I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
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2006年02月09日(木) ■ |
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『労働者M』 |
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『労働者M』@シアターコクーン
195分+休憩15分。1幕125分、2幕70分。『ピローマン』みたいな区切り時間だな(苦笑)。以下若干ネタバレあるので未見の方はご注意を。
2月1日の東流会でヨタロウさんが「脚本が全部あがったの先週の土曜日(=1月28日)だったよ」と言っていたそーで…まあケラさんの舞台ではよくあること……にしても、今回の出演者はそれに慣れてる(?)ナイロンのメンバーだけじゃないから!プロデュース公演だから!
ケラさんのと三谷さんのは、なるべく後半をとるようにしているんですが、今回ばかりはこの日しかとれなかった。だだだ大丈夫かなーと思いつつコクーンへ。
結果から言うと、やっぱりこれ…長いよ……。で、その長さってのは結果的なもので、意識的なものではないような気がする。脚本あがるのが遅いってのと無関係ではないと思う。
ケラさんの舞台は観乍ら「ここはカットしてよかったんじゃ…」とか「これはまわりくどい…」と思うところがよくある。それはコメディでは、笑いに持って行くために必要な繰り返しだったり寄り道だったりするんだけど、ストーリーでガツンと進めるものには「んん?」と思うことがある。
脚本があがるのが遅いから、実際舞台に載せて役者に喋らせて様子を見てカットする時間がないのかなと邪推してしまう。字面と発声のスピードに差が見えてきてしまう。繰り返しを4回から3回にするだけでもかなり違うと思うんだよな…4回やって客を退かせるのが狙いかも知れないけど、それは親切過ぎるんじゃないかな…。
演出はとても面白かった。映像と実像を重ねて目の錯覚を起こさせるトリックは『消失』のラストでもやっていたけど、こういうのは紀伊國屋や本多よりも、天井の高いコクーンやSePTでやるととても効果的だ。美術もそう。『カメレオンズ・リップ』に続く中越さんですが、ケラさんと相性いいのでは。2階席だったので、全体を鳥瞰出来てよかったな。本当に綺麗だったし、舞台全体に染みが拡がる映像には何とも言えない恐怖感を感じて面白かった。画ヅラはホント、素晴らしかった。
でも、繰り返し使われるその手法がだんだん…脚本と離れて行っている感じがして……。前述の、映像と役者本体を重ねて役者がハケて映像だけが残るシーンも、『消失』ではストーリーに沿ったものだったと思うのね。でも、今回はその演出を「この前やってみて面白かったからまたやってみた」以上にとれなくて…うーん。パロディとしてとってもいいんだろうけど。終盤の無数の石が降ってくるシーンは昨年堤さんがコクーンでやった『幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門』のパロディだと思うし。ここらへんは意図的だと思う。
『消失』をコクーンで上演したら、演出や美術がすっごいハマるんじゃないかなと思った。これも長いけどね。あー『消失』また観たいよ。そしてケラさんは演出のみの仕事を観たいなあと思った(ら、春にオールビーの『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』をやるって!うわ楽しみ!)。
や、今回のも嫌いではないですよー!好きですよー!でも、短いともっと好きですよー!ガツッとまとまれば!2時間くらいがいいな!(何様)
…でも、脚本演出役者がハマッた時のケラ作品はあんなもんじゃないと思う…(わー言っちゃった)これが初見のひとは、ここで止めないで何本か続けて観てみてほしいな…。
哲司さんがケラさんの演出にこんなにハマるとは!天然と冷酷とバカと愚かは紙一重だね!また一緒にやってほしいなあ。「おまえは己を知らな過ぎる」って台詞に大ウケ。堤さんは楽日迄怪我に気を付けて!松尾さんは体力もつといいね!(笑)そして今奈良さんがコクーンの舞台に立ってるって事実に目頭が熱くなりました…。女優陣もよかったです。つうか役者はよかった、よかったよ…。
それにしても堤さん、イケテツさん、哲司さんが一緒に舞台に立つと映えること映えること。そして松尾さんも実は(実はって言うな)プロポーションすごいいいんだよね。衣裳も似合ってたー。
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■久々に更新したかと思えば ----- [02_08_2006] The Grammys make me hate music, and certainly everyone in the ass-licking music industry. 5:53pm_PST ----- グラミーにときめかないのはこういうことなのかーでもそれは何故そうなるのかー
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