I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
MAIL
HOME
|
|
2015年09月18日(金) ■ |
|
高橋徹也 レコ発ワンマン『The Endless Summer 2015』 |
|
高橋徹也 レコ発ワンマン『The Endless Summer 2015』@STAR PINE'S CAFE
10月21日リリース予定(会場では先行販売されました)、『The Endless Summer』レコ発。メンバーはVo、G:高橋徹也、B:鹿島“KID”達也、Drs:脇山広介(tobaccojuice)、Key:佐藤友亮(sugarbeans)。アルバムクレジットによるとあとひとり、Pedal Steel Guitar:宮下広輔が二曲でクレジットされていますが、宮下さん以外はレコーディングと同じメンバー。
ライヴ後連休に入り、その間ほぼ毎日芝居を観ていたので記憶がおぼろぼろになっております。素晴らしいライヴだったことだけは確信があるのですが具体的にどうってのが思い出せない〜。しかしこのまま忘れてしまうのはさびしいので断片のおぼえがきだけでも。
・それにつけてもバンドのゴリゴリっぷりよ。どファンクなリズムにあの艶のあるヴォーカルがのったときのブワッと感! よっ大統領!(小学生並の語彙でお送りしております) ライヴ直後興奮してツイートしたやつ。バンドゴリゴリ。これな! これな! やはり鹿島さんが凄まじく、高橋さんをはじめバンドの状態をよく見ていて「今このコンディションならこれくらいもいけるだろ、もっといけるだろ」と言う感じで攻める攻める。そこに佐藤さんがのっかるのっかる。そうなると高橋さんの歌や演奏も様相が変わる。曲は生きもの、と言うのをこうも見せつけられるとライヴの虜になりますね。 この日ちょっと高橋さんの喉の調子があまりよくなかったようで、高音がかなり苦しそうだった。ときには声がひっくりかえることもあった。声が揺れると鹿島さんがキッと高橋さんを見る、と言う場面が何度か。しかしこれ、「おいおい大丈夫かよ」と言う感じではなく、「声の状態がこうなら演奏をこう展開しようか」と瞬時の判断に利用していたようにも思えました。考えすぎか?
そしてこのメモについて補足しとこう…自分でも何だろうとちょっと考えたものもあるが……。
・無印良品のひとをダメにするソファ 単に「Night & Day, Day & Night」の歌詞を聴いてて連想したことですね……しかしこじつけかも知れんがこの曲はこのソファで聴いたらより実感出来そうな。起き上がれなくなりそう。高橋さんの描く気だるいSFみたいなAOR
・「チャイナカフェ」の鹿島さんコーラス ビックリした! バンドでのライヴを観るのが二度目なので判らないんですがこれってレアなのだろうか、初めて聴きました
・ピック弾き これも鹿島さん。いんやどう弾いてもゴリゴリだなこのグルーヴマスター!
・SBフリーキーからムーディ迄 SB=佐藤さん。バンドのグルーヴの舵をとっているのは鹿島さんだが、そこにいちばんはやく反応するのが佐藤さん。ソロは勿論リズム展開もくるりと変えてくる。高橋さんの曲には確固とした世界観を強く感じるが、その世界をこの角度から見るとこう違って見えるよ、と言う指針を示してくれる
・ジョンスペ 「大統領夫人と棺」の謎の動きがジョンスペがテルミン演奏する姿に似てたので。てかこないだサマソニでジョンスペ観たから思い出したんだな…あれはエアテルミンだと思うことにした
その他。
・ギターはメインがジャズマスター、『ブラックバード』のみギブソンES-330。エフェクターもご本人のツイートに詳しく。
・高橋さんの衣裳は『The Endless Summer』のジャケットと同じもの。なかなか他のひとが着こなすのが想像しづらい…モダンと言われるの、解るわ〜 ・アンコールでメンバー全員『夏(の終わり)』がテーマの衣裳だったと明かされ撮影OK(!)に。皆で手をつないでバンザーイと挨拶。おおおこんな光景が見られるとは ・途中のMCで「『大統領夫人と棺』を出したときにポスターを作ったんだけど、ふと自分のポスターを売ると言うあつかましさに気付いて耐えられなくなって売るのやめた」と言っていたひとが〜。照れ臭そうにしてるのがまた微笑ましい ・しかしこのポスター、在庫があるし「自分が耐えられるくらいの枚数だけ持ってきました」とのことで今回販売されてました。購入致しました(笑)
しかしご本人の気恥ずかしさはともかく、高橋さんのアートへの愛情と拘りは一貫して感じられることで、それは自身の作品にもしっかりと反映されている。CDをはじめとするフィジカルなフォーマットによるアート、ライヴで表現する形にならないアート。それらがリスナーに届き、たからものになる。今回のアルバムのアートワークも素晴らしいが、そのジャケットで彼が手にしている額縁は、ここ最近のライヴで小道具として使われていたキャンバスや額装用のマットに繋がってハッとした。額縁によって切り取られている海、夕日、自分の姿。世界が額縁によって絵になっていく。音楽と言うものも、作り手により切り取られた世界なのだと思う。ちなみにこの額縁、以前twitterでも話題になったので備忘録としてリンク張っときます。個人的にはジョニ・ミッチェルが連想されました。
・2015年03月23日 - Twilog
『The Endless Summer』のアートディレクションは木村豊。長年高橋さんと組んでいる方ですが、考えてみればレコード会社を移籍したり離れたりするとそのまま関係も終わるデザインチームは少なくない。間を置きつつも今でもコラボレーションが続いているのは、お互いがつくるものへの敬意と愛情、そして何より「組んだらいいものが出来る」と言う確信があるのだろう。そうそう、今春のMdNでとりあげられた『ベッドタウン』の記事もとても面白かった。今とりあげたと言う点からしても、長く印象に残る仕事だったのだなと思います。
・MdN『木村豊[Central67]の名盤設計図』
個人的には先述の「Night & Day, Day & Night」もそうだったけど、今回は「犬と老人」にもSFを感じた。歌詞から連想されることも多いけど、とても高いところから、それこそ地球のとある風景を見降ろす視線、それは神の視点とも言えるけど、そこ迄格式張ったものでもない。藤子・F・不二雄の描く土管のある空き地をふと思い出した。昔はあったかもしれない、今はどこにあるのだろう? 創り手と聴き手の心が交信するかのような、実在しない思い出。ふわふわした気分で会場をあとにしました。
-----
セットリスト(高橋さんのツイートより:1、2)
01. 5分前のダンス 02. ドライブ 03. The Orchestra 04. 微熱 05. サマーピープル 06. 赤いカーテン 07. Night & Day, Day & Night 08. シグナル 09. 怒りを込めて 10. チャイナ・カフェ 11. ブラックバード 12. ハリケーン・ビューティ 13. 大統領夫人と棺 14. 真っ赤な車 15. 夜明けのフリーウェイ 16. バタフライ・ナイト encore 17. ユニバース 18. 犬と老人
-----
|
|