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2012年02月24日(金)
『GOTA'S 50th Birthday Party Back to Roots』

『GOTA'S 50th Birthday Party Back to Roots』@SHIBUYA-AX

屋敷豪太さん50歳のお祝いパーティ。しかし豪太さんがいちばん働いていた…(笑)3時間半のライヴ中2時間45分くらいは叩いてたのではないか。残りの時間もトークやったりギター弾いたり唄ったり、集った出演者へは終始明るい気配り。とてもいいパーティだったよーう。

レポートやセットリスト等はこちら。見出しは違うけど本文は同じですね。出た順に並べたけどおおもとの記事はどれだ。

・MUSICMAN-NET『最初期MUTE BEATも登場!伝説が蘇った夜、屋敷豪太 50th Birthday Party レポート』
・BARKS『屋敷豪太50th Birthday Partyは、もはやフェスティバル』
・Excite ArtistMall『【ライヴレポート】屋敷豪太50th Birthday Party -2012.02.24@SHIBUYA-AX』

そして茂一さんのダイアリー。しみじみ。
・桑原茂一 Diary『Diary-T 223 屋敷豪太の誕生日の夜』

と言う訳で個人的な感想や上記レポートに出ていないことを中心に書いていこうかと。

豪太さんの人柄からくるものでしょう、終始明るく楽しい場だったのですが、端々に真摯なミュージシャンシップが現れる内容でもありました。場の空気がガラッと変わったのはせいこうさんが加わっての「東京ブロンクス」(TINNIE PUNX!!!)、現役の怒りと厳しさに満ちていた。せいこうさんめちゃめちゃ格好よかった!その前後には司会進行としてちょこちょこ出てきて完ちゃんとの漫談(笑)とか見せてたひとがガラリと変わる。

そしてMUTE BEAT。件のせいこうさんと完ちゃんが「楽屋では普段雑談とかしてるのに、今日は皆モニターでライヴ観てる」「こだまさん楽屋でできあがってる」「モニター観て『いいねえ!』とか喜んでる」と話していて、笑い乍らもいや〜な予感がしていたが…こだまさんがね……本当にベロベロのヨレヨレでね………。4年前の再結成時も結構なアレで、これはこれで楽しかったんだけど、この日は……。

初っ端の出音のキレは素晴らしく、ドワッ!!!と場が沸いたんだけど、その後が本当にグッダグダだった。音が出ない、と言うか指が動かないのかな…音を動かせない様子なのだ。連符が続かない。KODAMA&GOTAの「WAY TO FREEDOM」では「無理。出来ない」と手を振ってとうとう演奏を諦めてしまった。ところがそこで豪太さんはバッキングを止めなかった。無理とジェスチャーを続けるこだまさんに首を振り、マイクを通して「やって」と言った。こだまさんはぐずぐずした様子を見せて演奏に戻ったが、それでも入るべきパートに入ってこないので、豪太さんと朝本さん、松永さんがアイコンタクトをしつつリフを延長。しかしこういうときコードを扱う朝本さんがやはり不利で、どうすんのここ展開させていいの、と迷ったのか、バッキングがバラバラになってしまった。このときのフロアにはもう「が、がんばれ……」みたいな異様な緊張感が……。友情しごき教室ならぬこだましごき教室のようであった(友情しごき教室を知ってるひとにしか通じないシャレ)。

流石にこだまさんはしょんぼりして(いたように見えたけど、酔ってて訳わかんなくなってたのかもしれない・苦笑)、豪太さんに「こだまさんなんか喋る?」と振られても首を振る。最後の挨拶でもすみっこで所在なげだった。こちらもしょんぼりしたよ。

それにしてもどうしちゃったんだろう。杖もついていたし…酒さえ呑まなければちゃんと演奏出来るのかな?それともどこか悪いのかな……。酒が原因なら呑み始める前に演奏させちゃえばいいんだろうけど、プログラム的にそうもいかないでしょう。もうあの音は聴けないのだろうか。残念やらつらいやらせつないやら。どこか悪いならなんとかいい方向に向かえばいいのだけど。

そんなこんなでちょっと妙な空気になってしまったところ、「最後の曲はどうしてもこれをやりたいってこだまさんに頼みました」と豪太さん。演奏されたのは「キエフの空」だった。スクリーンには『LOVER'S ROCK』のジャケット。そう、スリーマイル原発の写真が使われたあのアートワークだ。楽しく終わってもよかったのに、和気藹々のパーティでもよかったのに、豪太さんは最後にこの曲を選んだ。50歳、人生はまだまだ続く。自分たちの世代が、そしてこの日共演したOpen Reel EnsembleやOKAMOTO'S、最後に花束を持って出てきた姪っ子さんたち若い世代が生きていくこれから。それを見過ごすことはしない。演奏したいと思った理由は一切話さなかったけれど、そんな思いを感じました。最高に格好よかったです。

その他おぼえがき。

・つーか豪太さんホンット若々しいな!髪こそシルバーグレイになったものの細身でシュッとしてて!素敵!
・てか何より演奏が素晴らしかったよ…転換時もソロ叩いたり、タイプの違うバンドのバックで、正確かつグルーヴィなドラムを叩き続けて。OKAMOTO'Sとのパワフルなツインドラムも楽々こなす
・豪太さんなつかしアルバムみたいなコーナーもあって楽しかったわー。まさに赤ちゃんから!
・そのコーナーのとき豪太さんほぼ素になってて「今日おかあちゃん来てるの!これはおかあちゃんが○歳のときで…」「これおとうちゃん!」「これは憶えてない!おかあちゃんに解説してもらいたい!(二階席を見やる)」とか言って微笑ましかった
・姪っ子ちゃんに花束もらったときも、「この子僕の姪、姪なの!妹のこども!」ととても嬉しそう。その姪っ子ちゃんにせいこうさんが「わあそうなの〜、挨拶する?」なんて言ってた。た、楽しい
・クリス・ペプラー、藤原ヒロシからのテキストメッセージ、ミック・ハックネルからの動画メッセージもありました。ミック、白いかわいいいぬを抱っこしてのコメント。その前に幼少時の豪太さんが白いいぬと一緒の写真が何枚も映ったのでせいこうさんが「白いいぬに縁があるんだね〜」なんて言ってた。適当(笑)

・完ちゃん最初ダブルのジャケットでお腹部分がパツパツ(笑)
ブラボーの衣裳がすごかったぞ、期待を裏切らないわー
・トシちゃんの空気読まなさは相変わらず素晴らしかったわーオモロいー
・「チカは来てないんだよ!」とか言ってた(笑)他にもやりたい放題
・しかし「Fly Me to the Moon」は流石絶品。楽屋ではこだまさんが「やっぱいいねートシちゃんの『Fly Me to the Moon』!」とゴキゲンだったそうですよ…
・田村玄一さんメトロ脱けてから初めて観ました……
・MUTE BEAT歴代ベース、松元さんと松永さんが一堂に会するなんて感無量
・みつわさんを観られたのも嬉しかった!
・と言えば岡野ハジメさんも久々に…いつ以来だ?カニベースではなくイカベースでしたよ

・あとはサプライズなのか?民生が出ました。「(ドラムなので)『発声練習しなくていいわー』って言ってた」って礼さんに言われてた(笑)終始ニヤニヤ、楽しそうに演奏してた
・思えば豪太さんの前でドラム演奏とか、すごい(笑)
・てかそのThe Renaissanceで、豪太さんが「僕と礼さんって、話す声は似てないんだけど歌う声質の相性はいいみたいで、いいハモりになるんですよー」と言ってたんだけどホントいいハモり!いい声!てか豪太さんは歌も素敵だよ…。「(松永さん以外)餅は餅屋じゃないひとばっかり」と礼さんが言っていたけど、いやいやすごくいいバンドだったわ

・Open Reel Ensemble、以前仕事がらみでリハを観たことがあってこれは面白い!と思ってて。やっとちゃんと観られたー!来月の『BOYCOTT RHYTHM MACHINE VERSUS LIVE 2012』でも観られるので楽しみ!
・OKAMOTO'Sはホント巧いな(笑)若いのに気持ち悪いくらい昔の音楽もよく知ってて、そして気持ち悪いくらい練習してる感じだ。しかしそれがライヴとなると破天荒なステージングで面白い

そしてあの出来事がなければ必ず来ていたであろう川勝さん。まだ信じられはしないけど、川勝さんが会場に来られなかったのなら、川勝さんのもとにこの音たちが届いているといいなと思った。