I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
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2007年02月16日(金) ■ |
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『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』 |
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はーちょっと頭も冷えてきたんで感想書いとこう。
『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』@新宿FACE
序盤ヘドウィグが「あなたたちCNNで私を知ったの?それで観に来たんでしょう」と言う。「トミーのライヴ会場の近くでヘドってのがライヴやってるらしいぜ」と実在するバンドをふらりと観に来た観客。そこで起こった一晩の出来事。これに尽きる。こんな現場感は久し振りだ。FACEを出て、歌舞伎町を抜けて、ちょっとひと気のない通りを歩いていた時、じわじわと感動が押し寄せて来た。舞台を観た帰り道に泣くなんてのも久し振り。ヘドウィグに会ったんだ。そして彼女の半生を聴かせてもらった。
歌は全編英語、字幕はなし。訳詞が書かれたリーフレットが配付されている。絶妙の選択だと思う。大音量で聴いてこそのロックナンバー、歌詞自体が聴こえづらい。それでもヘドウィグの悲しみは伝わる。予備知識をつめこんで、ガチガチの頭で聴かなくても、力のあるものは無条件で心に迫ってくる。段取りに気をとられず、目の前で起こっていることに集中出来る。この点を非常に大事にしてる。構成もかなり思い切っている。台詞は日本語。ここは!と言う部分はしっかり伝わる。
「ヘドウィグはこうでなければならない」「日本人が日本で上演するのだから、日本語で唄わなければならない」「あのエピソードがないなんて信じられない」と言う保守層からはボコボコにされるだろう。しかし、そんなに観客ってのは受け身一辺倒なのか?教えてもらわなくちゃ感動も出来ないのか?
無条件に感情を動かされる歌、ステージに立っている役者の身体、そこから受け取るものは大きい。理屈はいらない。それを大事にした上で、緻密に、繊細に作り込まれた舞台だ。この「手を出さない=おせっかいをしない」と言うのは非常に勇気のある演出だ。そしてその演出を汲んで目一杯表現するふたりの役者が素晴らしかった。舞台上で生きている。そこにいるのはヘドウィグとイツァークだった。いや、ホントにいいよこのふたり。歌が生きてる。台詞がその人間が発した言葉になっている。
終演後、物販に観客が殺到する。その光景すら現場のものだ。
出入口付近にフロアを見渡すスズカツさんがいた。いい顔してた。
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以下周辺のメモ。
■旧リキッド 音楽好きにはお馴染みですね、今回の会場FACEはLIQUIDROOM shinjukuの跡地です。ロビーレイアウトが若干変わっていましたが、ステージはあのまま!あーまたここに来られるなんて!そしてここでヘドを観られるなんて!いちばんの心配だった「旧リキッドと言えば、“あの階段”を7階迄上らねばならんのか…」ってのは大丈夫でした、エレベーターが使えます(笑)帰りは混雑するので階段でした。懐かしかったな。落書きは消されて、綺麗な壁になっていた
■で、そのロビーがですね ちょっとややこしくなってます(苦笑)エレベーターを降りた途端にチケットもぎりです。準備しとかないと入口で詰まります。そしてトイレが大・混・雑!します。並ぶでえ〜。その行列が入口付近迄伸びちゃうので、ロビーが混み混みになります。スタッフさん奔走してはりました
■でも その雑っぷりがまた場の雰囲気に合ってるんだよね…(いやスタッフさんがんばれーとは思うが)こういう空気を楽しむのもいいと思うよ
■客席 あの傾斜のないフロアにパイプ椅子ですからちょっと観づらいかな。でもステージ自体が高いのでさほど気にならない、こういう空気を楽し(以下同)
■立ち見券 当日出すそうです。うん、スタンディングで観たかったんだ!前売り追加分で確保出来たので、踊り倒したる
■『いや、今度のヘドウィグは、よい!』 翻訳を手掛けた北丸雄二さんの感想
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