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2009年03月25日(水)
『チェ 39歳 別れの手紙』

■さびしー
歌舞伎町のロッテリアで待ち合わせようか、待てよコマ劇場と同じ建物だからひょっとしてもうないかも!とモスに変更。見に行ってみたら、建物はまだ残っていたけど閉店していました。うわーここ結構行ったよなあ、リキッドのライヴ前とかよくここで待ち合わせしたよー(泣)
コマ劇場の壁面には美空ひばりさんやサブちゃんのステージ写真と52年間有難うの看板が。いつ取り壊すのかなあ

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『チェ 39歳 別れの手紙』@新宿ミラノ2

もうどんよりして映画館(かその後行った呑み屋)に傘を忘れてきた…うえーお気に入りなんだよ!見付かりますように!返ってきますように!ベニーが熱演過ぎるんだよ!(やつあたり)

『チェ 28歳の革命』の続きです。再婚したよとかそういう話はまるっと飛ばし、いきなりボリビアに出発していたので面食らう。アレイダ・マルチと再婚したのは周知の史実であると言うことと、『28歳』であーそうなりそうだなーと言う気配は描いてたので、この映画にはそこは重要ではなかったと言うことでしょう。革命を起こしてからキューバを去る迄、ゲバラがどういう生活をしていたのか、どういう心境でいたのかは殆ど描かれません。旅立ち前に家族と団らん(しかしもう変装していて、こどもたちは彼が父親だとは気付いていない)するシーンがちょっとあったくらい。

そう、ゲバラの革命理念は語られるシーンがあるものの、彼の心境は全く語られないんですよね。そこが徹底していた。彼が何を考えているのかに思いを馳せ乍ら観ることになります。基本的にゲバラのことを知ってるひと向けに作られたものです。なのでゲバラに詳しければ詳しい程楽しめる(楽しい話ではないが)ものなんだろうだと思います。説明も最小限なのでついていけないエピソードも多かった。しかし退屈ではなかった。もうずっと息を詰めて観た。あと『28歳』とは違って時系列順に進んだので混乱することなく、時間の長さは感じませんでした。ずーっと「うわーん捕まりませんように!」と思い乍ら観ていたので、ゲバラが捕えられた後はもうあっと言う間だった。そのあっと言う間がまた虚しい…あんだけがんばってたのに捕まって殺されるのはあっさりだよ。

ボリビアに入ってからのゲリラ活動はもうやってもやってもやり損みたいな感じでつらかった…農民たちを解放するために活動してるんですよ、て丁寧に説明して、ごはんもらったりする時も紳士的で、こどもたちに学校を!とか薬を!とか一所懸命やるのに、その農民たちの密告でどんどん追い詰められてくのね。この徒労感!森の中でゲバラは喘息の発作が出て(『28歳』の時よりキツい描写だった…咳するより喉がひゅうひゅう鳴るのがもうつらい)しかも薬ないし。そんな自分に苛立って、ゲバラが連れてた馬をボコるシーンが一度だけあるんですが、ずっと穏やかだった彼がそこ迄…と思うには充分の描写でした。

疲弊するわ数は減るわ士気は下がるわでボロボロになっていく。その上このひとたちのやってることって実際どうなの?と言う疑問も湧くように描かれている。それでも農民との交流シーンがちょっとずつ入る。こどもと遊んだり写真撮ったり。笑顔もある。そして実際はどうだったか知りませんが、ゲリラたちは農民たちが密告していたことに気付いてたのか気付いてないのか、彼らにうらみごとを言うようなシーンは一切なかった。ここらへんも徹底していた。

ゲバラが処刑され、ヘリで運ばれるところ迄丁寧に描いていました。そしてシーンは『28歳』冒頭の情景に戻る。船に乗ってキューバへ向かうゲバラ。くすんだ青い海と空、清々しい風。淡々と始まり、淡々と終わる。

ベニーはもうすごかった。すごい以外に何も言うことない!なんかもうすご過ぎて、えーとこれって誰だっけ?と思う程だった(笑)最新作はスコセッシの『沈黙』になりそうですが、また渾身の演技を見せてくれるんだろうなー。楽しみだけど怖いなー。

どうでもいいがメインで出ていた農民の家族のおかーさんが田中眞紀子さんに似ていてそこはちょっとなごんだ。あとマット・デイモンがワンシーンだけ出ていて、あっオーシャンズ人脈!とか思ってニヤニヤした。

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■その『沈黙』
続報出てないんだけど、ガエルくん出演は決まったのかな?彼も『モーターサイクルダイアリーズ』でゲバラを演じてますね