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2020年12月19日(土)
菊地成孔 3DAYS デュオ with 林正樹

菊地成孔 3DAYS デュオ with 林正樹@Shinjuku PIT INN


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菊地成孔:Sax
林正樹:P
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菊地さんの音楽も言動も、ライヴじゃないと、クローズドな場でないと伝わらないの権化。現場がピットインなら尚更。なのでピットインでのライヴはここんとこテキストには残していなかったが、今年はピットインが配信を始める程(!)非常時だったことだしメモだけでも残しておこうかなと。しかし核心はやはり聴き手の心のなかにだけあるのだった。

・今年の3DAYSは各日限定50席。プレ抽選もピットインの直売りもないぴあのみの販売で、全日即完だった。そんななかでも年配の、ゴリゴリなジャズファンらしきお方が結構な割合でいるのです。このひとたち皆発売日の10時にスマホやPCからチケットとったんだよなあと思うとグッとくる
・ひとり客が多いところもなんかいい。ただただ菊地さんの演奏が聴きたくてやってきたひとたち
・で、そんな方たちが、ステージ上の菊地さんが思い出せなかったプレイヤーの名前を教えてあげたりする。ヤジる感じではなく、自然と、落ちついたトーンの声で。それに礼をいう菊地さんも自然で、音楽好き同士の礼儀がある会話が聴ける

・カヴァーと即興を交互に演奏。2ndセットのみ配信あり。著作権の関係でアーカイヴは出来ない。音はこうして消えていく。やっぱりここは方舟なんだな
・といいつつ、MCは2ndセットの方が無茶苦茶いってて肝が冷えました(笑)まあこれも残らないからな
・確かに配信には放送禁止用語はないのであった。今のところは
・とはいえいちばん笑ったのは「林くんはブラームスに似ている(顔が)」だった。あと床屋行った話ね。クローズドの場でも内輪ウケってないもんです

・ソプラノ、テナー。Wayne Shorterの「Pinocchio」、沁みた
・絶品指パッチンもファルセットも堪能
・林さんとのデュオは今回が初めてだったけどこれがまあ楽しかった。また聴きたいな

・出口に店長さんはじめスタッフの方が待っていて、帰っていく客ひとりひとりに礼をいっていた。ライヴハウスの苦境はまだしばらく続きそうだ。なんとか存続してほしい。方舟がなかったら、水がひく迄どこに避難すればいいんだ
・フロアにひとがみっしりで、プレイヤーの姿が見えないときもある。それでも音楽を楽しめるピットインが戻ってきますように