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2015年06月27日(土)
シティボーイズファイナル Part.1『燃えるゴミ』

シティボーイズファイナル Part.1『燃えるゴミ』@東京グローブ座

ううう、とっても楽しくて沢山笑ったけどとってもさびしくて沢山べそかいた。ファイナルだけどPart.1、でもPart.1って何よ? しかしこういうところが彼ららしいのかもなあ。笑いの奥には窟のような得体の知れない暗さ。笑いなしでは生きていけない人間の不可解さ。タイトルを初めて聞いたとき、連想したのは燃えるゴミ=人間だろうと言うことだ。今に始まったことではないが、そのステージには死の色が濃い。そしてその死には笑いが欠かせない。作・演出は前田司郎。

客演なしの、剥き身の三人きりの舞台。複数のコントで構成するかと思いきや全てが地続きで、シチュエーションも変わらない。ゴミ屋敷の前でゴドー待ち宜しく時間を潰す三人、各々の虚構の思い出が再現され、再現が現実へと繋がる。シュールと言うにはリアルな質感。演者もどこからどこ迄が演技か判らない。長い長い時間を共に過ごし、芝居を、コントを続けてきた、出会って40年以上経つ三人の、今の姿。

とまあいろいろ考えつつも、実際はヒーヒー笑った100分でしたよ。と言うか、なんでしょ、歳はとるものだし、身体は弱るものだし、失うものは多いし、だからと言って新たに得るものも多い訳です。鬼のような転換や衣装替えを必死こいてこなし、息があがり、台詞を飛ばし、あたふたする。これがむちゃくちゃ楽しい。身をもってそれを見せてくれる三人はとても格好よく、とても素敵で、だからこっちも必死こいて観るし、あたふたする三人にハラハラする。もうモナリザとどろだんごを普通の目では見られませんね…蜷川演出のファンとしてはいろいろ言いたいこともあり、しかし「○○の考える蜷川演出」は無限にあると言うことにも納得出来、よってやっぱ蜷川さんてスゲーよなーなんて思ったりもし。

オープニング映像に「音楽:大竹涼太」(やー格好よかったわあ。音楽が格好いいのはシティボーイズライヴの使命、プレッシャーも大きかったでしょうね)とクレジット、エンディング映像に流れた若き日の三人の姿。Part.1とは言えどファイナルの空気は濃厚で、やっぱりとてもさびしくなった。カーテンコールでのまことの常套句「またここでお会いしたい!」はないだろうなと覚悟もし、実際その通りだった。でも、まことは新しい言葉を口にした。

「演劇だかお笑いだか、どっちか判らないような道を歩んできたので、どちらの評論家からも批評されなかった。お客さんからの声だけが評価だった」「助成金も貰わず、だからこそ好きなことを自由にやれた」。観客への感謝を何度も口にして、最初は照れくさかったけどだんだん不安になってくる。そんなに言わないでくれよ、これでは本当のさよならになってしまう。やめてよー! ……そこへさらりと「じゃあ、また」。今回劇中であった台詞だ。暗転、ほろりときた。窪田晴男がよく使っていた言葉を思い出す。

「そんじゃまた、そのうち会おう。出来れば、絶対に」。

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・それにしてもこの回のしげるには笑いの神が降りていた……WOWOWのカメラ入ってて、マチネメインのソワレで補充って感じのようですが、大詰めだけはソワレ使ってもらいたいわ。あれは狙って出来ることじゃないよ!

・その前にも台詞を飛ばしまくったしげる、まことは「そんなに飛ばすか…」と崩折れきたろうはニコニコしていた。カーテンコールで今日の出来はどうでしたかと振られた前田さん、「まあまあですね」。完璧に出来た回ってあるんだろうか。そこがいい! それがいい!

・久々のグローブ座だったんで帰りはでりかおんどるへ。やっぱ旨い…おいしいごはんを食べてシティボーイズについて語り合って胸もいっぱい腹もいっぱい