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2011年09月18日(日) ■ |
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『動かない蟻』 |
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シティボーイズミックス PRESENTS『動かない蟻』@世田谷パブリックシアター
いやーもう攻め続けますおじーちゃんたち、素晴らしい!素敵よ!ネタバレあります。
ここ数年は若手芸人さんを1〜2組絡める構成に落ち着いており、そのゲストが毎年変わることでコントの色も変わるし、おじーちゃんたちの体力配分的にもやりやすいのではないかと思っておりました。んが、ここに来て作・演出を初顔合わせの天久さんに依頼したのには驚きましたし、まことは文字通り身体を張っていたのにも驚いた…この歳で……アンケートに「太ってはいないけど面白い(身体)」って書かれたって憤っていた……素敵、素敵よ!(何度も言う)
カーテンコールのおしゃべりからすると、作・演出家を変えようって提案したのはきたろうさんのようでした。ちょ、自分で自分の首締めてる(笑)最高じゃないの…てかきたろうさんはこういうとこ担当ですよね。格好いいわ!素敵だわ!
で、絶対時事ネタは絡めてくると思っていましたが、いや〜こう来ましたか。下ネタ増えたのは天久さんカラーだと思います。これWOWOWでオンエア出来んのかな…と思ったんですが、数年前の原発ネタをしっかりオンエアしていたのでこれは問題ないとして、下ネタ的にモザイクかかるだろうな〜っという…そっちかよ!(笑)ちょっとここ迄意匠が具体的なのはシティボーイズでは珍しいんじゃないかと。
そんな訳で原発ネタがガッツリ下ネタと絡めてある一本があったんですが、これはちょっとあまりにもシモで惜しいな、と。シティボーイズならもっとスマートにやれたんじゃないか、こういうのをシティボーイズがやっても、と思うので。ここらへんは初顔合わせならではのぶつかりあいもあったのではないかなと思いました(憶測ですが)。実際台詞が全部入り、音ネタとして良々の歌もレコーディングしたのに全部ボツにしたってネタもあったそうです。勿体ないと言うことで、その良々の歌は客出し時に流されました。
しかし下ネタ以外の、全編に横たわる黒〜いモンドな世界はかなりよかった!耳削ぎゴッホとかね。削いだ耳をオルゴールに入れようとかね。自分の中身を冷蔵庫に保存しようとかね。このあたりは天久さんの頭にヴィジュアルから浮かんでいるんだろうなと言う感じ。そしてそのヴィジュアルには中村さんの身体が大いに貢献していました。脚が一本のこたつを傘代わりに、おそらくは放射線物質が多量に含まれているであろう風と雨の中を進む男。そう、モンド同様全編に影を落としているのは放射能に汚染されていく世界です。各コントに散見していたモチーフが最後に収束した瞬間の、視界が暗くなるような絶望が笑いに繋がる構成もよかったな…笑いにもいろいろあって、どうにもならんから笑うこともあるのですよ。笑いが全てを吹っ飛ばすことはない。でも笑うのだ。こういうときにこの問題をコントでバカバカしく表現せずにどうする。それを見せてくれたおじいちゃんたちは最高に格好いいぜ。
ゲストの良々とえみりちゃんよかったー。ふたりとも声がいいし、笑いの感覚が鋭い!良々は自慢の美脚も見せてくれたし、もう言うことないわ…網戸最高だったわ……。転換映像は例年にはないシンプルさでしたが、音楽(坂口修さん)がよかったので楽しめたなー。
まことの最後のひとことは「来年もまたお会い出来ればと思います」でした。お会いしたい!また来年、絶対ね!
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