初日 最新 目次 MAIL HOME


I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
MAIL
HOME

2008年02月27日(水)
『ジェシー・ジェームズの暗殺』とか

■サマソニのメンツがすごい
あーもう今年は行くの決定だ。日割りとか考えなくても。
ウェラー師匠のバンドではあのコ(クラドックさん)も来るよね?
ジザメリ、兄弟揃うとは限らないよと言われああそうだねと素で答えるくらいにはこっちも疑り深くなっています(笑)当日迄信用しません。でも行くよ

■電気グルーヴの
新しいアー写に腹がよじれる
綺麗なジャイアンとか思い出した

■武蔵野館
久し振り。前回観たのはエディソン・チャンの映画(『DOG BITE DOG』)だったよ…これのエディソンすごいよかったのになあ…もう役者の仕事は観られないのかなあ……(黙)

****************

『ジェシー・ジェームズの暗殺』@新宿武蔵野館3

すげ〜よかった〜。160分が嘘みたいにあっと言う間。ストーリーは淡々と進むのに、台詞もそんなに多くはないのに、登場人物の表情が多弁。映画を観た!と思わせられます。

19世紀末に実在したギャング、ジェイムズ一味。南北戦争に南軍ゲリラとして参戦したジェイムズ兄弟は敗戦後強盗集団に。貧富の差が激しくなっていた時代、銀行や列車を襲うと言う資本家への挑戦とも受け取れるその活躍?ぶりはタブロイド紙を賑わせ、民衆からヒーロー扱いされるようになります。ジェイムズ兄弟物語なんて小説も出版される程。彼らはメディアが作り上げた最初のセレブとも言われているそうです。

が、ジェイムズ弟=ジェシーはもうそういうのにはうんざりしてて、自分のこどもにすら本名を教えず、偽名を使っての逃亡生活にも疲れきっていた。そんな頃、ジェイムズ兄弟物語を読んで育ち、ジェシーをカリスマ視するロバート・フォード=ボブがギャング団に参加させてくれとやってきます。

あ〜もうたり〜てな感じになってるジェシーを前に、複雑な感情を抱くボブ。この複雑な感情ってのがホントに複雑な訳ですよ。ボブはジェシーのことを何でも知ってると思ってる。身長や、末っ子と言う共通点を見付けてそれをすごく大事にしてる。憧れが裏切られたような気持ちと、どうやっても自分はジェシーにはなれないと言う歯痒さと、世紀のヒーローをしとめて有名になりたい気持ち、その報酬を得たい気持ち。これがもーごちゃまぜで、かわるがわる顔を出す。

そしてボブはジェシーを背後から撃ち殺し一躍有名になり、その後再現劇を自ら800回以上も演じ、民衆から裏切者、卑怯者と言われ哀しい末路を辿る。彼の写真や文献等、情報は殆ど残っていないそうです。

カメラが誰にも肩入れしないと言うか、とにかく淡々と、フェアに撮っている。恐怖の表情、憧憬の表情、苛立ちの表情、からっぽの表情。

で、個人的に、ホントこれは個人的なあれなんですが、ジェシーを演じたブラッド・ピットがカート・コバーンそっくりに見えて戦慄したんです。それはもうギョッとする程に。以前ブラピがロン毛のブリーチした金髪にしてて、カートのコスプレやってんのかなーって時期がありましたけど、その時ですら「似てる」とは思わなかったのに。ジェシーはブルネットなのに。

カートの晩年の瞳にそっくりだった。これを捉えたカメラもすごいと思うけど。

これは何なんだろう。んあーボブみたいに共通点を見付けようと躍起になってる訳じゃないんだけど、ちょっと考えてしまった。ジェシーは自分が立つ凍った湖の表面を銃で撃ち乍ら自殺願望を話した。自分にウンザリすると言った。ボブに新品の銃をプレゼントした。決して身体から放さなかったガンベルトを外した。額縁のガラスに映った、銃を構えるボブが見えていた。ユーモアがブラック過ぎて周囲がドンびき。「『I Hate Myself And I Want To Die』てのはカート流のジョークだよ」?

受け手の勝手な妄想だと思う。でも、そんな映像のマジックがあった。ブラピは好きな役者さんで、映画もタルそうなの以外(笑)欠かさず観てるんだけど、これ迄の演技でいちばん好きなものになるかも。

と言えばブラピってミズーリ州出身だよね。綺麗な空の色。この美しい景色を捉えるカメラも素晴らしい。ガラス窓越しに人物を捉える映像もよかったなあ。

えーとあとは

・ボブを演じたケイシー・アフレック!すごいいい役者さんなのねーオーシャンズシリーズでしか観たことなかったからビックリしたよ!なんだよすげえじゃねえか…
・ジェシーの従兄弟を演じた(可哀相な役)ジェレミー・レナーがQOTSAのジョシュに似てた
・ボブの兄を演じたサム・ロックウェルがすげーよかった。彼も相当複雑な感情を抱いた人物
・サム・シェパードがブラピの兄ちゃんて、ちょっと無理が…(笑)実際には4歳違いの兄弟だったと言うから
・エンドロールでばーんとタイトルが出たのが格好よかった。書体も

そしてニック・ケイヴが音楽(ウォーレン・エリスと共同。おおーニックだウォーレンだーて音でよかったです)だけでなく出演もしておりました。ビビるニック警部と言う世にも珍しいものが観れます(笑)酒場で「ジェシーは金持ちから奪い貧乏人に与えた、3人のこどもだちも勇敢だった、卑怯者のロバートが彼を殺した」とか唄う流しさん。これアメリカでは有名なトラッドソングだそうです。その場にいたボブが銃をぶっぱなし「ジェシーのこどもは2人だった!」と言うんですが、これも本来の歌のツッコミにあるそうです。はー、ジェシーは死んでからも歌になる程だよとここでまたどんより。

****************

■そういえば
『ジョニー・スエード』にも出てたなあ警部。今回ブラピと同じシーンはなかったけど、今回の音楽を手掛けたのってその縁もあったのかな?

■あー警部の実物を観たいなー
最後の来日から今年で10年ですよ!来月TBSの新譜も出るよー楽しみだよー。
TBSもいいけどグラインダーマンもいいな!
フジは無理でもサマソニで…(似合わない)

■早速役に立った(笑)
ジェンヌに俗語とかを調べるにはこのサイトがいいよーと教えてもらったアルクのサイト
参加型で俗語や流行語も随時更新される、オンタイムな便利ものだそうです。翻訳者さんがよく利用するとこだとか。ありがとー。
cowardの意味を調べてしょんぼりです。かなりの侮蔑語だあね……