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2010年10月02日(土) ■ |
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BOOM BOOM SATELLITES JAPAN TOUR 2010 2nd STAGE |
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BOOM BOOM SATELLITES JAPAN TOUR 2010 2nd STAGE@幕張イベントホール
としよりのご多分に漏れず昔話をすると、ブンブンを初めて観たのはLIQUIDROOMがまだ新宿にあった頃。ウォールオブサウンドのイヴェントで、セカンドフロアの方が客多いんじゃねえの(ロビーでもDJやってた)って感じのひっそりした真夜中のメインフロアで、何の演出だかビニール人形が飛び交っていて、客少ないからその人形も床に落ちがちで(笑泣)ライヴはすごくどんくさかった…CDではあんなに格好いいのに何故だ!とショックを受けたんだった……。
その頃ブンブンはビッグビートの枠に入れられがちで、その手のパーティに出てもすごく浮いていた。『Joyride』がメインのレパートリーだったから、BPMが速いものもないしアッパーなサウンドでもないし(でもすごく好きなんだこのアルバム。今でもいちばん好きかも知れない)、アブストラクトな立ち位置も含めなかなかしっくり来るイヴェントがなかった。『OUT LOUD』が出て、ワンマンが増えてからもライヴには長い間苦戦していた。しかし海外ツアー含め地道にじっくり、周囲からなんやかや言われたんだろうけど頑固に鍛錬してきたんだと思う。方向性も結構変わった。それを成長と言うか迎合と言うか、意見は分かれるだろうけど、どちらにしろ昔の音も今鳴らしている音も、ブンブンにしか出せない音なのは確か。
そして!ここ迄!!きましたよ!!!最近ではフジでのホワイトトリやグリーンPTA前、サマソニのマリンNIN前と結構プレッシャーな現場もあったでしょうが、単独でこの広さは初めてです。よ、ようがんばった!(泣)セットリストもステージ構成も練りに練った、詰めに詰めたと感じられる(感じられちゃうとこが青いと言うひともいるかも知れんがそれはまあいいじゃないか!そういうとこもブンブンなんだよ!)とてもいいライヴでした。感無量だ…いろいろ走馬灯が見える勢いですよ……。もうね、靴をなくした新宿リキッドとか、中野くんが謝った激ロウなAXとか、オール明けの歌舞伎町とか、いろいろ思い出した!最後ちょっと泣いた!
あー前置き長い。
いやもうね…普段穏やかでロウ気味な川島さんが、あんだけ感情を表に出したように見えたのもうわ!となったし、でもMCとなると「有難う」しか出ない(本編最終曲のアウトロだけで4回は言った・笑)ところにもなんかもう…ライヴは派手になったけどシューゲな心意気は変わらないのねと思ったりして……なんだろう、あの性格(ってそんな、このひとたちの人間性とか知らないけど。印象としてね)であんだけアッパーなステージやるのって結構たいへんなことだと思うんです。でもやりたいことはこれなんでしょう。で、音にはそれが出せる。音でしかそれを表現出来ないのでMCは朴訥、と言うかおぼこい。MCで「おめーら盛り上がってるかー!」「まだまだ行くぜー!」とか言えば会場はうわーっとなるし即効性もあるんだけど、そうじゃないところがまたブンブンらしいなーと思ったのです。前述の「川島さんが感情を表に出した」のも、MC部分ではなくあく迄歌の部分だし。そういうところがまた胸に迫りました。
いやでも川島さんよく動くようになったよね…昔はおきもののようだったもの。「マイクスタンドと一体化していた」(@どるさん)もの(笑)。
意地悪な意味ではなくて、14年一緒にやってきた平井さんの音を思い出す箇所も多々あった。Yokoさんがレコーディングから参加している曲は意識せず聴けたが、それより前の曲には時々ハッとさせられる。「Rise and Fall」「FOGBOUND」が顕著だった。同期ものが重要な位置を占めるものになるとなかなか厳しい。しかし「MORNING AFTER」辺りのしっかりした4つ打ちや8ビート、そして中野くんが彼女はこれ、と推していたブラストものには、ああこれはYokoさんじゃないと生まれなかったリズムだろうな、と思わせられた。明らかに違うタイプのドラマー。そして、今のブンブンが必要としているのはYokoさんの音なのだな、と思った。ヴォーカルから入るヴァージョンになった「DIG THE NEW BREED」はこれ迄随分変化を遂げてきた曲だけど、リズムが変わったことでまた印象が変わった。
中盤に最新作の曲を続けざまにやったんだけど、この辺りの緩急がすごくよかった。フジでは肉肉肉!灰汁とりません!なアゲアゲ連発で、あれれ?もっといろんな表情があるバンドなのに…と思ったんだけど、今回の流れはとてもよかったなー。「STAY」〜「FOGBOUND」間、ステージとフロアを遮った紗幕に投影された映像がとても美しかった。スタンド最後列から観ていたので、世界に引き込まれた。それに見とれていたのでひょっこりブンブン島(@どるさん)が出現するさまを見逃した。痛恨。
そう、ステージがせり出してきたんですよ…お、おおじかけ!最初はステージ中央に花道がありまして、盛り上がるところでフライングVを抱えた中野くんが駆け込んでギャーン!とか弾いたりして、その後ろを川島さんがしずしず追ってちょっと端っこでギャーンとかやってたんですが(ヴォーカルなのにおくゆかしい。それがいいのかもしれん)、そこ迄ステージ全体が出てきました。花道周辺とフロアの間が変に空いていて、なんであそこ迄客入れないんだろうと思ってたんだけどこういうことだったのか。ビックリした!ビックリした!
中野くんのファッションについてはいろいろ思うことがあり過ぎて逆に言葉になりません(笑)いや、似合ってるんだけどね…そしてキングオブ小顔、トランジスタグラマー(まちがい)。フライングVが大きく見えるので、それを振り回して踊るさまはパンキッシュなガールズバンドのようでした。かわいいねー(無礼)。コンパクトなスタインバーガー使ってた時は自分の身体に合っていて扱いやすいんだろうなと思ってたんだけど、ここ数年決して音がいいとも言えないフライングV使ってるのはやっぱりロックをやるんだと言う姿勢の現れなんでしょうか。初期に川島さんがフライングV使い続けていた時期があったけど、それとも違う意思表示に見える。まあ思ったまま進めばいい…好きにやればいい……。
ホントここ迄来られてよかったね……よくがんばったー!(泣)しかしこれで終わりではないのです。アンコールで「集まってくれて有難う」「学ぶことが多いツアーでした」等謙虚と言うかツアーをやり遂げたと言う解放感が感じられないMCだったのも、彼ららしいなあと思った。これは通過点。USツアーもすぐにスタートする。そのちょっとの間だけでも、ゆっくり休んでほしいです。おつかれさまでした、本当に。何度も何度も深くお辞儀をするふたりに、いやいやお礼を言いたいのはこっちの方だ!とジーン。
そして帰宅後あのステージせり出しの仕掛けが手動だったと知りビックリ。アナログ!(笑)いやはやスタッフの方有難うございますー!うわーん!
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セットリスト
01. BACK ON MY FEET 02. MORNING AFTER 03. Moment I Count 04. DRAIN 05. UNDERTAKER 06. TO THE LOVELESS 07. STAY 08. FOGBOUND 09. Rise and Fall 10. EASY ACTION 11. Kick It Out
encore1 12. LOCK ME OUT 13. Dive For You 14. DIG THE NEW BREED
encore2 15. DRESS LIKE AN ANGEL
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