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2013年06月02日(日) ■ |
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『大友良英 サウンドトラックス』 |
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『大友良英 サウンドトラックス』@Shinjuku PIT INN
盛況でございますー。入場前ちょっと入り口の扉が開いたとき「潮騒のメモリー」が女声ヴォーカルで聴こえてきてどよめきが起こる。キョンキョンの声じゃなかったと思うけど誰だ!?アンコールで判明します。この日のメンバーは、G:大友良英、Tp:佐藤秀徳、Tb:今込治、Acc:大口俊輔、Key、Har、Cl:近藤達郎、Pf:江藤直子、B:かわいしのぶ、Drs:芳垣安洋。
『あまちゃん』サントラ中心のライヴ、と告知されていたためか、普段とちょっと違う雰囲気です。メンバーが入場してきたら黄色い声がとび、大友さんが芳垣さんと顔を見合わせる(笑)早速一曲目に「あまちゃん オープニングテーマ」。「キャーーー!!!」ジャンプして踊りだすお嬢さん、フロアがあっと言う間にノリノリです。演奏終わるとキャーとかヒューヒューとか、「よしひでー!」とか声が飛ぶ。大友さん「なんか…ピットインとは思えない……」「いつもと違う……」。その後はなんて言うか、大友さんのそういう反応を面白がって、敢えての声がポンポン飛んでました(笑)。2ndセットも歓声で迎えられた大友さん、「よしひでって呼んでいいのは両親だけ!」「よっちゃんって呼んでいいのはおばあちゃんだけ!」なんて応えてた(笑)。
『あまちゃん』サントラ中心、大友さんのツイートによると全18曲。ここで告白するとわたくし『あまちゃん』を九割方観ていません。土曜に家にいたら観るくらい…あのーいちばん悪い例ですが、twitterでの実況TL読んだ時点でもう観た気になっているアレですよ。あらすじに加えあまちゃんファンの方々の愛溢れる解釈やらツッコミ込みで読めちゃうので、それを楽しく辿ってあーあまちゃん面白かった(んだね)!とそのまま日々が過ぎていく…あかんわー。でもまあいいや(いいのか)。
と言う訳で大友さんはサントラ仕事いっぱいしてるんですが、ご本人の普段の活動同様それらはギターソロからビッグバンド迄編成も参加メンバーも多種多様。レコーディングメンバーが全員揃い、完全再現の演奏をすることはなかなかありません(人数多い+ジャズのひとだと毎日のようにどっかに演奏しに行ってるのでスケジュールを合わせるのが難しい)。なのでサントラのライヴ、となると「どんな編成であの楽曲を演奏するのかな?」と言う点も楽しみのひとつになります。今回のTp、Tb、Cl三管のアンサンブル、すごくよかった!かわいい!当然ソロはおまかせで、二度と聴けないインプロ的な展開も多くとても楽しかったです。
明け方迄この日用の譜面起こし(アレンジあるしね)をしていたと言う大友さん、憶えのない注意書きを見つけて狼狽えていたのも面白かった。「“予感”て書いてあるけどこれ何だ?…まあいいや、予感って感じでやってくださーい」だって(笑)。そうそうアレンジと言えば、宮沢賢治の「星めぐりの歌」がすごくよかったなあ。チェリストだった賢治が書いた曲、と言われてもピンとこなかったんだけど、演奏が始まって即気付く、これ細野晴臣の『銀河鉄道の夜』にも入ってた!賢治の作曲だったんだー。「当時の作曲手法がこうだったのか、賢治自身の感性によるものか判らないけど、譜割がすごく変わってるの。現代用に書き換えました」とのこと。
「昨日渋さ知らズが『あまちゃん オープニングテーマ』やったんだって?」と大友さん。三回も!とフロアから声がかかりまたもや芳垣さんと顔を見合わせる。「渋さの曲ってことになったりして」「そのうち『音楽:渋さ知らズ』ってテロップになるんじゃない?」なんて言って自分たちでウケていた。しかしやりよるな渋さ(笑)。曲間におおともっちの楽しいトーク+楽曲解説。『あまちゃん』関連は撮影裏話も聞けました。オフレコの話もかなりあり…書いていいかなってとこだけ以下おぼえがき。
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・『あまちゃん』以外にやったのは「胡桃の部屋」「その街のこども」「blue」「スタントウーマン」 ・一曲入魂「blue」が素晴らしかったよ!感涙!カーヴを曲がるとぱあっと光る海が眼前に拡がるかのような! ・芳垣さんのドラムで瞬時に表情が変わるなあ、急にテンポ上げたりするときの ・「胡桃の部屋」は大友さん曰く「ダメなお父さんと背の高い娘の話」。今回ガムラン楽器はないのでアレンジ変えて ・『あまちゃん』のチーフ演出家は『クライマーズ・ハイ』のときの演出家、井上さん(『ハゲタカ』もやってましたね)。アツいひとで、「イメージが湧くと思うので御巣鷹山にのぼりましょう!」と言われのぼりに行った。へとへとになり一週間筋肉痛 ・その井上さんと『その街のこども』をやることになって、東日本大震災もまだ起こってない頃で、ものすごくいろんなことを話し合った ・「その街のこども」はインストヴァージョン。阿部芙蓉美さんが唄っていたヴォーカルパートはTbで。今込さんのTbは表情豊かで物語るような音色でした。ほろり ・「スタントウーマン」でサモ・ハン・キンポーとカンフー映画への熱い思いを語るおおともっち。「夢が叶った!でも(以下この映画の末路を語る。悲哀)」
・今日『あまちゃん』中心って知らないでインプロ聴きにきたお客さんいたら面食らうよね ・自分でも訳わからなくなる。インプロのツアーでヨーロッパから帰ってきたばかりだし、何がなんだか……分裂してる感じ
・脚本クドカン、音楽大友で朝ドラを、と言うのは二年前に決まっていた。そう震災の年 ・去年の八月『プロジェクトFUKUSHIMA!』後、取材で久慈市に。八月末なのにもう寒い ・海女さんがウニ獲ってくれて、その場で喰えるの!それがもううまくてうまくて…15個も食べちゃった ・その後オンエア見て、「1個500円」って……ななせんごひゃくえん……
・スナックがすごく多い。居酒屋がない。夜に呑みに行くってなったらスナックしかない。生まれて初めてスナック行きました ・人口一人当たりのスナック数全国一ではないかと ・ママさんがいて、俺(今年54歳になる)よりはまあ下かなってくらいのママさんなんだけどいくつ?って聞いたら27歳って(爆笑) ・で、旦那さんは?って聞くと遠洋漁業とか出稼ぎに行ってて、一年のうち一ヶ月くらいしか帰ってこないって ・離婚率全国一ってのは本当 ・独特な過疎の雰囲気と言うか、クドカンさんが選んだだけあるなあと思わせられる土地でした ・でもねなんか通りに若いイマドキの格好したひとがいるの。東京とそんなに変わらないじゃんと思ってよく見たら美術さんだった。NHKのドラマスタッフがロケハンでたっくさん来てたの(笑) ・すっかり有名になっちゃったんで観光客が増えて、撮影はまだ続いているのでちょっと困ってるらしい
・『あまちゃん』サントラは出る予定じゃなかった。あのねここのスタッフさんたちそういうところにとても潔癖なの ・でも評判いいんで出しましょうってことになって、急に選曲してくださいって言われて ・あのねtwitter見てると「南部ダイバー」入ってない!とか「潮騒のメモリー」入ってない!って怒ってるひといるけど、評判よかったらサントラの2とか3とか出るかも知れないから、それに入るかも知れないから…… ・そもそも「南部ダイバー」は劇中歌だし。俺の曲じゃないし(笑) ・今回のサントラは、レコーディングに参加したメンバーが全員入るようにって観点から選曲しました ・ナスノミツルなんか岩手出身なのに入れられないところだったよ!
・『あまちゃん』ビッグバンドのライヴも何本か決まってるし、これからも増えるかも知れないけどホントわかんないの。PARCO劇場のも、劇場なんて一年前からおさえてたんでしょ〜って言われるけどホントに急遽決まったの ・浅草のやつもパルコも、なんかすごい応募来てて、5倍とか?(お客のひとりが「浅草のは一応募につきふたり迄だからもっと倍率高いです!」とか訴える)ええ〜すごいね〜 ・パルコは芳垣さんスケジュール合わず不参加(となるとDrsは小林さん、坂田さん、植村さん辺りか) ・でもまあお祭りみたいなものだから。来年の今頃は、ピットインで30人の客を相手に…(ブツブツ……) ・八月のプロジェクトFUKUSHIMA!でもやります。聴きたければ福島迄…線量東京の5倍だけどね(こういうところをさりげなくもしっかり言う辺り、大友さんらしい) ・あと名古屋でもやります(あいちトリエンナーレのことだと思われる)
・おおともっちの「じぇじぇじぇ」や「ちゃんとしないとダメなんだ!(ユイのまね)」も聞けました ・江藤さん見てるとユイちゃん思い出すの。「アレンジは時間がかかるんだ!」「〆切り守ってくれないと困るんだ!」って言われてるみたいで……(笑)
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で、アンコール「潮騒のメモリー」。「キョンキョンは来ません!で、作曲者に…」(ざわざわ)「初めてメロディを書いた…」(ざわざわ)「で、唄ってもいいってことで……」どよめくフロア。なあんとSachiko Mがヴォーカル!!!ハンドマイクを持って現われたSachikoさん、ビタミンカラーのイエローの衣裳!いやもうどよめきまくりです。大友さんも「ステージでは氷の女と言われているSachiko Mが!」なんて言ってて(笑)。手拍子が起こる!サビでSachikoさんがマイクをフロアに向ける!ま〜あめ〜いど〜♪の大合唱!カオス、カオスやで……。
いんやびっくりした…そもそもSachikoさんがメロディ書いたってことがサプライズですし。シンプルに説明するとSachikoさんてサインウェイヴの方なんですよ。オタマジャクシで再現出来ない音をちょークールに奏でるひとなんですよ。それが…しかもヴォーカル……。やんややんやで日曜日の夜は更けていきました。うはー面白かった。
セットリストはこちら。『JAZZ WORLD.INFO』
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