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2009年05月23日(土)
『楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜』

■初めて見た
新宿のタイガーマスク(新聞配るひと)がマスクしないで歩いていた。服はいつものあの感じだった。なんかふくふくしたおじいちゃんだったー

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『楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜』@シアタートラム

今月は清水邦夫の作品を二本も観られたー。こちらも有名な戯曲ですが、実際に舞台に載ったものを観たのは初めてです。生瀬さんの演出も久し振り…そとば以来じゃないかな。まっとうな演出をする方なので、まっとうに脚本を追えるだろうとの予想でした。で、実際よくもわるくもそうでした。面白かったんですけど…ううーん、気軽に観られる感じのものに仕上がっています。

メンツがメンツなので、もっと怪物的な女優像が観られるかなとこちらも期待し過ぎていたかも知れないが…ううーん至極まっとう、笑わせるところもまっとう、はみだした感じもせず…綺麗にまとまっていたとは思いますが。女優の業を記号化したかのような戯曲なので、一度その記号化したものを役者たちの身体を通して血肉化する作業が必要になります。その過程を通して、もうちょっと、もうちょっと…圧倒されるような何かが欲しかったようにも思いました。60分もあれば上演出来るものなのですが、今回は90分。それでちょっと間延びしたように感じられたのかも知れません。

とは言うものの、女優の恐ろしさはともかく、女優の孤独、女優の焦燥感、女優の悲しみと幸福は、出演者全員からひしひしと感じられた。チェーホフ、シェイクスピア、三好十郎のテキストからの引用を、活き活きと語る女優たちの姿はとても楽しそうで、悲しみに溢れ、演じ続けることこそが生きる(死んですらも)意味、存在する意味になっている。私を見て、私を認めて、私を観客の前に立たせて。

いや待てよ…女優=女性として観るからあまりおっかねーとも思わず観られたのかな…。共感を通り越して自然過ぎたんだろうか。男性が観た場合どうなんでしょう、これ。こえー!すげーおっかねー!とか思うんでしょうか(笑)

自分の台詞を手にした喜びと、しかしそれは永遠に観客の前で演じられることはないと知っている三人の女優。楽屋で『三人姉妹』を演じる死者たちは、どこの劇場にもきっといる。