうか、国立同士だからこういう企画も出来るのかと思った
・新国立、オペラパレスに入ったのは確か初めて。広い! 綺麗! オケピでかい! あの奈落があれば、オペラやっても前方席に飛沫が届くこともないですねきっと……と思ってしまうすっかり感染対策脳。劇場は本当にたいへん
・バレエ『ニューイヤー・バレエ』公演での飲食物の試行販売について┃新国立劇場 外のワゴンでドリンクとか売ってて、あの水辺を見乍らボヤ〜と出来ます。普段からこうなのかな、冬は寒いんでないの? と思っていたら、やはり感染対策の一環のようです
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