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kai
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2009年06月05日(金) ■ |
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グローブ座のPTA |
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菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール@東京グローブ座
中二日でグローブ座。同じことしたひといませんか…いないか……(黙)
それにしてもPTA、も の っ そ い 化 け て ま し た
なにこれ…腰抜けるわ……昨年のオーチャードでもその片鱗はあったものの、第三期のペペは劇的に変態している。このメンバーで夏にレコーディング、10〜11月に新譜リリースと言っていたけど、このペースだとまた化けてそうだよ。今レコーディングしろ!つうか今日のライヴ盤を出せ!いや出してくださいお願いします。
ヒントはきっと4月のリキッドなんだろうが、これチケットあったのに行けなかったんだよね…Bobbidaさんのブログからいろいろ推察するしかないのですが、そう、終期DCPRG化してきている。コンダクターとしての菊地さん、プレイヤーが全員リズム楽器と化す、ボトムが極太。野蛮さ倍増、更に倍、ドン。エレガンでラウンジで南米ってPTAはどこに行ったよ。時々エキゾが顔を出して、ああそうだったとはっとする。もともとこのプロジェクトってコンセプト先行みたいなところがあったように思うんですが(菊地さんがもともと明確なヴィジョンを持っているひとだから)、その標榜するところがメンバーの入れ替わりとともに変化していっているのかも知れません。
カウント〜イントロ〜本編〜アウトロ、一瞬の小休止、カウント〜と言うふうに、曲間を殆ど空けずどんどん続けて行くのですが、イントロやアウトロでの各自のソロが本編に向かう際のリフにもなる。林さんのピアノと鳥越さんのベースがここらへん顕著でした。ふたりのユニゾンも結構多かったし、林さんはコードをアタック強めで刻んで行く。鳥越さんはベースの弦だけでなくボディも叩いてリズムを出すし、「バイレ・エクゾシズモ」ではハンズクラップも担当していた。この曲では菊地さんも指揮しつつ手を叩きつつ踊っていて、譜面をめくり損ねてばらまいたりしてました(笑)そのうちステップが地団駄スレスレに。はっとした。これはDCPRG最後のライヴで見た。まるでそうしなければリズムの重量を支え切れないかのように、コンダクターは四股を踏むかのようにステージを何度も何度も踏みしめたのだ。あの光景を思い出した。
ステージ上のプレイヤーですら、ちょっとした隙に足下を掬われてしまうかのように音が這い回る。一瞬で浮く、一瞬空中で止まる。滞空力がある。膨張、縮小、音がまるで目に見えるようだ。手につかめそう。なんなんだこれ…と延々考え乍ら聴いていて、中盤でやっと、あ、これグルーヴじゃん!と気付く始末。いんやこんなグルーヴにはなかなかお目にかかれない。方法論がさっぱり解らない。変拍子でとかポリリズムがとか、これ迄の算数とはまた別物だ。ジャズのようなフリーフォームではない、現代音楽のような制御もない。これは一体なんなんだ!?ここが劇場ではなくライヴスペースのフロアだったら、きっとギャー!とか言ってたよ。あとここ、座席が7席くらい連なってるブロックだったんだけど、皆が座ったまま腰でノるので椅子が地震のように随分揺れてました(笑)
くそー、さっぱり解らないとか言ってる場合では…しかし次に東京でライヴが聴けるのは12月なのだ。この感覚、憶えてられるかな。NKDSはまだ人数が少ない分、個々の手の内がちょっとは予想出来るんですよ。ちょっとだけど。あの6人が手の内をさらして、どう動いて行くかを目撃したい、と言うのがある。ペペは…人数が多いこともあるけど、まだ判らない。でも今日のような状態でしばらく続くのなら、これは見逃せない。
アンコールの菊地さんのMCと(相変わらず頭おかしかった。最高です。菊地さんがああいった照れと絶望を内包した、命綱なしでWTC間を綱渡るような喋りをしなくなったら、私は悲しくなってきっと泣いてしまうね!いつだってゲラゲラ笑い乍ら聞いてるけど、実は泣きそうになってるもんね!)、バンドネオンとヴォーカルで始まる「恋とは何か貴女は知らない」、ふわりとした「暗くなるまで待って」でクールダウン出来た。なんだかほっとした。終演後首の後ろガチガチ。
ハコのサイズも丁度よかった。ステージからの緊張感もビリビリに伝わるし、このくらいの広さだと会場全体の集中力が伝染するし持続する。オーチャードだとちょっと大きい。キネマ倶楽部だとステージが小さい。確かにこのバンドはクラブハイツが似合っていたな。でもクラブハイツはもうないので、今後はグローブ座を根城にすればいいじゃない…クローズは(案の定)大ボラだったしな!(笑・菊地さん平謝り)
「どんな人生にも、チークタイムは存在する」。アンコール前に菊地さんがすごーいいいこと言った。「ミラーボールを発明したひとにはノーベル平和賞を」@数年前のクアトロも名言だったなー。今の自分にはすごく沁みた。これからいろいろあっても、この言葉が支えになるかも知れないな。
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