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2011年09月28日(水)
ロスト・クインテット+1

菊地成孔 3DAYS ロスト・クインテット+1@Shinjuku PIT INN

毎年恒例、菊地さんのピットイン3DAYS最終日はマイルス・デイヴィスの命日。ウチの姉の誕生日ってこともありよく憶えてますよ…と言う訳でロスト・クインテット+1名義です。ロスト・クインテットを知らんやつは勉強してこい!くらいのアジりようでしたのでそれなりに予習をしていきました(笑)。と言うか、自分のマイルス知識は窪田晴男と菊地成孔に因るところが大きいので、それを最大限にめん棒で伸ばしまくった、はあはあ。いやーそれにしてもマイルスの音源は死ぬ迄にどれだけ聴けるだろうか、気が遠くなるわね。

入場時に渡されたフライヤー類の中にはマイルスの訃報記事のコピー。こ、これ、私持ってる……当時みうらじゅんばりにやたらスクラップしてたんだよなあ(…)。ハードコアなマイルスファンらしきお客さんも多く、菊地さんが「あれなんだっけ?」等と呟くと即座に答えが返ってきていました。

アナウンスされていたメンバーは、菊地成孔(Sax)、坪口昌恭(Key)、大儀見元(Perc)、類家心平(Tp)、田中教順(Drs)、アリガス(B)。DCPRGミニ(渋さチビズっぽく)だねーなんて言ってたら、結局丈青(Key)、千住宗臣(Drs)も来てDCPRG−3になり、「これじゃ研太と高井と大村くんをハブッたみたいじゃねえか」だって(笑)。しーかーもー五十嵐一生(!)(Tp)が来た!おおおラッキー!!!

そんな訳でコンセプトは60年代末〜70年代のロスト・クインテット+エレクトリック期からの、ガッツリエレクトリックマイルスなセット。マイルストリビュート一辺倒かと思いきや、DCPRGの曲もやってくれました。並行して聴くと菊地さんがDCPRGでやってることのヴィジョンみたいなものがちょっとだけ見えてくる。ポリリズムからのアフロアメリカンサウンドだけでなく、マイルスがアンビエントに寄った時期とかの音を連想させるものもあり。この辺り、2ndセットで五十嵐さんが入ってからすんごい情緒的なものになってせつなくなる程の音でした。美しかったなあ。類家くんと五十嵐さんのかけあいを聴けたのも嬉しかった…いいもの観た。

いやあ五十嵐さん、これからも元気でいてくださいよ……。「珠也ー!」に大ウケ。

DCPRGに菊地さんのSaxが加わると言うのもわーいって感じだった。「ジャングル・クルーズ〜」とかすごく面白い展開だったよー。丈青と千住くんの参加は菊地さんの日記で数日前にアナウンスされていた(さっき読んだ)ようなのでリハはそれなりにやったのでしょうが、それでも探り合いみたいなところがあってスリリングでした。

あと「イケメンがビックリしてオロオロする顔を見ると興奮する」菊地さんの性癖がまた出てました。ターゲットにされた千住くん、「えっ!?」って声に出して狼狽していた、あれは確かに嗜好品。いい顔だわー(笑)。

MCも腹がよじれるものばかりだったのですが、web上には書けない感じです。でもあれだな、twitterやらなんやらでなんでもかんでも情報ダダもれな現在、クローズドな空間で行われているエキサイティングなことは沢山ある。現場でしか起こってないこと、現場でしか感じられないことってのはある。web見てるだけで全てを知った気になってはいけないな。そしてどうやっても現場にいられないときってのはあるもので、そんなときにどれだけ「知らない」ってことに対して素直になれるか、常に意識しておかないとなあ。自戒も込めて。