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2014年01月30日(木)
『鈴木勝秀(suzukatz.)-140130/ノーホエア・ウーマン』

『鈴木勝秀(suzukatz.)-140130/ノーホエア・ウーマン』@SARAVAH Tokyo

本日もジェイミーを観にオーチャード…ではなく、向かいのサラヴァ東京へ。数百メートル先でジェイミーが今演奏してるのね〜と思い乍らスズカツさんの作品を観に地下へ降りる、何この贅沢と言うか倒錯と言うか。や、しかし被らなくてよかった……。

配役は息子(ヤマモトマサオ)=菅原永二、サトコ(ミヤザキサトコ)=中村中、友人(トミタケンジ)=中山祐一朗、父(ヤマモトマサトシ)=石橋祐。そしてクレジットはなかったけど照明=倉本泰史、音響=鈴木勝秀かな?テキストはこちらからダウンロード出来ます

スズカツさんてんこもり、スズカツさんの宝石箱やーてなつめあわせ。毎回想像力に対する負荷が高い…うーん、負荷って言うと何か違うな。いや、負荷でもいいのか?加圧トレーニングみたいなものと思えばいいのか?長年(それなりに長年だよなあ……)観ていると、あ、このモチーフが出たらこう、この流れで来るとこうか?と網の目を読んでいく作業が楽しくなってきます。書き手が選ぶその分かれ道はどちらか。同じ道を選んだとしても表現の違いがあるか。対話をしている人物によってそれらはどう解釈されるか。それを受け手はどう見るか。

使われている言葉の出典を頭のなかから引っぱり出していく。出典と言うのは過去のスズカツさんの作品でもいいし、そのもととなったテキストでもいい。こういうことが数分、数秒毎に起こる。その刃物はおもちゃか本物か?これは雨音かホワイトノイズか?不毛にすら感じるおしゃべりの後に続くのは犬の物語か?音楽のフレーズは有限だと言うけれど、その前後の展開によって全く違う景色が見えてくる。選ぶ楽器、声質によっても印象は変わる。増してや全く同じプレイヤーはいない。そんなことを思い乍ら記憶を辿ったり検証したり。気付くと木ばかり見て森を見なくなっているので(…)慌てて俯瞰を意識する。

行ったり来たりを繰り返しているうちに、ストーリーがある方向に進みだす。ストレンジャーについていく。そして不在の人物について考える。登場人物たちが話せば話す程、不在の存在は色濃いものになっていく。今作の場合はヤマモトさんちのおかあさんね。母さん、オフクロ、家内、あいつ、奥さま、婦長……彼女の名前は出て来ただろうか?(あとでテキストで確認しよう)実は彼女こそがストレンジャーで、訪問者は彼女の情報のパッセンジャーだったのではないか、などと思う。

個人的にはおのれを振り返りすぎて首がぐるぐる回りましたよね(696)。助けてーーー!!!とピーター@動物園物語のように叫びだしたくもなりました。人生いろいろ。まあひとつ書いとくと私はおかーさんがおとーさんに宛てて病院から送ったハガキ束を実家から持ち出してきてますよ……。以下おぼえがき。

・中村さんベンジャミンバニーシニアみたいだった
・菅原さんと石橋さんがピーターラビットとベンジャミンバニージュニアな
・このたとえ、誰が判るのか
・上にねこの乗っかったざるに閉じ込められて出られなくなってるピーターとジュニアをシニアが助け出しに来るんですよ
・うさぎのくせにねこを追っ払うのな…むちで……強い………
・で、二匹のおしりをむちでひっぱたいておしおきですよ
・とまあこんなことを考える気の狂ったひとの感想なのでそっとしといてください
・こんな自分がいやになる@マリリンマンソン

・菅原さんの着てたシャツかわいい。あれどこのかすごい気になる
・中村さんの真っ赤なニットもかわいかったなー
・こうやって見ると?菅原さんと中村さんきょうだいみたいね
・中山さんがだんだん職場のひとに似てきている
・石橋さん、このシリーズでは客席でよくお見掛けしていましたが今回は出演者
・それにしても皆さんいい声。ほれぼれ
・中村さんの声がまたな!鎮静効果があるような
・なんだ、あんかっぽい……(また変なたとえを)

・玄関チャイムを鳴らす音等を拍手で表現していたの、面白かったなあ。中村さんの所作がまた美しくて
・途中中村さんがテキストを見失うと言うハプニング。ホンは製本されていない紙の束なのですが、ノンブル通りに重なっていなかったか何かでしばらく該当ページを探し、中断。その仕草がとても自然だったので最初は普通に「間」だと思っていた
・で、その中断も別に止めますとかそういうことは言わないで、皆静かに待ってる感じ
・どう再開するのかな…と思っていたら、石橋さんがその直前の台詞をリピート。このタイミングがとてもよかった
・事故が起こったら石橋さんについていこうと思いました(『ゼロ・グラビティ』におけるコワルスキー・笑)

・退室しているのか判らないおとーさん。どのくらい離れた部屋にいるのか、会話が聴こえない距離だからと家の広さ(間取り)を考える
・駅から遠い家
・ミヤザキさんがお買い物に行く時の画ヅラ。坂道、足元、ふくらはぎ
・天気
・サイン波

・メモ:クリス・コーネルのインタヴュー、“twice as bright but half as long”が意味するところ