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2011年03月20日(日) ■ |
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『I love Poo』 |
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『I love Poo / 菊地雅章ベネフィットコンサート』@Shinjuku PIT INN
11日以降いちばん聴いた音楽は「A〜C〜♪」、好きなどうぶつはさよなライオンです。さよなライオンは長いヴァージョンじゃないとアップにならないんだよね…長いのに当たると嬉しい。そして15秒と30秒とでは曲のBPMがびみょ〜うに違うので、最初の数音でどっちのヴァージョンか判るようになってしまった。しかし!1分ヴァージョンはまだ観たことがない!ただいマンボウとかのパートもあるやつ!観たい!(中毒)そして「こだまでしょうか、いいえ、誰でも」のナレーションはUAだと知る。ああ、言われてみれば!
ACに苦情の電話を入れる暇なひとは「こだまでしょうか、いいえ、誰でも」を心に刻んでNHKを観ればいいじゃない(マリー・アントワネット)。
閑話休題。あの日以来、芝居は二本あったけどライヴに行くのは初めてです。
闘病中である菊地雅章さんのベネフィットコンサート。ところがご本人から「これで集まった金を東北にまわせ」と申し出があったとのことで、発起人のひとりである本田珠也さん困惑気味(苦笑)。えーと、どうしよう。どちらにもまわるといいのですが、それは主催者にお任せしようと思います。
しかし珠也さん私服だとなんだか気のいい兄ちゃんだったわ…NKDSでの盛装オールバックでバリバリドラムを叩く姿しか知らなかったので、最初出て来たとき誰かわからんかった……。その強面な珠也さんがちょっとしょんぼりした様子でご挨拶。開場前に余震もあったそうで(全然気付かない自分鈍過ぎる)、ちょっと重い雰囲気で開演。しかし続いた演奏は素晴らしかった!昼の部のみ観ました。
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■吉田達也・菊地雅晃 インプロセッション
メンバーは吉田達也(Drs)、菊地雅晃(B、Electronics)、坪口昌恭(Org etc)、藤原大輔(Ts)、松村拓海(Fl、B-Fl)。雅晃さんは雅章さんの甥っ子さんです。菊地成孔クインテットライヴダブのメンバーでしたね。BOOM BOOM SATELLITESの初期アルバムにも参加されています。
インプロで1曲45分セット。雅晃さんから音出し、続いて吉田さんの軽やかで静かなドラムが滑り出す。吉田さんのインプロスキャットも聴けた。あ、有難い。B-Flの実物初めて見たし、音も初めて聴いた。演奏者に笑顔が見え、フロアにもそれが伝染してくる。緊張と弛緩が交互に現れ、フロアの不安な空気がだんだんほぐれてきたように感じました。
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■DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN
一ヶ月前「前日富山でのライヴがあるので、翌朝新幹線で帰ってきます」と言っていた。各路線の運行が不安定なのでどうなるかなと思っていたら、どうやら飛行機で帰ってきたらしい、「羽田から」と言っていたので。その富山のイヴェントについて成孔さんが吠えてるのでリンクを張る。いやーこういうこと書かせると最高に面白いですね菊地さんは。不謹慎を許せない不寛容な方は読まない方がよろしいですよ。鈴木くんいいやつ。いいライヴだったようでよかったです。
さて演奏の前に成孔さんからご挨拶。これこのひと独特な毒と笑い込みなので、本人の声色とか表情なしの文字だけで読むと誤解を呼びそうなので、大丈夫そうなところだけ箇条書きします。フロアはリラックスし、ちょっと明るい雰囲気になりました。
・菊地雅章さんとは3回程共演したくらい、なのでPooさんと呼ぶなんておこがましい。なので以後菊地雅章さんと呼ばせて頂きます(と言いつつ何度かPooさんて言ってしまい自分でも笑ってた) ・ひとつだけ文句がある、今日のタイトル、『I love Poo』じゃなくて『We love Poo』だろう!でも珠也もテンパってたんだよね、解る! ・今日と富山公演のGはTAKUYAさん。大村くんに他のライヴが入っていたので再び代打をお願いしたら、大村くんの方のライヴはこの度中止になった(苦笑) ・名盤『SUSTO』について。これはスペイン語で「恐怖」を意味する、じわじわくると言ったものではなく、英語で言えば「PANIC」のニュアンスに近い、そんなタイトルをジャズのアルバムに付ける菊地雅章さんって! ・菊地雅章さんに関しての強烈な思い出は、私の記憶が確かならば1983年、中野サンプラザでの来日公演。『SUSTO』に収録されている「Circle/Line」をやった、先週声かけて集めたってな感じの演奏メンバーはこれを完奏出来なかった(難しいから)。4分くらいで止まってしまった。菊地雅章さんは最初の30秒は演奏したが、あとはずっと怒っていた ・後にDCPRGを結成するとき、「Circle/Line」を完コピするバンドを作るんだ、と坪口昌恭らに声をかけた。忘れもしないON AIR EASTで完奏したときは、完奏したと言うそれだけでメンバーがハイタッチしてしまう程だった。今では寝てても演奏出来ます。嘘です ・今日の演奏は、『SUSTO』に収録されている「New Native」のベースラインを拝借した、今で言うマッシュアップですねの「Playmate at Hanoi」と「Circle/Line」。DCPRGでは「Circle/Line」の後に僭越乍ら私の曲「Hardcore Peace」が続きます、熱狂的な菊地雅章さんファンには申し訳ない。「Playmate at Hanoi」と「Circle/Line」は菊地雅章さんの快復を、「Hardcore Peace」は被災地の復興を願って演奏します。安寧なピース等ありません、ピースはハードコアなものです
と言う訳で45分セットのDCPRG、レア。メンバー全員ピットインのステージにのりきったのにも驚いた。しかし両端はギリギリ。自分がいた位置からTAKUYAくんは見えませんでした。そのTAKUYAくん、坪口さんがソロのところでちょっとフロアにレスポンスを求めたんだけど、やはり客が堅くなっていたのか鈍かったんですね。そしたら坪口さんの隣にすっと出て来てフロアを煽り始めたのです。これで我に返ったひと、多いと思う。自分がそうでした。そうだ、今は音楽を楽しんでもいい!
丈青のソロで「丈青!」と声が飛ぶ。それを聴いた成孔さんと研太さんが顔を見合わせて笑う。大儀見さんが、千住くんが笑顔でブイブイ音をまわす。「Circle/Line」の高井くんのソロすごくよかった。満杯のフロアで身体を揺らす、となりのひととぶつかる。歓声があがる。たった10日しか経っていないのに、音楽を聴いたのはとてもとても前のことだったように感じた。
最後に成孔さんは「皆さん玉子を買い占めないでください、大きな玉子焼きが出来るだけです」と言って去って行きました。この毒とユーモア、ナイス!
あの日以来初めて音楽を聴いたひとも多かったんじゃないかな。非常時に聴く菊地さんの話とDCPRGの演奏はまさしくハードコアピース。塞がっていた心がパンと開いたような気分になりました。前を向くのだ、笑うのだ。
菊地雅章さんが元気になりますように。何のためらいもなく、笑顔で音楽を聴ける日が再び来ますように。
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