初日 最新 目次 MAIL HOME


I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
MAIL
HOME

2005年10月04日(火)
『シン・シティ』『シンデレラマン』+α

アメーリカ〜♪(THE KLFのあのフシで唄ってね!笑)な映画をハシゴ。まずオリジナルがあって、それをアーティストエゴを出さずに映画に起こすと?と言う2本でした。以下ネタバレありです。

****************

『シン・シティ』@ミラノ座

原作アメコミの世界観をいかに再現するかってのがいちばんのテーマだったんじゃないでしょうか。画面がとにかく凝っている。着色の仕方や構図はもーとっにっかっくっキメキメです。影も描いてるところが多い。どこを切っても絵になる。派手なバイオレンス描写も、コミック的なのでもはや笑えます。基本画面がモノクロで、ドレスや口紅等の華やかな部分のみに赤が入り(あとロリコン犯罪者くん変身後の肌が山吹色だったな)血はモノクロのままなのでスタイリッシュ。現実味はありません。ここは見やすさとしてはうまーい!と思いました。

…そう、うまいなーいい画面だなーってのに感心してしまって。話の方には入り込めないですね…って、入り込むも何も、ハードボイルドを茹で過ぎましたーってなこの話はフィクションとして楽しむのがいちばんでしょう…で、うっかり帰りにナレーション口調になってしまったり、トレンチコート買いそうになっちゃったりするのな(笑)

出演陣も、皆原作の世界観を活かそう!と言う主旨を守っていたのでは…と思います。顔もメイクでがんがんに変えちゃってます。ミッキー・ロークは全く本人の面影がありません。ジョシュ・ハートネットもかなり雰囲気変えてきてた。

でも皆楽しそうにやってたなー。特にベニシオさん(笑)いやーこんなアホキャラのベニーさん久々に観たよ…た、楽しい…。最後の最後迄アホやった…。

あっ、あとイレイジャくんの役が強烈だった!よ、妖精が妖怪に!ファンのひとショックかも!

もーアホアホ言うてますが、そういう心意気で観た方が楽しめると思います。物語に深みとか求めちゃダメだ!眉間に皺を寄せたアウトローと、ぼいーんばいーんなオネーチャン達と(これは楽しいぞー!目の保養だぞー!)、一途で賢い若い女のコが出会ったり別れたりするのを楽しめばいい!

歌舞伎町で観たってのもよかった。ここも一種のシン・シティ☆

****************

『シンデレラマン』@新宿ピカデリー2

こちらは実話を基にした脚本をいかに再現するかと言う主旨だったような。丁寧に丁寧に、家族を描いています。

ノーマン・ロックウェルの描くポストカードに出てきそうな子供ちゃんたちのかわいーこと!こんなかわいらしー子が3人もいれば、おとうさんがんばっちゃうぞーてなもんです。妻と子供を愛し、家族のために怪我を隠して試合に臨むおとうさん。妻は奥ゆかしく、しかし強く、夫を支える。こんな家族が不幸になっちゃいかんだろー、と観客は思う訳です。

それを煽るように、チャンピオンの嫌なヤツっぷりを臆面もなくアピール!で、そのチャンピオンも、試合が終わったらすっごいフェアなの、ハグとかしちゃって。憎しみの対象を昇華してしまいます。もーとにかくめでたしめでたし。実話なのに何だかおとぎ話のよう。事実は小説よりも奇なり、ってことだよ!と無理矢理納得させられたような…。

でも、ちょっとしたところが妙にリアルなんですよね。ミルクを水で薄めたりとか。これ、ホンットにミルクがほしいのにない、って状況じゃないと思い付かないと思うんですが…牛乳を水で薄めて飲もうと思うか?粉ミルクならまだしも。これ、本当にあったエピソードなのかな…。こういう、小さいけれどドキッとするようなエピソードが、現実感を繋ぎ止めていたと思います。マネージャーさんの、ボクサーへの献身っぷりにもじんわり。この役者さん、誰だっけ?何に出てたっけ?いつもこういうピリリと山椒、みたいな役柄で出るよね?いいひとだったー。

その反面、チャンピオンがユダヤ人と言う設定や、フーバー村で死んじゃったお友達はおいてけぼりだったかな。後者は、伴侶をなくしたひとが身近に出来て、妻が夫の試合に不安を膨らませ…と言うところへの効果を狙ったんだと思いますが、ここらへんはとって付けた感がありました。あとここで肋骨折りました!ってスケルトン映像を挿入するのはやり過ぎかなあとちょっと思った。

とは言いつつ、演出は丁寧だし、撮影もいいし(ボクシングシーンの迫力がすっごい!)出演陣は皆素晴らしいし(ラッセル・クロウってホントいい役者さんだよ!好きだよあたしゃ!例えゴシップばっかで話題になっても!(笑泣))、観ている最中はかなり熱くなってしまいました。

そうそう、ラッセルさんもレネーちゃんもカメレオン俳優ですよね。俺様芝居ではなく、体型からぐっと変えてくる。こういうところも“歴史再現もの”らしいキャスティングを狙ったのかな、と思いました。

こちらは素直な心意気で観るのがいちばん!深読みとかしちゃダメだ!家族の幸せを祈り、勝利を願い、嬉しい時には泣いて笑えばいい!

アイリッシュトラッド使いのサントラ(おとうさんがアイルランド移民の設定)もよござんしたー。

****************

とまあ、両方ともちょっと醒めた目線で観てしまったのですが、どちらも面白かったです。この組み合わせで観たのは良かったのか悪かったのか?

****************

■NIN Drummer Jerome Dillon Leaves Tour
とりあえずはゆっくりしてけろ…ちゃんと治りますように!
バンドの皆さんは今頃ジョシュを迎えて休み返上のリハですかね…

■CREATIVITY NOW TOKYO 2005
おー面白そう。この日『胎内』トークショウあるんだけど、通知が来ないってことは抽選外れたんだよなあ…(しょんぼり)こっちに行こうかなあ。飴屋さん以外のメンツも面白げだし

■どうでもいいが
以前エリカ・バドゥをエリカバ・ドゥだと思っていた。イベリコ豚をいべり仔豚だと思っていたのと同じ構造ですな