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2009年08月31日(月)
『ドリアン・グレイの肖像』楽日

ぴーとさんおすすめのイタリアンで冷製パスタたべるんだーと台風の中出掛けたらお休みだった……。定休日ないって書いてあったのにー。臨時休業?

と言う訳で同じ通りのつきあたりにあるお店で冷製パスタ食べました。寒いのに。や、だって決めてたんだもん…そのお店もおいしかったですよー。

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『ドリアン・グレイの肖像』@世田谷パブリックシアター

と言う訳で初見が楽日でございます…ううう。やー、なんか、スカッと爽やかドリアン・グレイ!って感じでしたね。スズカツさんらしいわ…そしてスズカツさんの考える耽美ってこうだったわ……『C.B.』思い出しましたよ。近作では『ファントム』かな。

ホント篠井さんが言っていたように、「毎回違う出演者で違うスタッフでやって、スズカツはその稽古風景を見てるだけなのに何故か出来上がるとスズカツーって舞台になる」よね…『C.B.』とは出演者は被っていないし、スタッフも当時からやってるのは照明の倉本さんと音響の井上さんくらいでしょう(このふたり、てのは大きいけど)。美術の二村周作さんはここ数年組むことが多いですね。

全体的な構成はアッサリスッキリで、物語の流れが解りやすくなっています。毎度のこと乍ら刈り込みが巧い。それを濃密な世界に仕上げたのは出演者の演技に因るのでしょう。純粋無垢なドリアンの変化、しかし逡巡や悔恨も見え隠れする。一方ヘンリーも保護者的な指針を見せたり、自分の芸術哲学に確信を持っているようでいて、時々人間的な揺れも漏らす。多分どの面が強く反映するかは日によって違ったのだと思います。うー、一度しか観られなかったのが悔やまれる。ここらへん「均質のものを見せるのが作品として当たり前」と思うひともいるでしょうし、意見が分かれるところでしょうね。

前嶋さんの音楽とピアノ演奏も、複雑かつ力強く、印象深いものでした。スズカツ演出の音楽は、前嶋さん、横川さんが最近の二本柱ですね。あと深沢さんか。違いを観ていく楽しみもあります。

山本くんは、どんなに豪奢な衣裳を着ても、どんなメイクをしても、実のところスッピンで裸の姿がいちばん美しいんだろうなーと思わせられるので(『ヘドウィグ〜』の、ヘドがトミーになった姿は神々しい程だったもの)、逆に何着てどんなメイクすれば似合うんだ?って贅沢な悩みがありそうです(笑)宣美の写真が巻き毛のエクステを着けていたものだったので、銀髪で出て来た時にはちょっと驚きました。あれだ、『ハムレット』の萬斎さんがそうだったわ…宣美とすごく違ってガーンとなったんだ…。観るうちに慣れてきましたが、ここらへんもコスチュームプレイ、翻訳ものの難しさかも知れません。

しかし、その翻訳ものを翻訳ものと意識しないでいい状態になる程、すらすら流れが頭に入る台詞回しの加納さんは流石。立て板に水とはこのことですな。彼を筆頭に、皆さん身体を通した台詞に感じられてよかったです。あーでも、バジルが「ベストコンディションの時に…」って言った時は我に返ったわ(笑)これは役者のせいではなく…『トゥーランドット』の「今度生まれ変わったら、宦官になんかなっちゃダメだヨ!☆」くらいガクッとなった。スズカツさんの書く台詞って時々こういうとこあるよね…現代に上演しているからこその言い回しなんだろうけど、コスチュームプレイだと特に気になる。ここらへんも難しいですねー。

スズカツさんとこに出る伊達くんはいつもいい!(笑)おいしいとこ持ってく!三上さんは『リボルバー』終わってすぐの参加だったので大変だったでしょうが、要所要所を締めてくれました。あのいい声でなさけな〜い声出されるとブルッとくるわー。須藤さんもまっすぐな演技でよかった。

そうそう、米村さん、パンフのインタヴューがビジネスマン然としたインテリな感じで、役とのギャップが面白かったです。