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2011年04月23日(土)
KYLIE MINOGUE『APHRODITE TOUR 2011』

KYLIE MINOGUE『APHRODITE TOUR 2011』@幕張メッセ イベントホール

大丈夫かな、来日出来るのかな、と日々過ごしていて、クリマンから正式に大丈夫、来る!ってアナウンスあったよーと聴いたとき、嬉しく思ったと同時にどうか無事全行程を終えて無事帰国出来ますように、と思いました。無事やってきて、無事帰る。あたりまえのことだけど、今はそうではありません。

この頼りない地盤の上で過ごす、と言うことが地震知らずの国のひとにとってどれだけ恐怖か。加えて原発のこともある。見えないものだけに警戒心が働くのはあたりまえ。実際この日、カイリーと一緒に来日出演する筈だったアノラークはキャンセルになった。本人の意向かは判らないけど周囲が止めてもおかしくないし、まあ仕方ないよね…残念。

そんな中こうやって来日して、プロフェッショナルな仕事を見せてくれるひとたちのことは本当に尊敬するし、こちらも勇気づけられる。

そーなのよカイリーちゃんバリバリどプロフェッショナルでしたわ。あの凛とした美しさ!舌ったらずの魅力的な声!そんでその華奢な体躯で魅せる身のこなし、その声と確かな歌唱力で奏でられる歌。ぎゃー、ぎゃわゆい!美しい!アフロディーテなんて大層なツアータイトル、カイリーならオッケー!カイリーだからこそオッケー!

しかもあれなのよ絶妙な隙があるの。その隙がまたキュートさを増幅させるんですYo!なんだろ包容力膨満感だとおかーさーん!になってしまうし、凛々しさが全面に出ているとちょ、格好いいけどこわい、になるし、ロリロリバービーを意識しまくると大人の女性が何若ぶってんのよキモーい、になっちゃうんだけど、カイリーはそのどれもが適度。若作りと若々しさは異質なのです。カイリーは溌剌とした大人の女性。大人の女性の優しさ、大人の女性の強さ、大人の女性のかわいさ。そのどれもを兼ね備え、なおかつそのブレンドが絶妙!素晴らしい…なんだこのバランス感覚。自分の魅力を解っていて、それを過信も過小評価もせず、しっかり表現し伝える。それが人間味に溢れていて、心打たれる。そして品のある陽性。ゲイカルチャーとディスコミュージックへの敬意と忠誠心とも言える寄り添いにも感動。こういうのって生きざまから滲み出るものだから、一朝一夕で完成するものではないし、装って出来るものでもない。不遇の時代もありそれを乗り越えたひとの強さと明るさがありました。

いんやそれにしても素晴らしかった、歌……。歌とピアノのみで奏でられ、フロアを敬虔な静寂、それに続く割れんばかりの拍手へと導いたプリファブスプラウト「If You Don't Love Me」カヴァーには涙が出た。

ステージ装置は『Aphrodite Les Folies 2011 Tour』の縮小セットっぽく、なおかつ節電も多少意識したのかも知れないものだったけど、そのシンプルさはカイリーの歌とダンス、フロアとのやりとりと言ったステージングを音楽と人間の力として感じさせるのにひと役買っていた。そこに立っているのは他の誰にも替えられない、唯一無二のカイリー・ミノーグ。日本では、日本でしか観られないものが観られるのだ。

やー、ミッキーマウスじゃないけど、カイリーは世界でだたひとりですよ…そのただひとりが今、日本にいるんですよ…単純なことだけどすごく感動した。とても華奢、ちっちゃい。あの細い身体のどこにあんな強さが?とてもしなやかな美しさ。

女神を迎えるフロアも笑顔笑顔。入場したときから熱気がすごかった。こんなときに来てくれたし、盛り上げなきゃ!いやそうでなくともライヴは20年振り、盛り上がるし!と言った高揚感と緊張感。ドラァグもマッチョも、姐さん方は気合い充分。精一杯おめかしして、ティアラ着けて、手作りのうちわを持って(このアリーナにいた集団すごくキュートだった!五人組で、それぞれ片面「K」「Y」「L」「I」「E」、もう片面は「I」「♡」「Y」「O」「U」ってうちわを掲げて踊りっぱなし。当方スタンドだったので個人の顔やいでたちは判りませんでしたが、動きがとにかくかわいらしかった)。ノンケも負けられないわ(笑)。存分に楽しむよ!来日してくれた感謝の気持ちを返すよ!と全員が思っていたかは判らないけど、そう感じさせる雰囲気に溢れていた。オープニングから数曲唄ったカイリーが、フロアを見渡して「KA WA I I !!!」と言ってくれて嬉しかったなー。いやいやその言葉そっくり返しますよ…カイリーとてもキュートでした。素敵。

オーラスの「All The Lovers」、暗転から浮かび上がるラヴァーズダンサーとカイリー。単色の美しい照明と金色のグリッター。大団円、そしてエンディング。涙で視界がぼやける。夢のような光景。「アイシテル、ニッポン!」カイリーはそう言ってステージをあとにした。

いやー骨抜きにされたあげく喝を入れられた感じです。私負けないわ、前を向くわ。ラヴ&ピースを有難う、カイリー!

セットリストはこちら→・setlist.fm『Kylie Minogue Concert at Makuhari Events Hall, Chiba, Japan Setlist on April 23, 2011』

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・よだん
開演前のアナウンスが印象的でした。震度について具体的な数字を出し、3〜4程度なら続行、5なら中止。耐震構造のホールなので無闇に外に飛び出さないようにとパニックに予防線を張り、中での待機を勧める。そして係員が誘導しますと落ち着かせる。実際に起こってほしくないことだけど、こうやってしっかり説明があると心強いし心構えが出来る。頻繁に余震があるのでなんとなく体感で震度が判るようになってきたしね。
しかし正味な話、震度3〜4くらいだと気付かなかったと思う…踊りくるっておったのでな……。最近では家の中でも立ってたら3くらいでは気付かなかったりするし、外を歩いてたら4でもわかんなかったりするよ。これはこれで問題かも知れないのう。しかしまあこちらがいくら怖がってもあっちはおかまいなしだろうから、この際慣れた方がいいのだろう