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2014年01月26日(日)
『一郎ちゃんがいく。』

『一郎ちゃんがいく。』@青山円形劇場

明治時代のお芝居が続きました。英国留学団のリーダーに選ばれるべく、“日本一の天才”の座を争う男四人!試合ならぬ試験会場は国技館!金儲けの大好きな日本男児・浅井一郎ちゃんは日本一の座を射止めることが出来るか!?

なんだかんだで初見です。今回の再演って、牧野エミさんのことも関係しているのかなあと思いつつ、クローズへとカウントダウンしているのかしていないのか判断つきかねる青山円形劇場へ。クローズしないでください!(念)

争う四人の男たち。キャラクターがくっきりしててバランスよく、それを演じる役者さんの魅力をも堪能出来る。升さんは当て書きなので(いやあホントいい男)納得するけど、他の三人…稀人(粟根まこと)、華族意識高い男爵くん(平野良)、宮さま(土屋裕一)の馴染みっぷりがまた素晴らしくてですね。各々の個人技が光る!特に粟根さんな…どっからどこ迄アドリブなの……泣く子も黙るひとり上手っぷりです。ひとり柔道とか素晴らしかったよ!見える、相手が見えるわ!かと思えば絶叫し乍ら劇場外に出て行く、その声がぐるりと移動していく…ホントに円形外周を走っている。円形ならではの演出?ですヨ!ゼエゼエ言ってた。大丈夫ですか……。あとひとり電話で「今、代々木です。乗馬倶楽部の前です…間に合ってよかった〜」。誰よ…今日来るお友達とかかねえとフツーに笑ってたんですが、カーテンコールでこの電話の相手が土屋さんだったことが判明。寝坊したそうです(笑)間に合ってよかったね!!!

抱腹絶倒の舞台。ラストシーン、暗転しきる前に拍手が湧いた。じてキンの『ソープオペラ』を思い出した。大団円!もう待てない!って観客の思いが形になったようでした。升さんのお嬢さんとエミさんの姪っ子さんが出演していることも、この作品が長く長く愛されているのだなあと思わせられた。しかも升さんの方は父子役なのね…「全く誰に似たんや!」「お父ちゃんや!」なんてやりとりも微笑ましい。てか升ノゾミさん、すごくいいですね!小劇場界隈における「女優が演じる少年」の愛嬌が、「ああ、これこれ!」と懐かしくもありました。声もいい。

売名行為には間に合わなかったので、升さんとエミさんを観たのはMOTHERからでした(と言うか『現代用語の基礎体力』『ムイミダス』から知った)。カーテンコールでものっそ何か言いたそうな顔をしていた升さん。こういう楽しいお芝居だもの、しんみりさせてはいけないな、と思っていたのかも知れないなと言うのは邪推でしょうか。

そうそう、いぬの鳴き声が真後ろのスピーカーからいきなり聴こえてきたので本気でヒッとなって振り返ってしまった。あ〜こういうサラウンド音響も円形なら!なくならないでください!(再)